Rainbow.
広がる大地。
無限の空。
五つの国があるこの世界。
一つは緋。
活火山周辺を領地とする国。
五つの国きっての戦闘派。
鉄鋼業も盛んである。
一つは碧。
東の海沿いを領地とする国。
海をこよなく愛している。
漁業が盛ん。
一つは翠。
平原を領地とする国。
自然をこよなく愛す。
農業が盛ん。
一つは黄。
砂漠を領地とする国。
独自の文明を築く。
一つは、黒。
無を領地とする国。
詳しい事は分かっていない。
そんな五国が、ある鉱石を求めて戦争を始めた。
その鉱石とは、それを手にした人が所属する国の色が世界に適応されるという石で、それを手にするということは世界を手にすると言っても過言では無い。
欲に負け、戦い出すそれぞれの民族。
殺し、殺され、悲鳴で世界は埋まる。
それぞれがそれぞれの色を崩す。
その時だった。
空が光る。
そして、その光の中から誰かが現れる。
それは、白の民族だった。
かつて、この世界を一度制したものの他の五国の共同作戦によって、民族全員を、心中に追い込み、この世界には存在しないはずの存在だった。
彼らは言う。
「この世界には一度、制裁が必要だ。」
そして、世界は一瞬にして真っ白に変わる。
驚きを隠せない民族達だが、その姿も白と化し、次々とこの世界から消えていく。
***
「もっかいやり直しだな。こいつらは失敗作だ。」
神はそういうと、別の紙を取り出し、また新しい世界を描き始めた。