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初日終了

 レオンと共に外に出ると、いろいろとあったからだろう。かなり時間が経っていたようで辺りは赤く染まりつつあった。


「いやー、すっかり遅くなったな。そういえば携帯だったか、それのシークレット情報ってなんだ? ああ、言わなくてもいいが」

「これにはな……男のロマンが入っているのさ」

「男のロマン? ……あー、なるほど。それは確かにシークレットだな」


 レオンは笑いながらそう言った。伝わったようでなによりである。


「そうだ優臣、腹が減ってるなら外で食べて帰らないか? もちろん今日は俺の奢りだ」

「さすがにそこまではいいよ。支援のお金も貰ったし」

「そのぐらいのお金はこれから道具を揃えたりしたらすぐ無くなるからとっておけ。こう見えて俺はお金を持ってるから遠慮するな」

「じゃあお言葉に甘えさせてもらうよ。ありがとう」

「ただその前に寄りたいところがあるからその後でも良いか?」

「もちろん」


 レオンは金属の板を取り出して、サナちゃんに帰るのが遅くなるため俺たちの晩御飯がいらないことを伝えて目的地へと再び歩き出した。そして目的地へ向かう途中に元の世界で何をしていたか、どんな物があったかなどを話し。そして話題は蓮二さんについてへと移っていった。


「それにしても蓮二さんはよく喋る人なんだね。話が長くて途中から何を話してるのか一部しか頭に入ってこなかったよ」

「あの人は研究者だからなぁ。どんなことをしているのか、何を知っているのかを優臣にただ聞いて欲しかったんだろう。……まぁ大事な理由もあるから、ってのもあるだろうがな」


 レオンは真面目な顔をしてそう言った。


「大事な理由って?」

「俺が言って良いのか分からないからな。知りたいなら蓮二さんに直接聞け」


 どんな理由なのか気になったが、知り合ってすぐに聞くのはなんとなく憚られたので、もう少し蓮二さんと交流してから聞くことにした。因みに藤堂さんから蓮二さんと呼び方が変わっているのは、別れるときに


「そうだ、それと僕のことは蓮二でいいよ」


 と言われたためである。正直なれなれしい感じもしたのだがこの世界では普通のようである。




 しばらく歩いていくと街から外れたところにある墓地へ着いた。どうやらここがレオンの目的地らしい。


「……」


 レオンはここに来る途中で買った酒を墓に供え祈っている。そしてぽつぽつと墓に語り始めた。


「遅れてすまなかったな。まぁあんたは一日ぐらいなら気にしないだろうけどな。必要ないと思っているかもしれないが今年も礼を言いに来た、あんたのおかげで俺もあいつも今日がある。……ありがとう」


 その後もレオンはいろいろと語っていたが、スッと立ち上がった。どうやら終わったらしい。


「よし、じゃあ俺の用事も終わったし飯食いに行くか」

「ああ」


 再び街に戻った俺たちは何を食べるか話していた。


「優臣は何か食べたいものはないのか?」

「何があるか分からないから任せるよ」

「それもそうか。じゃあ俺がよく行っている場所でいいか?」

「いいよ」


 そう言うとレオンは近くにあった建物に入っていった。


「ミラさん、いるか?」

「は~い、すぐ向かい……レオンじゃない! 久しぶりね、いつこっちに帰ってきたのよ」

「昨日の晩だ。それより腹が減ってるんだ、いつものを二ついいか?」

「はいはい。それとミラ姉でしょ!」

「勘弁してくれよミラさ……ミラ姉」


 このはきはきとした美人のお姉さんはミラというらしい。……それにしても再びミラさんと呼ぼうとしたレオンが、ミラさんのにっこりとした笑みを見てすぐに呼び方を変えていたが、あの笑みにはどんな意味があったんだ?


 料理を運んできたミラさんが椅子に座って話しかけてきた。


「そっちの子は初めて見るけど新しくギルドに入る子?」

「ああ、異人の優臣だ。昨日帰っていたら拾ったんだ」

「初めまして。えっと、ミラさん」

「ミラさんじゃなくてミラ姉って呼んで?」

「おい優臣、痛い目を見たくなければ『ミラ姉さん』と呼ぶことを勧めるぞ」


 ……なるほど、さっきの笑顔は脅しだったのか。というか呼ばないと痛い目を見るっていったい何をされるんだ?


「……初めまして、ミラ姉」

「よしよし。それにしてもレオン、今回入る子は素直ね。アタシのバカ弟子なんか出会った頃は……ってそういえばあの子も異人だったね。優臣君、君が入るギルドに君と同じ異人の我妻恭也って男の子がいるんだけど仲良くしてくれると嬉しいかな。ちょっと薬が大好きな子だけど悪い子じゃないから」

「はい?」


 薬が大好き? それってかなり危ない人のでは?


「まぁ優臣、明日実際に会ってみればいいだろ。ミラ姉、代金は」

「今日はレオンが帰ってきた記念にいらないわ。それより今日会いに行かないのね?」

「もう遅いしからな。それにあいつらに疲れたまま会わせたら優臣がもたないだろ」

「それもそうね、あなたを含めてあそこは変人が多いからね」

「あいつらと一緒にされるのはすごく嫌なんだが。ごちそうさん」

「はいはい、優臣君もまたね」

「ごちそうさまでした」


 さっきまで楽しみにしていたギルドだったがミラさんの話を聞いて少し不安になったため、レオンにギルドのことなどについて尋ねたのだが、「明日行けば分かる」といった返事ばかりで具体的なものは返ってこなかった。

 そして明日は疲れるだろうということでお風呂と着替えを貸してもらったあとすぐに寝るように言われた。


 ……明日が不安だなぁ。



           ☆



「俺だ。明日の昼より少し早い時間に異人を一人連れて行くんだが……いや、男だけど。ああ、そうだ……」

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