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スキルの確認

「吾輩はエクス・東雲だ。昨夜ジェントと聞いたと思うがあれは偽名だからまちがえるなよ。よろしくな、優臣」


 レオンと共にこちらに歩いてきた仮面の男が仮面を外して挨拶をしてきた。昨夜対峙したときに聞いた声とは違うが、これが本来の声なのだろう。

 そういえばエクスという名前……あぁ、なるほど。この男がレオンたちと話しているときに時々名前があがっていた男か。


「倉田優臣、よろしく」


 このエクスという男、キリッとしたが特徴的で少し厳格そうな雰囲気を纏っており、そしてとても顔が整っている。


「ところで今『東雲』って言ったけどもしかして?」


 エクスの自己紹介で気になったことを聞いてみる。たしかミーナも『東雲』と名乗っていたはずだ、もしかして。


「む、ミーナのことか? あいつは吾輩の妹だ、とはいっても義理ではあるが。どうだ? 吾輩の義妹が迷惑をかけたりしなかったか? 家だと大人しいが外に出ると途端に騒がしくなるからな」

「いや、全くそんなことはなかったよ」

「そうか、それならば良かった」


 そうか、あんなに活発的なミーナも家では大人しいのか……どんな感じなのか見てみたいな。


「そういえばお前らは何か話していたのではないのか?」

「あぁ、こいつから結界に捕らわれていた時の話を聞こうと思ってたところだ」

「なるほど、そのことか。ディスパールについては申し訳ないことをしたな。新たに一人助っ人に呼んだまでは情報を掴んだのだが、誰かまでかはあの男にしては巧妙に隠されていてな……」

「本当だぞ、それで優臣がピンチになったんだ。優臣に謝れ」

「あ゛ぁ゛? 謝れは貴様が言えたことではないであろう? それなら吾輩も言いたいことがあるのだが、なんだあの雑な煽り方は? 脈絡もなくあんな煽り方をする貴様を見て思わず呆れてしまったぞ。結果的にあの煽りにバカがのったから上手くいったものの……下手をすればこれまで吾輩がやってきたことがすべて水の泡となるところだったのだぞ? 貴様こそ吾輩に謝るべきなのではないか?」

「うっ……あれについては俺もないなとは思っていたがだからといって咄嗟に思いつくわけないだろ!?」


 二人が何やら言い争いを始めようとしたところでクロが「パンッ!」と手のひらを叩いて音を鳴らした。


「ほれほれ、久しぶりに会って遊びたいのは分かるが後にせんか」

「そうだな、すまなかったな優臣。じゃあ話を聞かせてくれ」


 ……どんなやつなのかまだ分からないがそれでも一つ分かったことがある。それはこの男(エクス)も間違いなくエルピリアの人間だということだ。



           ☆           



「――それで思いっきり魔力を流した刀を結界に叩きつけて破壊した……って感じかな」

「なるほど……」


 一通りあの結界の中であった出来事を語り終えた。三人を見るとそれぞれ別の反応をしている。レオンは何かを考え込むような、エクスは驚いたような、そしてクロはニコニコと嬉しそうに笑っている。


「それでスキルを得たかもとのことだが何かは分かってないんだろ?」

「そうだね」

「じゃあ早速調べてみるか、ちょっと瞳持ってくる」


言うが早いかレオンは受付へと瞳を取りに行き、さっと戻ってきた。


「じゃあよろしく」


 渡された瞳に魔力を流そうとしたのだが、そうする前に瞳にいろいろと情報が現れた。あれ?

 少し気になったが多分瞳の性能が向上したのだろう。その瞳に現れた重要な情報の部分だけを見ると――



 倉田優臣  称号:混沌

       属性:白、黒、赤、緑、青、黄

      スキル:召喚術

          食材の見極め

          魔力覚醒


 ――となっていた。……、…………。


「な……」

「どうした?」

「なんだこれ!?」



           ☆           



「まず分かることからやっていくか……」


 優臣に許可を貰って瞳を見たのだがすぐには理解できなかった。こいつの言った通り、まさに「なんだこれ」だな。


「まず『召喚術』はもとからあったな」

「そりゃメアを召喚したのは俺だからね」

「そうだな。次に『食材の見極め』は料理人系がよくもっているスキルで食材の固い部分やどこから切れ込みを入れるべきかが分かるようになるものなんだがこれはいつ手に入れた?」

「……分からない。でも少なくとも三日前に確認した時はなかったよ」

「そうか、じゃあこのスキルを獲得するに至った経緯とかは分かるか?」

「多分……俺よく殻に覆われた牛の肉を安いから買ってるんだけど、あの殻が取りずらいんだよね。だから毎回『なんかいいスキルないかなぁ』とか思いながらやってたから……かな?」


 確かに獲得しやすいスキルとは聞くが、だからといってそんな簡単に獲得できてまるか!

 思わず「バカか!」と言いたくなったがその言葉を飲み込んで話を次へ進める。


「そうか……それで次に『魔力覚醒』か。これは魔法系の称号持ちがときどきもっているスキルで魔力が大幅に増加するものだな。だからお前が結界の中で願ったときに獲得したのがこのスキルだろう。『食材の見極め』は少し経験を積んでいたから『魔力覚醒』に合わせて無理やり底上げされて、結果たまたま同時に獲得することになったんだろう」

「なるほど」


 ……優臣は納得したようだが俺はまったく納得していない。自分で説明していながら「俺は何言ってんだ?」と思ったほどだ。

 優臣が得た三つのスキルを見ると全く関連性がない。特に『食材の見極め』なんかは戦闘系のスキルですらない。それにもかかわらず戦闘系のスキルと共存している。これが『混沌』という称号の特性……というべきものなのか? 予想でしかないが今はそう思うしかない。

 このほんの僅かな説明だけですら俺は精神的に疲れたのだが、まだ最後に一つ大きな問題が残っている。それは――


「最後に属性だが……これはマジでどういうことだ? しっかり説明してもらおうか、優臣」

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