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仔龍の轍  作者: ぱんつ犬の飼い主
第一章 守護の騎士
21/33

系統外の魔物

(さて、クロナちゃん、この場所に隠れましょう)


長い赤髪の少女──ローザは、妹のクロナの手を引き、森の茂みの中に身を隠す。


「ねー、ホントにまつのー?もうぜんぶふっとばしちゃったほうがはやいんじゃ……」

(声が大きいですよ。少しボリュームを下げて)

(……はぁい)


クロナが漏らす不満を完全にスルーしたローザは、不貞腐れたような顔をしているクロナを茂みの中に引き込んだ。


葉や枝の隙間から、滝壺が見える。

辺りには水が落ちる轟音意外の音がなくなっている。周りを見れば、ちらほらと傭兵の男や美男子の騎士が目に入るが、皆きちんと気配を消して息を潜めている。


(流石、と言ったところですね)


斯く言うローザもちゃんと気配は消しているつもりだが、経験豊富な彼らと比べると、未だその技術は拙いものだろう。

ほぼ完全に気配を消している彼らを見て、滝壺から少し遠くに隠れたのは正解だったなとローザは独りごちる。

森の空気の中に、微妙に気配を消し切れないローザとクロナがいては、()の魔物に気付かれてしまうかもしれない。


偶然集まったメンバーだが、一時とは言え仲間であるとローザは認識している。そんな彼らに迷惑を掛ける事は、ローザの良心と、龍の矜持が許さなかった。

なので、未だ不貞腐れているクロナと共に、彼らより少し後方に身を隠して、距離で未成熟な技術を補っているのだ。


(おねーちゃんひまだよ〜)


まだ隠れて数分経ったかどうかというところなのに、再びクロナがぶつくさ言い出した。


ローザのこめかみにぴきりと青筋が立つ。

その事を子供の敏感な感受性で読み取ったクロナは、すぐに言い訳を並べ始める。


(だ、だってさ、もうずーっとまってるんだよ?もうあしいたいし、つかれたし、さっさとぶっとばしちゃおうよ〜)


幼女とは思えぬ過激な発言をするクロナに、ローザは苛立ちを静かにため息に変えて吐き出す。


(クロナちゃん、ここに来る前ににいさまに言われた事を忘れたのですか?あまり派手な動きをするなと言われているでしょう)


そう、このヌシに挑む為の条件として、ローザとクロナにはルールが課せられていた。


それは、本気を出さない事。


クロナはそれを聞いた時、明らかに不満そうな顔をしてぶーぶー言っていたが、ローザは何故兄がそんなルールを自分とクロナに課したのか、その意味に勘付いていた。


今回の魔物は大型で、実際に来てみて現物が一般的な大型の魔物よりも巨大なものである事を悟った。

今までにも大型の魔物とは何度か戦った事はあるし、例え個人でも負けた事はなかった。

今回も、多少手こずるかもしれないが、クロナと二人ならば負ける事は万に一つ無いだろうとローザは確信している。


だが、自分達が本気を出すと、少々面倒くさい事が起きる事も容易に想像できた。

この場にいるのが自分達だけならば問題は無い。けれど、今回は行きずりの人間の仲間達がいる。


ここで少し考えてみて欲しい。


体長十数メドルはあるであろう巨大な魔物を、幼い少女二人がタコ殴りにしていたら、普通どう思うだろうか。

正常な思考、価値観の持ち主ならば、とてつもない違和感を感じる事だろう。

それによって要らぬ勘繰りをされては困る。

鋭い者ならば、自分達が龍だとは分からずとも、人間では無い事くらいは察してしまうのではないだろうか。


その点、あの神官の男には要注意だとローザは考えていた。

普段、兄や妹と魔法訓練で無詠唱でバンバン撃ちまくっているせいで少し感覚が麻痺しているが、無詠唱なんて芸当はかなり高等な技術なのだ。

長い年月の間、(たゆ)まぬ努力でその道を追求してきた者、あるいは類稀なる才能を持つ者にしかできないような、かなり特殊な技術だ。

この内、後者に当たるローザとしては前者の苦労にはあまり縁がないが、クロナのように考え無しで気の向くままに行動するほど浅慮でもない。

同じく無詠唱を使えど、恐らく前者であろう壮年の神官は、これまで生きてきた経験からしても、他の者達とは別物と考えていた方がいいと思っている。

この歳で魔法を使えるのですら相当珍しいと言うのに、加えて無詠唱なんて使ったら何を思われるか分かったものではない。

兄もそれには気付いていたようで、面倒だろうが詠唱は必ず挟むようにと厳命されていた。


クロナがそれによって機嫌を損ねたのは言うまでもない。

別れ際、兄はクロナに邪険にされて泣きそうな顔をしていたが、ちゃんとフォローはしておいたので問題はないだろう。

兄が自分達の事を思って注意してくれているという事はクロナも何となく分かっている筈なのだが、あの子はあまり素直になれないのだ。


それによってローザはいちいちフォローをする苦労をしているのだが、その際に兄が見せる笑顔を見れば、そんな苦労は吹っ飛んでいく。

あの安らぎと動揺を同時に与えてくる笑顔を見るためならば、その程度の苦労は何の事でもない。


ローザが若干脱線した思考で兄の笑顔を思い出し、だらしなくにへっと口元を緩めた時、隣のクロナが緊張を帯びた声を上げた。


(おねーちゃん、でてきたよっ)


その声に現実に意識を戻したローザはすぐに弛んだ思考を冷却し、クロナの指差す先──滝壺に目を向けた。


絶えず流れ落ちる水により、一時として形を(とど)める事なく波打つ水面。

そこから、ざぶりと。

魔物が姿を現した。


水かきのついた前脚が、岸辺の地を掴む。

そして、ざざざざざ……と音を立てて水中から這い出る。

魔物が、その巨躯を完全に日の下に晒した。


全体的に平べったい巨大な体躯と、そこから伸びる脚。見た目は母の買ってきた『世界の魔物図鑑』に載っていた山椒魚(サンショウウオ)型の魔物、リヴァロートルを巨大化させた感じだろうか。

ぬらぬらと粘液の光る漆黒の体皮には、僅かに傷が付いている。

初回邂逅時に、他の冒険者達が付けた傷だ。


金色に光る小さな目玉が、ギョロギョロと舐めるように周囲を見渡す。


正直、こんなに簡単に釣れるのならば、何時間も待っていたのには一体何の意味があったのだろう、と益体もない考えが浮かぶ。

頭を軽く振り、思考を元に戻す。

今はそれどころではないのだ。目の前の事に集中せねば。


湧き出る闘争心と興奮を抑えながら、必死に息を殺す。

ここで全てをおじゃんにする訳にはいかない。

事前に決めた合図が出るまでは、耐えなければ。


そして。


森の木々の上から、ぱんっと乾いた破裂音がした。

出撃の合図だ。


人為的に起こされた慣れない音に、魔物がびくっと震え、空を見上げる。

その隙に、ローザ達は一斉に駆け出した。


数瞬遅れてそれに気付いた魔物は、慌てて滝壺に戻ろうと身を翻す。

だが。


「行かせません!」


ローザは高速で魔力を練り上げる。

そして、走りながら右の手のひらを前方に(かざ)すと、短縮した詠唱を行う。


「厳寒の風よ、我が魔力を糧として、敵を凍てつかせよ!『コールドウィンド』!」


正直、詠唱は慣れない上にかなり気恥ずかしいのだが、だからと言って言い淀む事もなく、流麗に、歌うように唱え上げる。

最後に術名を唱えると同時に、右手に構築していた魔法が起動する。

翳した右の手のひらから、四条の真っ白い風が生まれ、森の木々の間を蛇のように進んでいく。

力をセーブした第二段階ほどの威力の魔法。

普段、第三段階の魔法を使用しているローザからすると、その威力は頼りないものだったが、別にこれはダメージを負わせる為に撃った訳ではない。


威力を下げた分、その速度を加算された風は、魔物の脇を通り過ぎ、滝壺の水面に直撃した。

ぴしぴしと音を立てながら凍りついていく水。

威力が低い分その進行速度はあまり速くないが、どうやら間に合ったようだ。


「ルルァッ!?」


水中に入ろうとしていた魔物が、驚愕の声を上げる。

そのまま、水面をぺたぺた触るが、凍りついた水は魔物を受け入れない。

魔物は仕方なく氷を打ち破ろうとするが、もう遅い。


「ぅおらぁぁ!!」


いち早く駆け寄ったスキンヘッドの傭兵の男が、両手に持った大剣を振り下ろす。

魔物はギリギリそれを躱すが、仰天している為か動きが鈍い。

そうこうしているうちに、他の者達も集まり、魔物を逃さないよう滝壺に背を向けて魔物と対峙した。


再び大剣を構えたスキンヘッドの男が、ニヤリと口元を歪める。


「これまでに溜まった鬱憤(うっぷん)、晴らさせてもらうぜ」


その言葉を皮切りに、一斉に男達は魔物に飛び掛かった。


「うわっひょぉぉぉぉ!」


それに同調して叫びながら嬉々として突っ込んでいくクロナの背中を見て、ローザはため息を吐いた。

自分だけでも目立たぬよう、後衛に入ってサポート役に徹しよう。


だが。


「先ほどの魔法、見事だったな」


背後から近付いて来た人物に、声を掛けられてしまった。

低級の防御補助の魔法をクロナ達に掛けながら、ローザはその人物に顔を向けた。


「……どうもありがとうございます」


ぎこちない笑顔を浮かべ、その人物、あの壮年の神官を見る。

神官は、不思議そうな、それでいてどこか楽しそうな目でローザを見ていた。

彼の隣には、小柄な巻き毛の少女がいる。


「その歳で第二級の魔法を使う……それに、あの時お主は詠唱を短縮していただろう。素晴らしい才能だな」


ぎく。

できるだけ声を抑えて詠唱していたのに、聞かれていたのか。

少し笑顔が引き攣るが、神官の表情、そして言葉にも、嫌味ったらしい感じや何かを疑っているような気配はない気がする。


その様子に若干安堵しつつも、気を緩めることなく言葉を返す。


「いえ……私は氷の魔法が好きでして、ずっと同じ事を繰り返していたら、いつの間にか上達していたのです」

「それでも十分素晴らしいさ。君くらいの歳で魔法を習う者がいない訳ではないが……誰も彼もあっちへこっちへと色々な魔法に手を出しているからな。結局どれも中途半端になってしまうんだよ。君のようにこれと決めて、それをひたすら鍛錬するような子は珍しい。それは誰にでも出来る事ではない。自分を誇ってもいいと思うぞ」


神官が手放しに褒めてくるので、ローザは少し気恥ずかしくなってしまった。


「おやめ下さい……調子に乗ってしまいます」


ローザが照れながらそう言うと、神官は微笑みながらローザの頭を撫でた。


「そうだな。どんな事でも調子に乗って努力を怠ってはいけないな。許してくれ、君のような才能と直向(ひたむ)きな心を持った逸材に会うのは久しくてな、ついつい手放しで褒め称えてしまった」


神官の手のひらは、大きくて乾いたいたが、優しく撫でられて、ローザは思わず笑みを浮かべた。


「それと、先ほどあの戦闘の渦中に突っ込んで行ったのは妹さんかな?彼女は大丈夫なのか?」


打って変わって、心配そうな声で聞いてくる神官。

まあ、普通幼女が巨大な魔物に突っ込んで行ったら誰もが心配するだろう。


「ええ、少し短気なところはありますが、実力は確かなので……」


神官に答えるローザの瞳には、ある種の諦念の色が映っていた。


視線の先で激闘を繰り広げるクロナ達に目を向ける。


傭兵や騎士達が剣で斬りつけたりしている中、クロナは両手両足に炎を纏い、肉弾戦で挑んでいた。

魔物は煩わしそうに爪で切り裂こうとしたり、尻尾で薙ぎ払おうとするが、動きがあまり速くないため全て躱されている。


その様子を見て、神官はやや呆れたような顔になる。


「確かに、あれならばそうそう心配はないだろうな。しかしあの動き……四肢の炎だけでなく、身体強化も使用しているな。二つの魔法を同時に……なかなかにとんでもない姉妹だな」


神官が感嘆したような、呆れたような声を上げる横で、ローザはだらだらと冷や汗を掻いていた。


クロナちゃんの馬鹿!

もうちょっと抑えて下さい!


心の中で叫ぶが、もちろんクロナには届かない。

だが、もしも声に出したとしても、爽快な笑みを浮かべ四肢を振るうクロナの耳には届かないかもしれない。


しばらく闘いの様子を観察していたが、難しい顔をして何かを考えていた様子の神官が唸るような声を出した。


「それにしても……あの魔物、リヴァロートルの亜種のようだが……力量は遥かに違うな。あれは中級中位……もしかすると中級上位くらいはあるやもしれんな」

「そうですね……」


魔物には、その力量によって『階級(ランク)』が付けられている。

一番下位の『初級』から『中級』、『上級』、『特級』と強さによって上がっていく。

具体的に言うと、『初級』は、ある程度の力を持った者ならば、村人でも倒せるような魔物。主にスライムなどが属している。

『中級』ともなると、一般民にはどうしようもなくなり、騎士や冒険者と呼ばれる専門の者が対応に当たらなければならない。

『上級』は、騎士や冒険者の中でも、数少ない猛者ならば相手をできるような強力な魔物で、多少の被害を覚悟するならばそこまでの猛者でなくともパーティを組めば討伐可能とされている。

『特級』ともなると、国が総出で当たるレベル。その国有数の実力者達を搔き集め、大規模な討伐隊を編成して何とか……と言ったところだそうだ。

四つの中でも上位、中位、下位と細分化されていたりもする。


この指標は冒険者達を統括する冒険者組合(ギルド)が決めている。

あくまで人が決めたものであり、魔物も個体によって力量も違うので、これが全て正しいとは一概には言えないが、冒険者組合に属する冒険者達はこれを目印にして、自分の身の丈に見合った仕事を選んでいるそうだ。


そして、『特級』を超越した魔物は、『災害級』と呼ばれている。『災害級』の魔物は極めて数少なくあまり人の前に現れないが、一度(ひとたび)現れたならば国すらも陥されてしまうと言う。

さらに、その『災害級』すらも超えた存在は、『伝説級』と呼ばれている。

この階級に属する魔物はほとんどがおとぎ話に出てくるような者ばかりだ。

存在するかすら分からない、正に伝説と言ったところだ。


ちなみに、ローザとクロナの実力をこの指標に照らし合わせてみると、大体上級中位くらいの実力となる。彼女達の兄であるアルバートは、上級上位である。

彼女達の母親のスカーレットは図鑑では『災害級』となっていた。


ローザは図鑑に自分の母親が載っていて大層驚いたそうな。


そして、稀に冒険者組合も知らない、未知の魔物が生まれる事がある。

それらは、辺境の地に棲息していて今まで見つかっていなかったものや、通常の魔物が特殊な進化をする事で生まれる系統外の魔物、通称『亜種』と呼ばれる魔物だ。


今目の前にいる黒い魔物も、リヴァロートルが特殊進化した亜種であると考えられるのだ。


ローザは神官の考察に同意を示した。


が、いくら亜種だろうと、『上級』であるクロナとローザの二人がいるのだから、負ける筈がないのである。


ここに集まった冒険者達も、全員『中級』並の実力は備えているようで、ローザがあまり何もしなくても、すでに魔物を追い詰めている。


「どうやら、私達の出番はないようだな」


神官がどこか残念そうに呟く。

それに過敏に反応したのが神官の隣にいた少女だ。


「ええっ!?それは困ります!私、何のためにここに来たんですか!?」


ずっとオドオドして言葉を発しなかった少女がいきなり大きな声を上げたので、ローザは少し驚いてしまった。


「そうは言ってもな……フィリア、ならばあそこに混じってくるか?」


神官は困ったような顔をして闘っている冒険者達を指差す。

それを聞いた少女は先ほどの勢いはどこえやら、消え入りそうな声を上げる。


「そ、それは……無理、ですけど……」


よく分からないが、この少女は何か目的があってあの魔物と戦いたかったらしい。

この虫も殺さないような少女が何故魔物と戦いたいのかは知らないが、そろそろ決着もついてしまうだろう。

そう思ってローザは魔物に目を向ける。


予想通り、魔物は既に傷だらけで、丸まって防御をしているが、動かないせいでクロナを含めた冒険者達に袋叩きにされていた。

何となく魔物が哀れに感じた。


その時、


「む……?」


神官が声を漏らした。

彼の顔を見上げると、目を細め、睨むように魔物を見据えていた。


「何か……様子が……」


ぶつぶつと呟きを漏らす神官だったが、次の瞬間、大きく目を見開いた。


「い、いかん!」


慌てたような声を上げる神官。

その様子を訝しんだローザも魔物に視線を戻す。

するとすぐに異変に気付いた。


丸まって防御姿勢を取る魔物。

その魔物に、急激に魔力が集まり出している。


魔力に敏感だと言っていたスキンヘッドの男とクロナもそれに気付いたのか、動きを止めて訝しげに魔物を見ている。


「全員退がれ!退がるんだ!」


神官が大声を張り上げる。

その声に、攻撃していた冒険者達は手を止めて振り返った。


「早く!ここまで戻ってこい!」


神官は尚も大声を上げる。

だが、冒険者達は振り返りこそすれど、戻ってくる様子はない。

もう少しで倒せるのに、何でそんな事を言うんだ、と疑問の表情を浮かべている。

しかし、スキンヘッドの男とクロナは違った。


「お前達、言われた通り一旦退がるぞ!」

「ちょっとやばそうだよ!」


彼らの切羽詰まったような声音に、ようやく異変を感じ始める冒険者達。

その頃には、魔物に集まる魔力は肉眼で視認できるほど高密度の濃さになっていた。


それに気付き、言い知れぬ不安を感じたのか、先ほどまで動かなかった冒険者達が、魔物から離れ始めた。


そして。

全ての冒険者達が魔物から離れた瞬間、まるで合わせたかのように、魔物の体に急激な変化が起こる。


集まった大量の魔力が渦を巻き、吹き荒れる。

皆吹き飛ばされないように地面に伏せたり、しゃがみこんだりして堪える。


やがて、魔力は魔物に吸い込まれるように魔物の体に流れ込んで行き、それに呼応するように魔物の体が紫光を放ち始める。

ローザはこの現象を知っていた。

経験もしている。


光が次第に強くなる中、ローザは呆然と呟く。


「まさか……進化?」


辺りは光の奔流に飲み込まれ、視界が紫色に染まる。

そして、次の瞬間。




「キァァァァァァァァ!!!」




甲高く(おぞま)しい産声が上がった。

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