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動き出す影

遅れました。短くてすいません

 リトワルの冒険者ギルド、深夜静まり帰ったそこではギルドマスターであるグラルドと受付嬢のリッカが妖しい笑みを浮かべていた。


「それにしてもあの少年はなんとも馬鹿でしたね」


 リッカは今日ギルドを訪れた仁を思い出しながら言った。


「うむ、しかし頭の出来が悪くともあのステータスは我々にとって充分に脅威となりうる」


「しかし今回召喚された勇者を使い集団で攻めれば…」


「確実に犠牲は免れないが先代は魔神を倒すことに成功しておる。人間一人程度簡単じゃわい」


この情報が渡ればグラルドとリッカの昇進は確実な為多少なりともこの時二人は警戒か薄れていた。

かといって警戒していれば二人の運命が変わったとは思えないが。


「魔神の件は上手くいってるんですよね?」


「勿論じゃ。今代の魔王は魔神が生きていると信じておるよ。都合よく一時的に意識が戻るなどあるはず無いのにのぅ」


「目先に吊るされた偽りの希望に縋るとはなんとも滑稽ですね」


リリスが仁に出会わなければ彼女は一人で魔神の元に向かい死んでいただろう。神は神格を持つ者にしか殺せないのだから。


「そういえばグラルド様…処分された勇者の名前ってジン·サイカワでしたよね…」


「うむ、それであって…!いやそのようなことがあるはずがない!」


グラルドの頭の中には最悪のビジョンが浮かんでいた。もしその話が本当だとしたら相手は馬鹿などではない。


「ですが相手は勇者です。もし彼がステータスを隠蔽していたのだとしたら」


「……至急国王様に連絡だ、急げ!」


しかしリッカからの返事は返ってこない。


「おいリッカどうし…… ブシャ



「はぁ、全く感が鋭い人は嫌いだ」


グラルドとリッカを殺害した張本人である青年は面倒臭そうに刀の血をとっている。


「それにしても記憶がないからと言って根本的な性格は変わっていないようだね。ほんと昔から抜けたところがあるから気を付けてほしいものだよ」


徐々に青年の姿は夜の影に飲まれていく。


「早く君に会いたいよリーフェ…………」


その言葉を最後に青年は影の中に消えた。




後に残されたのは切り刻まれたグラルドと殺されたことも分からないまま座っているリッカだけだった。

何気に仁以外の人間が死んだの初めてかも

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