6.天使
自宅に帰って、夕食をとる。お風呂に入り、それからすぐ、優奈はビーズワークに取りかかった。作りかけていて、今日、足りなかった材料を買ったもの。一時間ほどで完成させると、それを小箱へ入れて、ラッピングした。
優奈の家ではクリスマスプレゼントをもみの木の下へ置く。鉢植えの中に入ったもみの木を、室内に入れるのだ。優奈はそこに、ラッピングした箱を置いた。箱の下に手紙を挟み込む。
満足して、優奈は自室へ戻った。窓から見える空は、相変わらず、雲に覆われているようだった。しかし、そこからチラチラと落ちてくるもの。
「雪?」
珍しくも、ギリギリ、ではあるが、ホワイト・クリスマスのようだ。例年、この日に雪が降ることはあまりないのに。
自然と笑みが零れるのを感じながら、優奈はベッドに横になった。
†
翌日、もみの木の下には親からのクリスマスプレゼントが置いてあった。その他に、小さな包みが一つと、手紙が一通。優奈が昨日用意したものはなくなっている。
待ちきれない、とばかりに、優奈は包みと手紙を手に取った。包みはふわふわとした薄葉紙を何枚か重ねたものを、リボンで結んだだけのシンプルなものだった。
開くと、そこにあるのは、ピンクを基調としたシュガービーズのブレスレットと、純白の羽根。
優奈は口元が綻ぶのを感じた。
†
『 雪羽ちゃんへ
作りかけてたビーズワーク、完成させたの。今日、クリスマスプレゼントは何もあげられなかったからね。……Angel Bear[White]。結構、力作のつもり。ストラップだから、どこかにつけてくれると嬉しいな。今日は楽しかったよ。ありがとう。 優奈 』
『 優奈さんへ
優奈さんからのプレゼント、大切にしますです。とても可愛らしい熊さんなのです。それに、白い天使……私とおそろいなのです。私からのプレゼントは、初めての私の作品なのです。頑張りましたですっ! もう一つは……私の証、なのですよ。 雪羽 』
これで終わりです〜^ ^
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