表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/124

Unknown②

「人間を含むいくつかの種族はドッペルに負けると謎の失踪をする。じゃあそれ以外の種族はどうなるか」


 街に帰りながらレオンがUnknownについて説明してくれている。


「答えはお前も見たように表面は黒く、そして目は赤くなり身体能力も元より高くなる。だがこれだけでは別にUnknownと呼ぶ必要はない。これらがそう呼ばれるのは何か特殊な能力を一つ身につけるからだ」


 特殊な能力……今回は片腕をまるで別の生き物のように伸ばしたことだろう。


「今回は腕を伸ばす能力だったがUnknown一体一体によって違う、それが例えUnknownになった元の生物が同じであったとしてもな。ほんの少し触れただけで体に回る毒を使うこともあれば本来魔法を使わない生物が使うようになったり、な。だからUnknown(正体不明)と呼ばれる」


 なるほど、どのような能力をもっているかは対峙してみないと分からないのか……つまりこれまでの経験を活かしづらいということなのだろう。


「だから対峙した時は能力が分かるまで絶対Unknownに触れないようにすることだ。ただなかなか出会うことはないと思うがな」

「でも先月は報告が多くなかったか? これまでは一ヶ月に一回報告があるかないかだったのに先月は四回だろ?」

「恭也の言う通りなんだよな……たまたま増えただけかもしれないがとにかく気を付けるにこしたことはないな。まぁ優臣はまだ戦闘の経験が少ないからもしUnknownと遭遇した時に誰かといるときはまだしも、一人のときは逃げるのをすすめするがな」


 えっそこまで? と思ったがレオンは戦い慣れている。そんなレオンが言うのだからここは素直に従った方が良いだろう。


「アドバイスどうも。そうさせてもらうよ」



           ☆           



「ただいまー」


 ギルドに着き、ドアを開けるといつもよりざわざわしている。その原因を探るとエルピリアに所属はしているものの王女であるためなかなかギルドにいることのないリアがいた。


「げっ、なぜリアがここにいる!?」


 レオンよ、人を見て「げっ」はないと思うのだが。しかも彼女は王女であり、そしてお前の婚約者だろう。


「レオン、会いたかったわ」

「そうか、それでなんでここにいるんだ?」


 リアからの好意を軽くあしらって何故エルピリアにいるか尋ねるレオン。もう少し優しく対応してあげても良いのではないだろうか?


「それはね、お父様から許可をいただいたからよ」


 そう言いながらリアは懐から取り出した紙をレオンに渡す。


「んなバカな!」


 内容をざっと読んだのかレオンが驚いた声を上げた。


「しばらくここにいるだと!?」


 どうやらしばらくリアがギルドにいることになったようだ。よくそんな許可が下りたものだ。


「そうなの。だからレオンの家に泊めて欲しいわ。それが一番安全だしそれにサナちゃんたちともいられるから」

「却下だ、却下!」


 レオンはリアからの申し出を拒否するとクルリと体の向きを変え、ドアに駈け出そうとした。しかし


「そうはいかないよなぁ! エリム、いけ!」


 恭也の掛け声と共にギルドで留守番していたがいつの間にか恭也の隣にいたエリムがレオンに纏わりついた。


「あっ!? くそったれが! 恭也……この……野郎」


 そして纏わりつかれたレオンはエリムに倒れ掛かった。えっ、何が起こったんだ?


「よくやったエリム。さぁリア、逃げようとした不届き者は眠ったからあとは自由にしていいぞ」

「ありがとう」


 恭也からレオンを受け取ったリアはレオンを軽々と担いだ。大会のときも思ったが彼女はあんな細い身体のどこからそんな力が出ているのだろうか?


「それでは皆さん、また明日」


 そう言うとリアはレオンを担いだままギルドから出ていった。……なんだこれ?


「やれやれ、あいつにも一苦労だぜ」


 恭也が満足そうな顔をして近づいてきた。


「恭也……レオンに何をしたんだ?」


 レオンが急に眠った原因はエリムにあるみたいだが何が起こったのか分からなかったため聞いてみる。


「あぁ、それはこれだな」


 恭也が手に持っていた中身が空になったポーションの入れ物を見せてくる。


「これには俺が作成した睡眠薬が入っていたんだがそれをエリムに与えたのさ。そして睡眠薬を吸収したエリムが纏わりついたことで全身から薬を吸収して眠ったんだ」

「えっ、そんなことができるの?」

「まぁな、凄いだろう?」

「そ、ソウダネ」


 恭也に戦闘力はないと言っていたがあれは一人のとき限定だったのか! こいついろんな薬持ってそうだから怖いんだけど!?


「さてと、俺は今から薬の開発研究をするが暇なら来ないか?」

「いや! 大丈夫だよ!」


 薬が完成しているならまだしも開発研究に付き合っていたら何が起こるか分かったもんじゃない。そう思った俺は恭也に別れを告げて家に帰ったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ