魔王城にて
急展開にし過ぎたので書き直しました。
更新を長らく待たせてしまってすいません。
『お帰りなさいませ、魔王様!』
僕達は魔王城に来ていた。
目の前にはメイド服を着た魔族の女性達と燕尾服を着た一人の男の魔族が並んでいる。
その中から男の魔族が進み出てきた。
「お帰りなさいませ、魔王様。ところで、そちらの方々は?」
「この者達は客だ。丁重にもてなせ。」
「お客人ですか」
男の魔族はじーっと品定めするように僕達を見てから“分かりましたと”返事をした。
「皆様こちらのお部屋でお待ち下さい」
案内された部屋のソファーに座って用意された紅茶と菓子をつまみながらリリスを待った。
「すまない、またせたな」
「気にしなくていいよ。それより早く今後の話をしようよ」
そう、今回僕達がここに集まった理由は今後の行動…つまり魔神を倒す方法を考えるためだ。
「まず、今の私達では絶対に魔神に敵わない。そこでだ、先ずは竜の谷へ行こうと思う。」
「竜の谷?何で」
コクンとシノが首をかしげる。
「最近、竜の谷の竜が人を襲うようになっているんだ。その調査を兼ねて経験値を稼ごうかとな」
「竜の谷…確か竜神がおさめているという。その竜達が暴れているとなると……」
「ああ、竜神は今瀕死だという噂が竜人達の間で流れているようだ。それが本当なら犯人は同じ奴等だろうな」
魔神の次は竜神…いつの間にか随分と大事に巻き込まれてしまったみたいだ。
「相手は竜だ。場合によっては死ぬ恐れさえある。先ずは念入りに準備を整えてから出発する」
準備か、となるとやっぱり……
「武器と防具が必要になりますね」
「それなら僕が作るよ。鍛冶のスキルは一回見れば覚えられるしスキルレベルも直ぐ上がると思うから」
「そうだな。そうと決まれば早速工房に向かうぞ」
そう言ってリリスは僕の腕を掴んで無理矢理引きずっていった。
引きずられていった先には黙々と作業をしている男達がいた。
その中から一人の男が出てきた。
「おう、魔王様。今回はどんなご用で?」
男は筋肉を鎧のように纏ったようなそんな体をしていた。
「こいつに一回作業を見せてやるのと工房を自由に使わせてやってくれ」
「こんなひょろっちぃ奴に剣が打てるんですか?」
そりゃそうなるよね。だって見た目高校生だからね。
「大丈夫だ。こいつは数を打たせれば直ぐに上達する。」
男はリリスの言葉を聞いて渋々納得したようだ。
「俺の名前はベルグだ。宜しくな小僧」
「ジンです。こちらこそ宜しくお願いします」
装備作りか…今日から大変になりそうだ。