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異世界転生したが・・・?お約束が無い!!  作者: 炎焔姫
第1章 目指せ勇者編
9/17

8, 目覚め

 ガサリと森の中から出てきたのは、まさにファンタジー定番のキマイラだった。獅子の顔に蛇の尻尾そして背中に黒ヤギがついている。イメージと違うのは目の色が水色でなんとなく知性を感じる様な気がした。


 「グロロロ。」

 キマイラがうなり声を上げる。・・・知性うんぬんは気のせいだったとハジメは認識を変える。と、その時


 「フレイムストローム」

 とキマイラの口から言葉が出る。そしてそれと同時にキマイラの前に炎の渦が出来上がる。さっきのファイアーボールが花火に見える程の差があった。そしてその炎の渦がハジメに向かってくる。


 「この距離で熱いって事は骨も残らないな。」

 問答無用で攻撃を受けた事よりもザックよりも強力な攻撃を使われたと思われる事に意味も無く感動したハジメだった。炎の渦がハジメの目の前にきた瞬間、まるで何もなかったかのようが如く掻き消える。


 「アイスブリザード」

 驚く様な表情も見せずに続けて魔法を唱えてくるキマイラバロン。流石、高レベルの魔物であろうか。それにしても自分に起こっている現象が分からないハジメだった。ハジメの周辺に氷や吹雪が巻き起こったが、途中で消えてしまう。


 「サンダーレイン」

 続けて雷撃の豪雨が迫ってくる。本当に多彩な魔法を使ってくるキマイラバロンだ。確実に数回は逝っている攻撃を続けてきているが、これもまた掻き消えてしまう。


 「・・・・・・・・・」

 さすがに3連続で無効化した生物に対して何かしらの警戒心か思う所があるのか、攻撃が止んだ。


 「あの・・・こちらとして敵対する気は200%ないのですが・・・。」

 恐る恐るハジメはキマイラバロンに交渉を試みる。


 「アシッドクラウド!」

 返事を待たずしてキマイラバロンから緑色の霧状の物がハジメを取り巻く。すると今までと同じ様に掻き消えたのだが、ある事だけが違った。


 「え?・・・・これって!!」

 ハジメの周りに漂う緑色の霧が一箇所に集まってくる。するとその集まった物が1枚の板状の物に変化したのだ。そしてその板状の物はハジメの足元へと落ちる。


 「これは・・・カード?・・・かな?」

 ハジメは目の前のキマイラバロンがいるのも忘れてカードを拾った。そのカードを見ると


 ・アシッドクラウド LV30 毒雲を対象の周囲に撒き散らす。


 それは先ほど、キマイラバロンが使った魔法の名前が記入してある緑色のカード状の物だった。ハジメは裏表を見ながら調べていると、


 「やはりお前がしていたのか。」

 とキマイラバロンが話しかけてきた。


 「え!ええっ!やっぱり喋れるんだ!って喋れないと魔法言えないか?いや、っというか何か実験的なお試しされてた?」

 ハジメはさすがに知性があったんだとは言わずに、連続して魔法を掛けられたのは何かしら理由があるのではないかと聞いてみた。


 「いや、それはない。殺すつもりで唱えていたぞ?」


 「・・・・・。」

 どうやら理由はないらしい。まあ、お試しであんな魔法は使ってこないか・・・。魔物だし・・・そうだ魔物だよ!!ハジメは改めて目の前にいる生き物が高レベルの魔物だと再確認した。


 「で・・・ど、どうして話しかけているのでしょうか?」

 ハジメは逃げ出したい気持ちで一杯の状況でコミュニケーションを図った。


 「縄張りに殺気を持った人間が来ていたので、様子を見にきたらいきなり攻撃してきおったんで、軽く撃退したまでじゃ。お主からは変な感触があるので魔法を使ったのだがなぁ。効かぬ上になんか変なことをしよったので確認したまでじゃ。」

 ザックさん・・・えらい事して亡くなったな。キマイラバロンに軽くでやられ、その上俺には魔法4連発という恐怖の巻き添えお土産までしてくれるとは・・・。それにしても変な感触?俺って魔力もそんなに無いのに?


 「あ・・・あの、それで私の命は助けてもらえるのでしょうか?」

 ハジメは真っ先に確認すべき事を聞いてみた。


 「別にわしらは好戦的ではないからのう。それにおぬしは面白い事を見せてくれたので命は取らん。見ればここに来るレベルでも無いようだし自分でしっかりと帰るとよい。」

 と、寛大なお言葉を述べるキマイラバロンが知性を称えた眼差しで話しかけているように見える。ハジメは、低レベルの自分がここから変えるのは大変なことを考えないようにしつつ、今更ながら感謝の気持ちをこめてキマイラバロンを見つめた。


 「それと周辺のカードも持って帰るように。それをほったらかしにしておくと、何が起こるかわからんしの。」

 と、そんなハジメに驚く内容をキマイラバロンは言った。


 「えっ?」

 ハジメは改めて自分の周辺を見ると、周辺の草むらの中や木の根元などに様々なカードが落ちていた。それらを集めてみると


 ・フレイムストローム LV30 炎の渦を目標に対して放つ。

 ・アイスブリザード LV30 目標を中心として冷気と氷の牢獄を作り上げる。

 ・サンダーレイン LV30 雷の雨を目標に対して落とす。

 ・ファイヤーボール LV10 炎の玉を目標に対して放つ。

 ・銅のブロードソード 攻撃力+10 防御力+1 耐久力 25/25 スキル 無

 ・アサシンダガー 攻撃力+75 防御力 0 耐久力 40/45 スキル:防御力無効


 ハジメは、7枚のカードを手に入れた。ザックとの戦いから起こった不思議な体験数と同じだけの枚数である。


 「それではな、人間よ。もう奥地には来るでない。」

 そうハジメに言葉を掛け、森の奥地へと引き返すキマイラバロン。


 「あの!キマイラバロンさん、これってなにかわかりますか?」

 思わず声をかけてしまったハジメ。キマイラバロンは首だけを振り向け


 「人間達のスキルは詳しくないが、今まで生きた中でそのような物は初めて見たな。人間社会で調べたほうがいいのではないか?お主にはわしの種族までわかるスキルがあるようだしの・・・。」

 にやりという感じで笑う獅子の顔は中々に迫力がある。さすがに知性が高いだけの事はあるのか、この会話だけで色々ハジメの能力を大まか把握しているようだ。ハジメがまだそのカードや自分の能力を言い当てられたのに躊躇しているうちに、キマイラバロンは森の中へと姿を消していった。


 「うーん、分からない事だらけだけど、とりあえずは命の危機が去ったという事だけはわかるな。」

 ハジメはとりあえず現状で前向きな答えを考えてみた。森を見てみるとキマイラバロンの情報はない。ザックの情報も消えている。消えたのか、移動させられたのかはわからないが、このままここにいるのは危険だろう。そうハジメは頭を切り替え村へとの帰路につくことにした。もちろんスキル全開にして魔物情報を先読みしつつ、避けて帰ったのだった。



 

さてさてハジメはどんな能力に目覚めたのでしょう?そして勇者として復活できるのか!!


 ぼちぼち書いていきます。

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