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2-17 テンプレ君のマットレス

食堂ではデュルケーム商会の面々を含めたみんなでワイワイとパーティの準備を進めている、良かったみんな上手く馴染んでくれてる様だ。


そうだ、パーティを始める前に主人とは今後の事を話しておかないと。


「ガストンさん、忙しいところ申し訳ないのですが少し時間をいただけませんか?後宜ければエマさんもご一緒にお願いしたいんですが。」


「おう、そっちは今日は終わりか。時間?もうあらかた終わってるから構わねえよ。おーい、ユーゴが話があるってよ。こっち来れるか?」


「はーい、今行きますからちょっと待っててください。」


それから主人と奥さん3人で端の方の席に着き今後の事を相談する。


「それでこれからの事なのですがまず以前お話しした寝具の売買における商業権の貸借契約をお願いしたい。契約条件は1年で契約金は予定通り物納40セットと売上の15%、商業権の使用契約先への使用料は別途ご用意します。」


「まあ別にそれで構わねえよ、なあ?」


「ええ、でも40セットも貰っても置くところがないわよ。うちは最大20人までしか泊められないもの。」


「そこでもう一つご提案がございます。もしベッドの売買が成立したあかつきにはこの宿を建て替えてはいかがでしょうか?」


「はあ?お前なにいってんだ?」


「ユーゴさん突然何を言い出すの?」


「色々考えましたが現状のまま簡易的に設備を整えても限界がありますし、中堅冒険者達を受け入れるにしてもキャパが小さすぎます。うちが大手と渡り合うにはやはり圧倒的なメリットを提供できる施設があった方が宜しいかと。一階はフロントと食堂にご夫妻の居住スペース・二階は風呂場と遊戯場に従業員の寮並び休憩スペース・三階四階を客室とします。また、トイレは各階に設けたいですね。収容人数は最大40人の設定です。」


「そうは言ったってそんな規模の建物建てるほどの資金がどこにあるんだよ。」


「だからマットレスの売買が成立した場合なのです。私は今回大口のお客様に購入を提案する予定です、その際の売却価格は50,000Zを見込んでおります。」


「「ごっ、50,000!?」」


「はい、それにあたって木漏れ日亭さんには商業権の使用料として7,500Zお支払い出来ますのでそれを元手にする事を前提でこの計画をご提案させていただいたております。」


「「7,500…」」


「それからこれはお願いなのですが建築費の半額は我が社で持たせていただきますので5階に我々グランディエールとデュルケーム商会の拠点を作らせて貰えませんか?」


暫く2人は絶句して言葉を発せていない様だった。そこにタイミングよくバンジャマンさんがやってきた。


「ああ、バンジャマンさん。ようこそいらっしゃいました、どうぞこちらへ。」


俺はバンジャマンさんをこちらに呼んでお互いを紹介する。


「あのユーゴさん?なんだかお二人とも様子がおかしいのですが。」


「ええ、今ちょっとしたご提案をさせていただいたんですが少し悩まれておられるのでしょう。」


「お前なあ、宿建て替えろって話しがちょっとしたか?しかも金策まで整えた上でだ、普通でいられる訳がねえだろうが。」


それを聞いたバンジャマンさんがギョッとした顔をする。


「まあまあ、建て替えは今すぐどうこうという訳ではないので考えておいてください。ただマットレスの契約だけは今晩中にお願いしたいのです。」


「そっちは別段問題ないよ、しかし本当にそんな馬鹿みたいな額で売れんのか?」


「多分売れますよ、なんなら試してください。お二人にプレゼントしますから。」


そう言って一度部屋に行ってセミダブルのマットレスを2つ取り出し再び下へと戻る。もうバレているようだか体は大事だ、みんなもわかっていながら合わせてくれている。何故か奥さんの目が輝いている、さては俺の部屋の掃除の際に試したな。


さすがに寝室に入る訳にはいかないので奥さんとガストンさんで運び込んで行った。


「ありぁ凄えな、値段はともかくとんでもねえわ。」


そして戻ってきて開口一番の言葉がそれだった。


そこからはスムーズに契約を取り交わしついでに先程話した風呂場の貸借契約も結んだ後に気付いた、バンジャマンさんが話しについていけずポカンとしている。


「バンジャマンさんすいません、こちらの話しばかり進めてしまいました。こちらの木漏れ日亭さんがお話ししていた商業権の使用契約先です。」


「いえ、構いませんよ。なるほどそうだったのですか、しかし貴族の大店では無くこちらからお借りするのですか?」


「ええ、おおっぴらには出来ませんが大丈夫です。ガストンさんこちらのバンジャマンは今度人材派遣業を始められる予定でしてそれに伴う商業権の貸借契約をお願いしたいのです。契約期間は3年で契約金は売上の30%でいかがでしょうか?」


「宜しくお願い致します。」


「おう、そうか。それでいいんじねえか。」


「本当ですか?しかもこんなに好条件で?ありがとうございます。」


「いや俺もそういうのよくわかんねえからよ、こいつに言われるまで俺ですら知らなかったからな。こいつがそれでっていうんならそれでいいよ。」


その後木漏れ日亭とバンジャマンさんの契約を終えデュルケーム商会とグランディエールの派遣契約も済ませる。


その後諸々の話し合いや契約で遅くなったがデュルケーム商会の新たな出発を祝いパーティを始める。俺は久しぶりの酒をみんなと大いに楽しみ気持ちよく酔っぱらった、はあやはりこういった宴で飲む酒は何より格別だ。


頃合いを見てバンジャマンさんは一足先に宿に戻るとの事で帰っていった、帰り際コレットさんとチューしてやがった。ちくしょう、独り身に見せ付けやがって。罰として今回の案件が片付くまでこの二人も合体禁止だな、暗がりに隠れていたのを神の目で覗いてしまった俺が悪いんだけどな。


宴会はそのまま夜更けまで行われた。





夜中不意にめが覚めた、調子に乗って飲みすぎたなこれは。


俺は水を出して飲むと催してきてしまった、嫌な予感しかしない。今日も前回同様パーティの後だし今日は寝具をプレゼントしてしまった直後だ、絶対ヤバいよな。

終わっていてくれる事を祈りつつそそくさと下へおりてトイレへ向かう。


無事用をたし終え急いで部屋に戻ろうとしたその時、セイレーンの歌声の様な艶かしい矯正が聞こえてきた。しかも今日は二人とも新しい寝具に大分興奮しているのか以前にも増して随分激しい、規則正しい断続的な喘ぎと共にどんどんヒートアップしていく。

すっかりクラスチェンジを終えた暴れん棒は激しい脈動と共に暴れまわり狂化寸前、このままでは再び暴発待った無しだ。クソッ早く部屋に戻らなければ、そう焦れば焦るほど身体は硬直して動かなくなる。

しかし今の俺は以前とは一味違う、ソーニャ嬢の協力によりこの局面にも抗える力を得ているはずだ、俺は必死の思いで足を動かし部屋へ向かおうと歩み始めたその時


「ユーゴ…殿?」


ファッ!?誰だ?声の方を見てみると顔を真っ赤にしたデボラが立っていた。おおデボラ、お前はなんてタイミングで登場するんだ。


「あのっ…この声は、そのぉ…つまり」


「デボラ言うな。」


そしてそのまま二人とも動けなくなってしまった。なんてこったせっかく必死の思いで歩み始めたのが水の泡だ、クソッ。

デボラよ、呼吸を荒げて潤んだ瞳でこちらを見るな。俺だってどうしたらいいのかなんてわからん!


そうこうしてる内にとうとうその時は訪れる、天国の門をくぐるひときわ高い声が響きデボラの身体がビクンッと大きく震える。それと同時に俺の暴れん棒も盛大な自爆を果たす、なんてこったよりにもよって社員の眼前で暴発する事になるなんて。


「あっ、愛し合う夫婦ですから。こっ、こういう事もありますよね?」


「そっ、そうだ。そして俺たちもこういう不可効力の事故に見舞われる事がある。」


「そっ、そうですよね。」


そして気不味い空気が流れる、するとデボラが何かに気付いた様に鼻をクンカクンカさせ始める。いかん、これで暴発した事までバレてしまったら俺は再び旅人にならなければならなくなる。


「デボラ、今夜の事はあくまで事故だ。お互いの心の中にそっとしまっておこう、それが俺たちにもあの夫婦にとっても一番だ。こんなところで何時までもウダウダしているてもし誰かが来たらまた面倒な事になる、さっさと撤収するぞ。」


「えっ?あぁ、はい。」


そうして俺はそそくさと部屋へ戻ると急いで後始末を済ませる。


ハァ、最悪だ。よりにもよってうら若き乙女の眼前で暴発するなんて。デボラが気付かなかったからいい様なものの他の奴だったらバレててもおかしくなかった、軽蔑されてもおかしくない。とんだ変態野郎だ、いやHENTAIではあるのだが。


しかしまだ奥さんの嬌声が耳に、デボラの潤んだ瞳が目に焼き付いていやがる。

利かん棒は自重もせず自爆しやがったくせにすっかり元気を取り戻して


『ある意味凄いプレイだったな』


などと訳のわからない事を言っている、本当にコイツは一体誰に似たんだか親の顔が見てみたい。鏡を見てみろだって?残念ながら今の俺の周りには鏡が無いし作る予定も無いんだ。


もう全て無かった事にしてさっさと寝る事にする、いろんな感情を無理矢理ねじ伏せて俺も利かん棒も涙を滲ませて眠りについた。

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