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「だから僕は言ったんだ。こうなることは予想が出来ていた」

「それは俺も同じだ。けれどこれでいいんだ。この騒ぎはきっと、世界が変わる序章になる」

 結果として、キースの言葉は現実のものとなりました。しかしこの時点では、僕はまるで信じていませんでした。

「そんなはずないだろ! あの会社はキースに目をつけている。なにをするかわからない。そういう会社だって、わかっているはずだ!」

「俺たちは大丈夫だ。守られている。わかるだろ? 俺たちは金になる。ファンも大勢いる。新作も一部以外では大評判だ。この意味がわかるか? 誰もが失われた歴史に興味を持ちだしているってことだ」

 ライク・ア・ローリングストーンのために、世間が動きました。ツアー途中の突然の活動自粛に、ファンたちが納得をするはずがありません。世界を支配していた会社の本社に、大勢がかけつけました。特にチケットを手に入れた者たちの怒りは、半端ではありませんでした。ライク・ア・ローリングストーン側は、全額払い戻すと言いましたが、金の問題ではないのです。実際に、中止となったライブチケットの払い戻しが行われたのですが、全体の二割程度しか集まらず、残りのファンはそのチケットを大事に保管しているといいます。数年後、彼らはそんなファンたちのために、無料のライブを開いています。三日間に渡る、朝から晩まで出入りが自由の無料ライブです。友達のバンドなどを集めたフェスティバルを開いたのです。今ではあちこちで開かれている音楽フェスティバルの原型を作ったのが、ライク・ア・ローリングストーンだったのです。

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