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移籍?

「おう、待ってたぞ優臣」


 バカンスから帰って来て早数日が過ぎた頃、ダンジョンの探索を終えてギルドに戻ってきた俺をレオンが入り口に近い場所の椅子に座って待っていた。


「今から暇か?」

「……」


 なんとなくだが面倒事に巻き込まれそうな気がする。俺に何かを頼みたかったようだが他の人に当たってもらうとしよう。


「ごめん、今から忙し――」

「暇なようだな」

「いやいや、だから忙し――」

「お前、どうやって断ろうか考えてるのが顔に出てたぞ」

「えっ?」

「隠す気があるならもっと上手く隠すんだな。それじゃあついて来い」


 顔に出てたって言ってもほとんど変化してないはずだけど……あいつはどれだけ人の表情の変化に敏感なんだ?




「やぁ、優臣」

「リヴォル?」


 レオンに連れられてギルマスの部屋に入るとフランヴィーレのギルマス、リヴォルがソファに座って紅茶を飲んでいた。ここにいるということはもしかして彼が俺に何か用があるのだろうか。


「ほら、座れ」

「えっ、うん」

「それじゃあ話を進めるか。早速だが優臣、お前にはフランヴィーレに行ってもらいたい」

「え……えぇぇええええ!?」



           ☆           



「なんだ、そういうことか……びっくりしたよ」


 俺はてっきりフランヴィーレに移籍しろと言われたのかと思ったのだがそれは違ったらしい。

 正確には少しの間だけフランヴィーレで依頼を受け、そしてフランヴィーレの人たちと共に依頼に当たって欲しいというものであった。


「でもなんでそんなことを?」

「交流するためだな」

「どうしてもずっと一つのギルドで、さらに同じ人たちといると技術が偏ってしまうからね」

「他にもそのギルド独特の凝り固まった空気や考えを解そうという目的とかもあるな」


 なるほど、つまり以前行ったエルピリアとフランヴィーレの試合を発展させたようなものと考えれば間違いないだろう。


「ちなみにこの交流はね、僕たちもエルピリアも相互でしか、つまりここの二つのみでしか行ってないんだ。これは僕とレオンの仲のように、フランヴィーレとエルピリアもとっても仲良しだからできることなんだよ」

「あ? 誰と誰が仲良しだって?」

「あはは、相変わらずレオンは冷たいなぁ」

「事実を言ったまでだ。それで今回は優臣とメアに行ってもらおうと思ってる」

「ふーん、それでフランヴィーレからは何人来るの?」


 少なくともエルピリアよりは多く入ったはずだから三人以上――


「いや、こっちからは毎回誰も出してないよ」

「えっ?」

「おいおい優臣、よく考えてみろ。もし一般人が魔境に入り込んでしまったらどうなると思う?」

「そりゃあ……あっ」

「分かったか? つまりそういうことだ」


 なるほど、確かにこのギルドは他と比べると魔境と呼ぶに値する場所だろう。そんな場所に一般人が来てしまったら精神的に参ってしまうかもしれない。


「なるほど、俺みたいに強い精神力がないとやっていけないからね」

「ははは、お前は面白い冗談を言う奴だな。俺はともかく、お前はもう十分この魔境の住人だぞ」

「は?」

「なんだ? やるのか?」

「あのぉ、僕から見れば二人とも立派な魔境の住人に見えるけど」

「それだけは絶対ありえないから」

「それだけは絶対ありえないな」

「そうかなぁ」


 なんてことを言うんだ! 世の中には冗談でも言って良いことと悪いことがあるっていうのを知らないのか!?


「とにかく、優臣とメアに来てもらいたいんだけど問題ないかな? メアからは先に了承をもらってるんだけど」

「あっ、そうなんだ。うん、俺も問題ないよ」

「それはよかった! それじゃあ明日からうちのギルドに来てもらえるかな? あっ、その前にフランヴィーレの場所分かる?」

「大丈夫だよ。じゃあ明日からよろしく」

「うんうん、こっちこそよろしくね」

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