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私は同室の人を知らない  作者: 大虎
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順番

翌朝私は窓から差し込む光で目が覚めた。

顔をそっと隣に向けるがベットはもぬけの殻だった。私はベットから起き上がった。ふと見ると置いてあった本が『そして誰もいなくなった』に変わっていた。どうやら私が寝ている間に部屋に戻ってきていたようだ。

「これとこれは何色に見えるっスか~?」

「右が黒色で左が白色・・・」

「うんうん、黒色と白色の識別は問題なさそうっスね~」

朝起きて朝食を食べ終えた私は診察室に来ていた。週に2回程こうやって目の検査と色を見分けるリハビリをしなくちゃいけないらしい。

「じゃあこのブドウは何色に見えるっスか?」

語尾にスを付ける癖があるこの変わった人は

瀬谷友也先生。年齢24歳にしてこの病院の院長

・・・らしい。

「ブドウは紫色ですよね?リハビリになりませんよ」

「あ、これよく見たらマスカットでしたわ。引っかかったっスね?」

「・・・先生意地悪ですね」

「固定概念に囚われるのは良くないっスよ。もっと柔軟に考えないとね」

ちょっとイラッときたが平静を装う。

「まあ、初日はこんなもんでしょ。これからの変化に期待っス」

「治す方法はないんですか?」

「そうっスね・・・、色覚異常は治った実例が無いんっスよね・・・。移植手術をすれば治る可能性はあるかもしれないっスけど、ドナー提供者が少ないっスからね・・・。どうしても色覚異常よりも目が見えない人の方が優先されてしまうんスよ。順番回ってくるのを待つしか今出来ることは無いっスね」

「・・・そうですか」

今出来ることが大人しく待つことしかないなんて・・・私の番が回って来るまで一体どのくらい待たなきゃいけないんだろう・・・

「こればっかりはどうしようもないっス。順番が回ってくるまで検査とリハビリを続けるしかないっスよ。諦めちゃ駄目っス」

「・・・そうですね」

口ではこう言うものの気分は重い。

「次のリハビリは明後日、今日と同じ時間、同じ場所で」

「分かりました」

そう言って私は診察室から出ようとする。

「あ、そうだ」

瀬谷先生が何かを思い出したように私に話しかけてきた。

「優美ちゃんはもうシロウ君には会ったっスか?」

「シロウ君?」

「暁 白狼君のことっスよ。優美ちゃんと同室の」

あれシロウって読むんだ・・・

「いえ、まだ会ってないです。1度挨拶しようと思ったんですが、朝起きたらもういませんでした」

「たまに彼が中庭にいるのを見るっスよ。良かったら行ってみたらどうっスか?」

「中庭なんてあるんですか?」

「ここは日本で1番大きな病院っスからね~。西棟の1階一番奥の扉から入れるっスよ~」

「そうですか、ありがとうございます」

私は先生にお辞儀をして診察室をあとにした。

早速言われた通り西棟1階の1番奥の扉に行ってみた。わかりやすく扉に『中庭』と書かれている。

私はドアノブを捻って扉を開けた

続く



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