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3-1 テンプレ君の工房完成する

更新、少し遅くなってしまい大変申し訳ございませんでした。


今回より第3章となり少し時間が経過しております。


引続き楽しんでいただければ幸いです。

俺がロータスへとテンプレ転生を果たし早2ヶ月が経った。計画書提出後もなんだかんだと忙しく過ごしている。


我が社グランディールにおいて最も大きな環境の変化を遂げたのはデボラかもしれない。彼女は異例の速さで階級を2つも上げ、現在E級冒険者として活躍している。まあ彼女一人に3人もサポートがいるのだから当たり前といえば当たり前なのだが、それも含めて注目されている様だ。コソッと鑑定してみると様々な技能に変化が見られるのでデボラ自身相当頑張っている事は伺える。


セシールは木漏れ日亭の業務を手伝いながら複式簿記を習得中だ、非常に優秀で既に概要は掴めている。後は細かい勘定科目を覚え実践していけば習得できるだろう。エリアさんの存在も大きい、彼女に家事に加え幅広い学や教養を教えるよう頼んだが複式簿記も一緒に学んでもらっている。それがセシール自身の学習意欲に良い影響を与えてくれているようだ。実際彼女たちの算術技能はLevel4に迫っている。


エディはようやく精神的な落ち着きを取り戻しつつあるように感じる。正直ここにきたばかりの頃はいろんな精神的なプレッシャーから開放された事に加え、信頼に足るあまえられる大人ができた事で若干子供返りをしているように感じられた。だが、そういった部分は大分なりを潜め冷静で理知的な彼本来の性格に戻りつつある、まあ俺からみればまだまだガキだけどな。


会社は業績が右肩あがりで順調だ。石鹸やシャンプー・リンスはゲラール商会を皮きりに大手の宿屋などからも注文が入り始めている、その為出荷量も安定してきたし今後もさらに増えていくだろう。

ちなみにゲラール商会への納品は俺がコクーン出禁になってしまった為少し割引くかわりに仕入れに来てもらっている。これが怪我の功名で複式簿記を習いに来ている者たちが木漏れ日亭へ訪れるいい名目となってくれている。


バンジャマンさんはこちらの期待以上によく動いてくれている。当初はこの街の保守的な空気に戸惑っていたが、持ち前の能力や人のよさで奴隷商や商業ギルドの面々とパイプを着々と築きつつある。まあそのパイプ作りのために化粧水は一般販売を取りやめ、プレゼント用にかなり用立ててあげてはいるが。それでもこの短期間でこの難しい街に馴染み、パイプを作った手腕はさすがと言えるし彼からもたらされる情報には非常に助かっている。


ファビオとマリカの二人は梅毒が完治し冒険者としての活動により一層力を入れている。実際口だけじゃなく実力もあったようで大分稼いでいるようだ。それでも木漏れ日亭を気に入ったようで完治後も変わらずパーティは継続して宿泊している。あいつらの影響があってか宿を利用したいという冒険者もチラホラ現れ始めている。

ちなみにデボラが注目されていることはファビオからの情報だったりするがそれ以外はまだ大したものは入ってきていない。あとモジャモジャの髭は強制的に剃らせた、俺の寅さんと馬さんが常々気に入らないと鳴いていたからな。まあもともと髭をはやしはじめたのは顔の発疹を隠す為だったみたいだったから抵抗は全くなかったみたいだが。ところがどっこいあの野郎、髭剃ったら以外にもイケメンで思わず引っ叩いてしまったのは内緒だ。木漏れ日亭の売り上げに貢献しているので勘弁してやろうと考えていた合体禁止期間を予定通り一年間と申し渡したのはそれが影響したわけではない、ないったらない。ただそれを言った時のあいつの顔はなかなか傑作だったので半年くらいで解除してってもいいかな。えっ? なんて心が小さい奴だって? アー、アー聞こえない。リア充なんて全て爆発してしまえばいいんだ!



木漏れ日亭はさっきも話したように冒険者の客が増え始め順調だ。更に新しいパンが大好評、コレットさんに手伝ってもらい毎朝そのパンの一般販売まで始めた。これが売れに売れていつもあっという間に売り切れている。また、主人は研究に余念がなく自らの力でバターロールを作り出したのには本当に驚いた、勿論それも売れまくっている。


俺は何をしていたかだって? 基本的には工房の建築にかかりきりだったよ。なにせロータスではかつてない建築方式での建物を今までにない道具を使って建築するのだ。つきっきりで指示を出し監督してやらなければうまくいくわけがない。まあそのおかげもあってか工期は予定よりもかなり早く進み昨日とうとう完成した。それに伴い今日は今後の予定を打ち合わせする為生産ギルドへ訪問しなければならない。





生産ギルドへ入り受付に訪問した旨を告げるといつものように支部長室へと案内される。


「おう、よくきたな。お前の工房できちまったらしいじゃないか、随分早い完成だったな。」


「おかげさまで予定よりも大分早く完成させる事が出来ました。」


「私も建築中何度か伺いましたが驚きの連続でした。建物の建材はもちろんの事、建築方式からその為の道具の全てが今までに見た事もないものばかりでしたから。あらかじめ建物を作り、それを組み立てて建物を建てるなんて考えた事もありませんでした。しかも人の力であんなに重い物を持ち上げたり運んだりできるとは……。」


「全ては材料を揃えて下さったギーさんと人手を手配して下さった支部長のおかげですよ。私は用意されたものを故郷の知識を基に組み上げただけですから。それで工房の完成にあたって今後の事を話し合いたいとの事でしたが。」


「そうそう、今後ミスリルを納めていただくにあたっての諸々を打ち合わせしたかったのです。単刀直入にお伺いしますがユーゴさんはミスリルの精製をどの程度可能なのでしょうか?」


「正直に申し上げると材料さえあれば相当量の精製は可能です。ですがそんな事をすれば市場がかなり混乱しますよね?」


「そうですね、あまり大量のミスリルを突然市場に放出してしまうのはまずいでしょう。それにそれではあまりに目立ちすぎてしまいユーゴさんの事を守りきる保証もできない。そこで当支部では年間100kgを4期に分けて納めて頂ければと考えております。」


「100kgってそんな程度でいいんですか?」


「またとんでもない事を口走ってんなお前は、そもそもミスリルの精製量は少ない。うちの支部に年間で入ってくる量が100kgだ、それをそんな程度って。」


「全くです、本当に気を付けて下さい。これで当支部では年間のミスリルの獲得量が倍増しますので、他支部と比べてかなりの優位性を持つ事が出来るでしょう。更にユーゴさんのミスリルはかなりの高品質ですので下手をすれば王都ともいい勝負が出来るかもしれません。」


「そういうものですか、以降気をつけます。ところでその教会から仕入れるミスリル鋼、私が再精製して品質を同程度にしましょうか?」


「「!?」」


あっ、ヤバイ。また地雷踏んだ?


「お前、ミスリルの精製だけでなく再精製まで出来んのか?」


「まあ出来ますよ。でも精製や加工が出来るわけですから再精製する事だってそんなに難しい事じゃないでしょう?」


「確かに加工の際に若干の錬成はする。しかしあくまで不純物を取り除くぐらいでそこまで極端な品質の向上を測れるわけじゃない。」


「すっ、素晴らしい! そうなれば量は負けるが品質はこのハルムートがこの国で一番になれる事は間違いない!ぜひお願いします。」


「わっ、わかりました。」


「それで取引するにあたっての条件なのですが、現在相場ではkg辺り800Z程度なのですが品質も考え1,200Zではいかがでしょうか? また、再精製についてはその差額分と同等でkg辺り500Zでお願いできませんか?」


オイオイ、kg辺り1,200Zって。年間100kg納めるわけだから120,000Zかよ。更に再精製100kgで50,000Z、合わせて年間170,000Zとは。もう金額が洒落にならない事になっているな。本当にそんなに貰っていいのだろうか? まあくれると言うのならありがたく貰っておこう。


「それで構いませんよ、ところで材料の供給は極秘かつ安定してお願いできるんですよね。」


「それは勿論お約束させていただきます、なんなら価格も原価でお渡ししますよ。」


「いや、そこはビジネスですのでギルド員価格で構いません。」


内心焦りながらも冷静を装い、それらの条件で了承した。かなりの額が定期的に安定して入ってくる事になったな。魔法学院の学費っていくらぐらいなんだろうか? これだけあればもしかしたらエディを復学させてやれるかもしれない。後で詳しい事をエディに聞いてみよう。


「ところでユーゴさん、工房のお名前はどうされるのですか? もしお決まりになってないのであれば早急にお決めいただけると助かるのですが。ギルド登録の際にも必要なものですから。」


「名前ですか……。」


また名前か、どうしようかな。


「そうですね……、パーム工房はどうでしょうか。」


「パーム? 工房ですか?」


「はい、故郷で掌という意味です。私の工房から作られるものは全て、この掌から生み出されるものですので。」


「なるほどそういう事ですか、ではその名前でギルド登録を行いましょう。」


俺が造るものは神の手によって造っているわけだからこの名前がもっとも相応しいだろう。


それから詳細を詰め契約を交わし後、ギルド登録も済ませて生産ギルドを後にした。

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