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恭也のお薬シリーズ①ーⅡ

「第1回! 優臣(女ver)の名前を考えよう選手権!」

「「イェー!」」

「い、いぇー」

「チッ!」


 レオンの号令にレオンと恭也はノリノリで、外から帰ってきてすぐに巻き込まれたテオは困惑しながら反応をした。

 なぜこんなことが始まったのかというと


「こんな美少女、プッ……美少女になった優臣をそのままの名前で呼ぶのは違和感しかないからな。それに優臣ちゃん(仮)も名前で呼ばれてバレたら嫌だろ? 明日からいろんな噂が立つだろうからな」


 とレオンが笑いながら提案したからだ。

 確かに女装趣味や実は女だったと噂されるのは嫌である。気を使ってくれているのは分かるが、笑いながら喋ったり(仮)をつけるのは止めて欲しいものだ。


「とは言っても今の名前から離しすぎたら間違えそうだな」

「そうなると今の名前から少し削って……マオとかどうだ?」

「優臣……君はいいのかな?」

「いいんだ、テオ。こいつらに変な名前をつけられる前に考えてくれ」

「うーん……じゃあマコとかはどうかな?」

「ふっ、お前らは甘いな」


 テオが名前を提案するとレオンが何やら言い始めた。


「俺はきちんと考えたぞ、この名前にした理由もな」

「へー……期待してないけどどうぞ」

「優臣は女になってなくなったんだから――」


 この男、何を言うつもりだ?


「名前からもなくしてマミだ!」


 一呼吸を置き、ドヤ顔をして言い放った。


「却下だ、却下! 人の名前で遊びやがって!」

「だが一番俺がしっかり考えているだろう? さぁお前ら、決を採るぞ!」




「何故だー!?」


 結果はマコ三人、マミはレオンの一人であった。


「テオが考えたのが一番安心できるから」

「レオンのドヤ顔がうざかったから」

「やっぱり優臣のことを考えてあげないとね?」


 テオ……やっぱりお前は癒しだよ! そして恭也、お前はそんな理由でマコにしたのか……


「あれ、何してるっすか?」


 馬鹿な会話をしているとミーナを先頭に女性陣がギルドにやってきた。いや、やって来てしまったというべきか。

 そんな内心焦っている俺をレオンはチラリと横目に見てきた。こいつ、何か余計なことを言うつもりか?


「いや、なに、少し大事なことを決めてたところだ。それよりそっちは大人数でどこに行ってたんだ?」

「自分らは花園で女子会っす。楽しかったっすよ」

「へー」

「あそこの苺がまた美味しいんだよね」

 

 どうやら誤魔化してくれるようだ。レオンによって話題が逸れた。のだが


「優臣君は?」


 シルティによって話題を戻される、しかも俺のへと。


「あれ、そういえばいつもはお前らと一緒にいるのに今日はいないな。というかそこの女の子は誰だ?」


 ひー! こっちに注目された!


「あ、あー……」

「なんだ、はっきりしねぇな。リアに言お――」

「こいつが優臣だ」


 あー! こいつ一切の躊躇いもなく裏切りやがった!


「何を言っておるのじゃ? こやつは女ではないか」


 レオンの裏切りによってばれてしまったが、クロの言うとおりやはり信じられないようである。これはまだ誤魔化せるかもしれない!


「優臣? 誰ですか、その名前の人は? 私はマコ――」

「まぁ待って。私と手を合わせて手の甲に紋章が現れるかどうかで本当か分かるでしょ」


 誤魔化そうとしたところをメアによって退路を断たれてしまう。終わった……


「さぁ、手を前に出してちょうだい」

「……(プルプル)」


 最後の抵抗として首を横に振ってみる。が


「いいから早く出せ」


 レオンによって完全に動きを封じられてしまう。この野郎、覚えてろよ!


「はい……」


 仕方なくメアと手を合わせ魔力を流すとお互いに手の甲の紋章が光った。


「本当に優臣じゃったのか」

「どういうことなの……?」


 最悪だ……これから俺はどうなってしまうのだろうか。

 そんなことを考えているとメアが前へと進んできて――


「へっ?」


 俺の胸を掴んできた。なにごと!?


「……脱いで」

「はい?」

「脱いで」

「なんで!?」


 そして訳の分からないことを言いだした。なんなんだ!?


「いいから脱ぎなさいよ! なんで男のあんたが私より胸が大きいのよ!」

「そんなの知らないよ! それに今は女――」

「あっ、分かった。胸に詰め物をしてるんでしょ? そうよね、そうじゃないとおかしいもの。ちょっと確認させなさいよ!」

「嫌だよ! って、ちょっと! 無理やり脱がそうとしないでくれるかな!? 誰かぁ! 助けてぇ! 犯される!」

「ふぅぅぅ……ふぅぅぅ……ヌゲ……ヌゲ……」


 ヤバいヤバいヤバい、なんか目が怖いうえに呼吸が荒くなってる! 見てないで誰か助けてくれ!




「怖かった……怖かったよ……」

「お前……涙目に――」

「なってないから! これは汗だから!」

「そっ、そうか……」


 あの後シルティがメアを抑えてくれてなんとか逃げ切ることに成功した。


「で、なんでメアは暴走したんだ?」


 あいがメアに尋ねた。確かに気になるところである。


「なんで優臣にそこそこの大きさの胸があるのよ。なんか悔しいじゃない! 分かるでしょこの気持ち!?」

「確かにのう」

「そうっすね」


 メアの一言に納得するクロ、ミーナ。別に小さくても気にすることはないと思うけどなあ。

 そしてその反応とは別に


「オレは……まぁそこまで」

「びっくりした」

「この大きさはDはありそうね」


 微妙な反応のあいと強者の余裕を見せるシルティ、マヤ。


「それで優臣はなんでそんなことになってるの?」

「自分らへの精神攻撃っすか?」


 なぜこんなことになったか……か。

 チラリとメアたちを見ると真剣な顔をしている。うーん、これは徹底的に追究されそうだな。

 聞かれても詳しく答えられる自信はないし、なにより少し目が

据わっているこの二人と一緒にいるのは怖いものがある。

 どうしたものか……と悩んでいると頭に一筋の光明が差し込んできた。それは――


「恭也の薬が悪い。だから詳しくは恭也に聞いて」


 そう、擦り付けである。


「なっ!? 優臣、お前!」


 ニヤニヤと笑っていた恭也の顔が焦りに変わる。大方、俺がどう対応するのか楽しんでいたのだろう。

 だが残念だったな! メアたちの対応するのはお前だ!


「優臣? 誰ですかそれ? 私はマコですよ?」

「……! この野郎ー!」

「そう、じゃあ恭也にはあっちで詳しく聞こうかしらね」

「自分に任せるっす。なんでも聞き出してみせるっすよ!」

「私もどんな薬なのか興味があるわね」

「待て! 俺にはまだやるべきことが――!」

「はいはい、それは後でね」


 メアとミーナに両脇を抑えられ地下へと連れて行かれる恭也。そしてそれについていくマヤたち女性陣。

 ふむ、こう見ると恭也がモテモテのように見えるな。あいつは普段からモテたいと嘆いているからこの状況は本望であろう。ああ、良いことをすると気分が良いなぁ。


「優臣……どんどんこのギルドに染まっていっているね」


 悲しそうに言うテオ。自分では元からこんな感じだと思っていたんだけどなぁ。

 

「それでお前はこれからどうするんだ?」

「とりあえず外に出て動いてれば良いんじゃないかな?」


 確かに恭也をいけn……じゃなかった、嬉しい状況にしてやったは良いがこれからのことを聞いていなかったな。レオンに適当に返事をすると魔報に連絡が入った。差出人は恭也である。

 あいつ……あの状況でよく送ってこれたな。必死に送ってきたであろう連絡を見れば何かのデータが付随しており、拡大して表示すると実験データのチェック表であった。


「恭也からチェック表が送られてきた」

「なんて書いてあるの?」

「『外に出て一時間以上歩く』や『水を浴びる』とかだね。これを見ながら行動すれば良いんじゃないかな?」

「なるほど、じゃあ早速行くか」

「えっ、ついてくるの?」

「当たり前だろ、エラたちも一緒に行くか?」


 レオンがメアたちについていかずに残っていたエラとアリスに尋ねる。


「私たちもついて行っても良いですか? えっと……優臣お兄、お姉さん?」

「こいつのことはマコと呼んでやれ」

「良いかな、マコお姉ちゃん!」


 どうやら二人はとてもついてきたいようで、訊いてきながらも俺の手を握っている。くっ、この子たちから兄としての威厳がどんどん失われそうだが……はぁ、仕方ないか。


「良いよ、一緒に行こうか」

「はい!」「うん!」



           ☆           



「ほら、データをとって来たぞ」


 データ収集をしてギルドに戻った時には夕暮れになっていた。そのとって来たデータを入り口の前にある席に座っていた恭也に渡す。

 ……なんかコイツ少しやつれたか? いや、気のせいだろう。


「ありがとよ。ふむ……全部やったのか」

「そうだけどまずかった?」

「いや、全部やってお前はまだ女のままなのかと」

「そうなんだよ。いい加減男に戻りたいからどうにかしてくれ」

「無理だな」


 男に戻りたいと告げると恭也から何やらおかしな言葉が返ってきた。はっ? この男は今なんといった?


「男に戻りたいから――」

「無理」

「なんでだよ! あっ、さては生贄にした仕返しか!?」

「いや、元に戻る薬作ってないからだ。時間がくるまでそのままでいろ。ほら、約束の銀貨15枚だ」


 恭也に銀貨15枚を握らされる。


「お疲れ。今日はもう帰っていいぞ」

「な……」

「な?」

「なんですとーー!?」


 恭也の無慈悲な宣告により、一気に窮地へと立たされる。


「お、お前! 風呂とかどうするんだよ!」

「入ればいいだろ」

「そうなんだけど! そうなんだけどさ!

「もういいか? 俺はデータを詳しく見たいから帰るぞ」


 そう言って恭也は地下へと帰っていった。

 ……えっ、本当に風呂やトイレどうしよう?

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