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3-2 テンプレ君と魔法

生産ギルドを出ると一度木漏れ日亭へと戻る。今日は工房のお披露目の為、みんな木漏れ日亭に待機しておくように指示しておいたのだ。


「おかえりユーゴ兄さん、生産ギルドとの話しはうまくいった?」


「ただいまエディ君、話し合いは無事まとまったよ。それじゃあこれからみんなで工房を見に行ってみようか。」


そうしてみんなを連れて工房へ向かいお披露目をする。


「パーム工房へようこそ、今後ここが私たちグランディールの生産拠点になる。」


「ここがユーゴ兄さんの工房か、基本的な工法は木漏れ日亭に建てたお風呂場と一緒みたいだね。」


「さすがユーゴ君、よく分かったね。基本的な工法は一緒だ、だからこそこの短期間で完成させられたんだ。それじゃあ中も案内するよ。」


そう言ってみんなを中に案内する。中へ入るとまず天井クレーンのついた大きな倉庫となる。ここにはハンドクレーンや重量物運搬用台車などもありエディがいちいち詳しい説明を求めてくるためうるさい。そしてその奥には鍵付きの作業場がある。まあ作業場といっても名目だけで何があるわけというわけではない、製造しているところを見られない為にただの密室になっているだけだ。他には居住スペースも併設しているので泊まり込みで仕事をすることもできる。みんなに作業場以外の各施設を案内し居住スペースのダイニングで茶を飲みながら今後のことを打ち合わせる。


「ところでエディ君、一つ聞きたいんだが魔法学院へ通うにはどれぐらいの費用が必要なのかな?」


「ユーゴ兄さん、また唐突だね。そうだな、魔法学院には復学という形になるから入学金は必要ないと思う。それでも10,000Zもの大金を毎月納めなければならないんだよ。」


「そうか、なら今回生産ギルドと結んだ契約によって復学させてやれると思う。」


「「「!?」」」


「先ほどの話し合いにより今後このパーム工房では年間100kgのミスリル鋼を精製し、生産ギルドへ年四回に分けて納めることになる。代金はkg辺り1,200Zで年間120,000Zの契約になる。また、教会より入ってきたミスリル鋼100kgの再精製も行う。こちらはkg辺り500Zで、年間50,000Zの契約になった。おそらく原料の仕入れを差し引いても年間140,000Z程度の利益が見込めるだろう。」


「ユーゴ兄さん…、でもそんな大金…」


「ユーゴ君、魔道工学の研究をしたかったんだろう? 前も言ったとおりこれはあくまでも投資なんだ、意欲のある優秀な人間に奨学金をだし学ばせる。なにも不自然な事ではないしボランティアのつもりもない。だからエディ君は思うがまま研究をすればいい。」


「ユーゴ兄さん、ありがとう。本当にありがとう。」


「ユーゴ様、あなたという人は…」


「グスッ…ユーゴ殿。」


「ほらほら、湿っぽいのは好きじゃない。これからの話しをしよう。実際取引が始まるのは来月からだが時期的に中途半端だし準備もある、実際に復学するなら来年からになるだろう。それまでエディ君はここで復学に向けた勉強をするといい。それから私に魔法や魔道工学について教えてくれないか?まあみんな気づいているだろうが私は故郷の秘術を使える、だが決して魔法ではないんだ。そもそも魔法というものがどんなものかさっぱりわからない、だから教えてくれると助かる。」


「うん、分かった。僕が分かってる範囲内でいいなら頑張って教えるよ。」





その後一旦木漏れ日亭へ戻り、工房へエディの学習用の資料などを運び込む。セシールはそのまま宿の手伝いに戻り、デボラはデュルケーム紹介のメンバーと訓練をするそうだ。


「それじゃあ早速、魔法・魔法陣・魔道具について説明していくよ。この三つは密接な関係にあって魔道具を学ぶ為には魔法陣の概念を知らなければならないし、魔法陣を学ぶ為には魔法の概念を知らなければならないんだ。だからまずは魔法の概念から説明するよ。」


そしてエディは魔法について説明を始めた。ひとり興奮しながら難しい事をごちゃごちゃと熱心に喋っていているがぶっちゃけ何を言っているのかよくわからない、研究者によくありがちなパターンだね。何回も根気強く質疑応答を繰り返してわかった事を簡単にまとめると次のような事らしい。



魔法とはそもそも魔力と魔素を混ぜ合わせる事で発生する現象の法則を言う。


魔力とは生物が生きる上で欠かせないエネルギーの一つで、その強さは個体により幅が大きい。またその強さの強弱は基本的には遺伝によって決まるとされる。人族の貴族の魔力が強い傾向にあるのも、それを元に婚姻を繰り返してきた為である。エディはその貴族でも魔力が豊富な方らしい。エディの魔力はCで実は俺より少ない、まあ俺の魔力は人族としては結構多い方だと気づいてはいた。それでも貴族連中と比べれば普通かなと思っていたがエディで豊富なら何気にトップクラスなんだろう。貴族出身のガストンさんがDで騎士の出のデボラがD−だからな実はそうかもなんて考えたりはしていた。


魔素とは自然界に存在する目には見えない物質で、自然現象を司る素である。光・闇・火・水・風・土の六種類ありそれぞれがそれぞれの特徴を持っており全ての自然現象はそれらが複雑に絡まり合って起こっているとされている。



光 —— 光を司り魔力と混ぜると光が発生する。他にも生物の肉体へと干渉する力がある、治癒魔法なんてのはここに含まれるらしい。


闇 —— 闇を司り魔力と混ぜると闇が発生する。他にも生物の精神へと干渉する力がある、精神異常を引き起こす魔法なんてのはここに含まれるらしい。


火 —— 火を司り魔力と混ぜると火が発生する。他にも熱エネルギーに干渉する力がある。


水 —— 水を司り魔力と混ぜると水が発生する。他にも液体に干渉する力がある。


風 —— 風を司り魔力と混ぜると風が発生する。他にも気体に干渉する力がある。


土 —— 土を司り魔力と混ぜると土が発生する。他にも固体に干渉する力がある。



それぞれの魔素との親和性は個人によって違い一般的には一つあるかないか、才に優れた者でも二つとの事。また、光と闇に親和性を持つ者はほとんどいないらしい。また、発展系の干渉する力まで到達できる者はごく僅かでほんの一握りの者しか到達できないみたいだ。これは遺伝とは関係なく完全に持って生まれた才覚との事。エディは残念ながら親和性のある魔素が無かった為魔法を使う事が出来なかった、その為魔道具の研究に強い興味を持ったそうだ。


魔法を使う際は魔素を集めて魔力と練り上げて言霊を唱ることにより条件を設定し発動するらしいが、エディは魔法が使えないのでその感覚は分からないようだ。


うん、言葉にならないぐらいテンプレだね。ここで物語なら全属性を無詠唱で使えて俺tueeeeなんだろうが俺はもう騙されない。どうせ親和性なんかないんでしょっ!セルフィーネ様もわかんないって言ってたんだからねっ!と期待を込めてフラグをヘシ折りつつどうやって親和性を確かめるのか聞いてみる。


「普通は5歳になった時に教会で洗礼を受けてその時に調べるんだよ。ユーゴ兄さんは洗礼を受けなかったの?」


「私の故郷にはギルドも教会も無かったからね、洗礼はうけてないな。」


「なんだかユーゴ兄さんの故郷は田舎というよりはもはや隠れ里のようだね、独自の文化や技術が根付いてるみたいだし。」


「確かにそうだね、まあその中では私なんて平凡極まりない凡人だったよ。ここまでの旅の中で大分逸脱してしまった気はするけど。」


「ユーゴ兄さんが平凡ってどんなところ?いずれ行ってみたいなあ。」


「連れて行ったあげたいのは山々だけど私自身もう帰りたくても帰ることができないんだ。だから私は旅に出てここまでたどり着いたんだ。」


「何だかユーゴ兄さんにもいろいろ事情があるみたいだね。悪いこと聞いちゃったかな?」


「いや、別段構わないよ。そんなに深い事情ってわけじゃないから気にしないでくれ。でも魔法の親和性はそんなに簡単にわかるわけじゃないんだな。」


深い事情はあるんだけどね、そんな事言えるはずもない。そんな事を気にしてもしょうがないし俺にはチーレムを築くという大事な夢もある。チートはいいとしてハーレムは未だにそのとっかかりすら掴めていない、もっとも重要な方なのにな。

そんな事より魔法の親和性は教会で調べるのか。人族の神なんて信仰する気が全く無かったから行こうと思ったことすら思わなかったが、そういうことなら今度試しに覗いてみるか。


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