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当時は学校や会社も、結婚でさえ途中で辞めることは出来ませんでした。会社や結婚については法律があったわけではありませんが、一度始めたことは最後までやり通すというのが暗黙のルールとなっていたのです。チャーリーはバンド結成時にはすでに会社員として働いていたため、名義上はその仕事を続けていました。チャーリーに限っては、途中退社が一般的になった後も、定年まで会社員との両立を続けていました。
「お前は自分の言っていることがわかっているのか?」
当時はキースでさえ、それが当たり前と感じていました。
キースは当時の社会への不満を色々と感じてはいましたが、特に表だって逆らうようなことはしていませんでした。キースはただ、自分が思うように生きていたいと思っていただけです。キースの歌詞も、特別な意思があるわけではなく、本人から言わせれば、それだけのことなのです。結果としてそれが、社会への反発としてとらえられてしまっているだけで、意識的に反発をしていたことは、一度もありませんでした。
「辞めるのは、自由だろ? 僕がいなくても、ライク・ア・ローリングストーンは続いていく。もしもギタリストが必要なら、新しく入れればいいんだ?」
その考えもまた、新鮮なものでした。新しいメンバーが加わることは普通でしたが、いなくなった穴を補うというのは、意味が違います。