俺は女性恐怖症だが、文句あっか?
初めての男主人公です。
女の子って怖いですよね。女の私でも怖いです(´;ω;`)
女の子は可愛い。
女の子はふわふわしていて良いにおい。
女の子はまるで天使のようだ。
俺は声を大にして違うと否定したい。
女は自分の可愛さをよく理解している。
女はどうしたら自分に惚れるのかをよく研究している。
女はまるで悪魔のようだ。
吾輩は女性恐怖症である。名前はまだ無……こほん、冗談だ。気にしないでくれ。
とりあえず、俺は女性恐怖症だ。親父には情けないと怒られるが、怖いものは怖い。
女性恐怖症になった原因は分かっている。
────それは妹だ。
妹はそこそこ整った顔をしていると思う。
大きな少し薄い茶色の目に常に赤い唇(たんに荒れているだけだが)胸元にあるまである真っ黒な髪はくるんっと内側に1時間かけて丁寧に巻いている。
頭は結構良い方だろう。
まぁ、俺が馬鹿なだけなんだろうけどな。つい、漫画に手が伸びてしまうんだ。これはあれだ、うん、漫画が面白すぎるのが良くないんだと思う。
こんな妹のどこに女性恐怖症の原因があるかだって?
あ?むしろ羨ましいくらいだって? 黙っとけ。
───問題は性格なんだよ。狡賢くて性格が悪い。
「嫌いな子の好きな人に話しかけまくったら、私のこと好きになったよ」
うふふ、と笑いながら姉貴に話す。少し自慢げに話す姿に少し、いや、かなり悪寒がした。
「あんたってなんで性格が悪いのにモテるんだろう」
姉貴がうーん、と唸りながらじっと妹を見る。
「女子に気付かれない程度に声を高くしたり、あと、一生懸命な天然を演じてるよ!! そっちの方が男ウケいいんだよね」
「まじか……」
女の姉貴も流石に引いているらしい。
本来の妹は天然とは無縁の存在だからな。
女は女優と言われているがまさにその通りだと思う。女、怖ぇ。
「後は、リップ塗るときも意識してるよ!
リップはね下唇だけ塗るの。それで片手で恥ずかしそうに隠しながらはむはむするの。お姉ちゃんもやった方がいいよ」
にやりと笑いながら姉貴に勧めた。
ここまでやるなんて怖い、女怖すぎる。
「あー、あんた最近モテテクばっか調べてたよねぇ……。
私的にはホラー画像を見る方が楽しいけどね。あ、デモナータまた読み返そうかな。あれ、中毒性あるんだよねー」
そう言うといそいそと自室に戻った。
俺は知っている。デモナータというのはとんでもないグロい表現満載の小説だということを。
それをにやにやと笑いながら見ている姉貴も妹に劣らず恐ろしい。
夜中、姉貴の部屋から笑い声がしたからなんだろう、と思ってこっそり覗いたら姉貴は真っ暗な部屋でホラー画像を見ていた。スマホのライトに当てられた顔は正直、どのホラー映画より怖かった……。
「そういえば、この間3人から告白されたんだよねー」
ちょいちょい恋愛の自慢話があるのが妹の特徴だ。
怖い話が多いからリビングじゃなくてどちらかの部屋でこっそりやってもらいたい。え? 直接言えばいいって? 睨まれて終わりだコノヤロー。
「え? 誰とつき合うの!?」
「全員振った。だって顔もあんまり格好良くないし、身長も170も無いんだよー。むりむり」
「あんた、身長150ちょいしかないでしょうに……」
「まぁ、どっちにしろ顔が格好良くない」
じゃあしょうが無いねと姉が笑った。
やはりこの世は顔か……。
男は狼だから危険だと女は言うが、俺からしたら女は化け物だから危険だと言いたい。
「なぁ。俺は女性恐怖症だが、文句あっか?」