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BLACK PALETTE  作者: 御伽
1/3

始まり、そして終わり。-緋色の教室-

夕暮れの教室。

そこに、1人の少年が立ち尽くしていた。

癖のある紺とも黒とも言えぬ髪が、カーテンとともに(なび)く。

開け放たれた窓からは、微風(そよかぜ)とともに美しく夕暮れた街が顔を覗かせていた。



そして、

それと比較させるように

少年の手に握られた鋭利なナイフと、

少年の足元の少女は、







美しく、赤黒く染まっていた。





彼は「最善」と「最悪」の分岐点にいながら、自らの手で「最善」の枝を切り落とした。


元からここは、最低最悪の可能性の世界というのに。


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