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1-1 テンプレ君現状を確認する

 そうして冒頭へ戻る訳だ。


 テンプレの様な展開で転生しテンプレの様な能力を得て、今俺はここに立っている。そしてセルフィーネ様いわくテンプレの様な世界だというならば、テンプレの様なチーレムを目指すしかないじゃないか。異論は認めない! ラノベならば吐いて捨てる程ある話だ。またお約束の展開ですかと切って捨てられるだろうがいざ現実自身の身に降りかかったら、それを目指さない男なんているはずがない! 


 振り返ってみれば前世は面白味のない人生だった。


 中流家庭の次男として生まれるも3歳の頃に父親が死に母子家庭となった。子供を三人も抱え(兄と俺と妹)母親は相当苦労しただろう、正直尊敬に値する。そんな母親の頑張りでなんとか俺は普通に小中高と卒業したが大学には行かなかった、ちなみに兄は非常に優秀だったため奨学金で某旧帝大に行き公務員になった。妹は妹で高専を卒業し看護師になった、しかも正看である。俺は根性が足りないので普通に高卒で就職した。まぁ普通そんなもんだ、兄と妹が特別優秀なだけだ。それでも俺は仕事先を変えながらも運良くキャリアアップを計れていた、収入も同世代ではやや多目になれたし大卒の部下もできた。もともと地方都市だからそんなにコンプレックスはなかったけどね。


 まぁ俺のツマラン経歴はどうでもいい、私生活が問題だ。高校を卒業して一人暮らしを始めるも基本仕事場と家の往復。女っ気は皆無で趣味はネットと映画鑑賞、あと風俗(小声)。何度もいうがそれでも俺はDTではない、素人DTでもない。だが彼女無しの詳細は彼女いない歴=年齢だったりする。矛盾している様だが初体験はちゃんと済ませたんだ、だがその初体験が不味かった。


 就職したての頃、青い俺は悪い女に引っかかり貢いだ揚げ句にようやく念願の初体験を済ませた。翌日、DTを卒業しすがすがしい気持ちで彼女とメールのやり取りした末に最悪のブラックメールを踏む。


『一回ヤッただけで彼氏面しないで』


 もう現実でこんな事あるのかよって言葉に落ち込んだ俺は女性との接し方がわからなくなった、ホント女は怖いよ。大事なことなので何度でも言う、女は怖い。豹変なんて言葉では生温いぐらい変わる。そのまま俺の自信は木っ端となり女性に対して壁を作る様になったため女っ気も無いまま現在に至る。


 仕事はそれなりに充実しているし同僚ともうまくやれていた。数は多くないがずっ友だよっていうのもいたし生活も安定していた、だが心の癒やしは風俗だけ。こんな人生どうよ、なかなかアレだと思わないかい。


 それが今は異世界だ、チーレムと言えば……そう奴隷だね。奴隷ならば従順だし何より裏切られない、元の世界のあのクソ女共とは違うのだよ……きっと……たぶんそうだと信じたい。さあ行こう、チーレムの向こうへ! 





 下らない過去語りは黒歴史の始まりだ、そんな物は投げっぱなしジャーマンで放り投げて現状を確認しよう。


 まず持ち物を確認すると以下の通りだ。


装  備 : ・亜麻布の服・羊毛のマント・革のブーツ・革の鞄・鉄のナイフ


食  糧 : ・水筒と水・干し肉・黒パン


貨  幣 : ・白貨10枚・大金貨10枚・金貨100枚・銀貨100枚・大銅貨100枚


 持ち物は最低限ってところだか貨幣はかなりあるな、というか重い。教えられた通貨単位はR(ルーン)Z(ゼスト)、貨幣の価値は1Rが1円で1Zが1,000円との事。貨幣に換算すると以下の通りだ。



鉄 貨1枚 = 1R = 1円

銅 貨1枚 = 10R = 10円

大銅貨1枚 = 100R = 100円

銀 貨1枚 = 1Z = 1,000円

金 貨1枚 = 10Z = 10,000円

大金貨1枚 = 100Z = 100,000円

白 貨1枚 = 1,000Z = 1,000,000円



 つまり俺は今1,211万円相当の貨幣を持っているという事か。さすがセルフィーネ様、当面の資金としては十二分どころかとんでもない大金である。それに水と食糧もつけてくれているしね。衣類は着心地がイマイチだが文明レベルを考えればこんな物だろう。


 続いてせっかく神の目をもらったんだし自分の能力を鑑定して見よう。



名前 : ユーゴ=ヨシムラ

種  族 : 異世界人

年  齢 : 32歳

職  業 : 旅人

加  護 : 創造神の加護


体  力 : C−

魔  力 : C

力 : D

敏  捷 : D+

知  力 : B

精 神 力 : B−

器  用 : C+


技  能 : 棒術 Level3, 料理 Level4, 洞察力Level6, 交渉Level5, 算術 Level5, 性技 Level5,


特殊能力 : 異世界知識, 万能言語, 神の目(加護), 神の手(加護), 亜空間創造(加護), 結界創造(加護),



 とまぁ、なんともツッコミどころ満載な内容な訳だ。


 まず種族が異世界人なのはまちがいないが職業旅人って、どこのガチムチの元サッカー選手だよ。つうか旅人は職業じゃねえよ。


 それから能力。まあこの世界でもステータスなんて概念はそもそも無いようだから俺が把握しやすいように変換された目安みたいなもんなんだけど……、なんか地味に低くね。S〜Gの8段階に+−の補正で判断するみたいだが、能力補正してもらってこれって元の能力どんだけ低いんだよ。パワプロだったら完全に育成失敗だ。一般人と大して変わらんのじゃないか? まあもともと俺は一般人だけどさあ。まぁ、ここは最初からそれ程期待していなかったししょうがないか。


 最後に技能と特殊能力。一般スキルとユニークスキルみたいなものかな。これも同様にスキルなんて概念が無いから目安なんだけどlevel1〜level8とこれも8段階、それぞれのlevelによる能力の捉え方は大まかに以下の通り。



Level1 ―― 初心者

Level2 ―― 中級者

Level3 ―― 上級者(セミプロ)

Level4 ―― 到達者(プロ)

Level5 ―― 熟達者(トッププロ)

Level6 ―― 達人(殿堂入り)

Level7 ―― 伝説

Level8 ―― 人外



 これを踏まえると俺の技能はなんて素晴らしいんだ。



棒 術Level3 ―― これはもしかして前世でいうところの剣道かな? 確かに剣術がベースだがやっている事は木の棒を振りまわしていた訳だから剣術じゃなく棒術って括りになっちゃうのも理解できる。高校までしかやってなかったし実力はやっとこ県大会出場程度だったけどね。


料 理Level4 ―― これは自炊していたのはもちろんだが結構好きで研究してたからかな。


洞察力Level6 ―― もともと結構鋭い方であると自覚はしていた(女心以外)。大体対面して話しをしていると何考えているかを想像できたし今後どうなるかなんて流れも読めた。


交 渉Level5 ―― まあ仕事が営業職だったからね。さっきの洞察力も含めて必須スキルだったし。


算 術Level5 ―― 一応商業高校卒業だし社会に出てからもなんやかんやで必要なものだから自然と身についたのかな。


性 技Level5 ―― 経験人数一人(経験回数も1回だが)の俺がそんな訳あるかと思うだろう? 世の中には女っ気がなくても習熟する場はいくらでもあるのだよ、そう大人の至高の遊戯場風俗だよ。

俺はネットで仕入れた情報と諭吉を基に風俗嬢のお姉様方の協力を得て日夜研鑽に勤しんだのだ。あくまで知的好奇心を満たす為の崇高なる研究が目的だ……ごめん、嘘だ。ええ、そうですよHENTAIですが何か? PCもHDDもえらい事になっていましたよ。セルフィーネ様もドン引きしていましたよ。ずっ友や同僚からは『風俗王』『AVソムリエ』なんて称号をいただいていましたよ。

まあそんなこんながこの技能の性技となっているのだ。



 全体的にLevelが高すぎる様には感じる、俺はそんなに優秀な人間ではなかったからな。まあこれは特殊能力の異世界知識と神の目による底上げがかなり大きいみたいだ。この世界と元の世界の水準の差もあるのだろうがLevelで1から2ランク程度は補正されていると思う。


 特殊能力は聞いていた通りって感じだ。ただ、神の目は鑑定だけじゃないみたいだ。詳細は借り物の制限された神の目では見通せないみたいだから不明な部分が多いけど。神の手も大体同じ仕様になっているみたいだな、この辺はいろいろと試して見ないとわかんないかな。

 ところで異世界知識って特殊技能になるんだな、まあ文明が進んだ世界の知識を持っていたら相当な特殊能力ですよねと言われればそりゃあそうだ。

 他のおねだりによって手に入れた亜空間創造・結界創造も基本的に魔力の使い方が分らんから内容がイマイチ把握しきれない、これも実際試してみないとわからんな。

 正直わからない事だらけだが、今ここでいつまでもぐずぐずしていて日が落ちてしまったらシャレにならん。とりあえず街について宿を確保できたらいろいろ検証して見よう。


 総評すると能力は一般人に毛が生えた程度とがっかり仕様だったが技能はまさにチートと呼ぶに相応しい内容だった。その内容もまさに商人になれと言わんばかりのものだ。神の手のスキルもあるしこれは生産・商業チートへと導かれているとしか思えない。


 これは夢のチーレムへの道は待ったなしか、いろんな部分が燃えたぎってきた!

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