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データ収集

「あれ、誰からだろう?」


 朝の鍛練を終えて家に戻ると魔報に連絡が入っていた。確認すれば差出人はレオンだった。内容はフランヴィーレに行く前に一度エルピリアに寄れるかというものだ。


「問題ないよ……っと」


 それにしても何か呼び出されるようなことをしただろうか? 思い当たることと言えばウルファルドのことだが……別に報告するまでのことじゃないしさっぱり分からない。

 まぁ実際に行ってみればすぐにでも分かるか。




「レオン、入るよ」

「あぁ」


 中から返事が聞こえ、見慣れた部屋に入るとレオンがソファに寝そべってくつろいでいた。


「随分くつろいでるね……それで俺を呼び出したのってなんで?」

「そりゃお前、心当たりぐらいあるんじゃないのか?」

「うーん、あるとすればウルファルドのことなんだけど別にそこまででは――」

「いや、そのことについてだ」

「あっ、そうなんだ?」

「あぁ、昨日フランヴィーレから連絡があったんだが……大活躍だったそうじゃねぇか。よくやったな」

「……」

「どうした? そんな鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして。マヌケに見えるぞ」

「お前が素直に誉めるなんて……何が目的だ!」


 俺の知ってるレオンはそんなことをしない!


「おい、テメェは俺をなんだと思ってるんだ?」

「良いところがあってもあえてそこを見ずに、粗を探し出す人間かと」

「なるほど、お前の中で俺はかなりのクズなんだな」

「あはは、冗談冗談」

「いやいや、そんだけの即答だ。間違いなく半分以上は本気で普段からそう思ってるだろ」


 失礼な奴め、友達をそんな風に思うわけないじゃないか。せめて三割がいいところだ。


「ってそんなことは今はどうでも良くてだな。ウルファルドの素材持ってるんだろ? 良かったら見せてくれよ」

「あぁ、素材ね。良いよ」


 マジックボックスから昨日分配した素材の一部である牙を取り出す。素材は俺とメアで6、フランヴィーレが4で分配となっている。


「ほう、牙がこれだけの大きさか……本当に大きかったんだな」


 牙を掲げながら驚きの声を上げるレオン。やはりあいつの大きさは異常だったのだろう。


「さて、それじゃあ本題に入るか。ほれ」


 ソファから立ち上がり、机の引き出しから一枚の紙を引っ張り出して俺に渡してきた。


「それに書けるところだけで良いからモンスターや戦いの詳細を書いてくれないか?」




「書いたよ」

「おう、どれどれ……思った以上に書いてるな」

「それでそれをどうするの?」

「あぁ、これらを地下の訓練場に入力して、完璧に再現とまではいかなくてもある程度データ化して戦えるようにしておこうかなと」

「なるほど……」


 あそこにある膨大なモンスターのデータはそうやって集めていたのか。


「というわけで俺の用事は終わりだ。もうフランヴィーレに行って良いぞ。また面白い話を期待してるからな」

「いや、しばらくは勘弁してほしいよ……」


 こうしてエルピリアでの用事を終えた俺は、メアが待つフランヴィーレへと向かったのだった。



           ☆           



「何か良い依頼あった?」


 掲示板に近い場所にあるテーブルの椅子に座っていたメアに声をかける。テーブルには一枚の紙が置いてあり、恐らくこれが今回受ける依頼だと思うのだが。


「えぇ、面白そうなものがね。これよ!」


 予想通り、その紙をメアに手渡される。どれどれ、どんな依頼なのかな? えーと……


「『怪盗ゴーストからお宝を守ってほしい』?」

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