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異世界転生したが・・・?お約束が無い!!  作者: 炎焔姫
第1章 目指せ勇者編
3/17

2. ホーランド城 2

なかなか話が進みませぬがもうしばらくお待ちを~。

 大体の状況はわかってきた。なぜ勇者が必要なのかもだ。但し一番の問題点である事がわかってない。そう元の世界に帰れるのかという点とお約束の勇者の力である。あっそうそう2つの魔方陣に関しては知らないの一言で終わった。どうやらそんな魔方陣はないらしい・・・。なんとなく嫌な感じがする。


 「任務を達成すれば元の世界には帰してもらえるのですか?」

 ドキドキな質問である。よくあるパターンが帰れませんという答え、そしてその次にくるのがわかりませんというのが王道だな。ハジメは背中に冷や汗をかきながら聞いてみる。ここで自分の人生が決まる位の緊張感だ。


 「過去の伝承によれば、魔王の国に送還陣があり、それで勇者は元の世界に帰ったという話です。」

 おお!帰れるのかーって、魔王の国は完全にアウェイじゃないっすか。まじで・・・うはー・・・。その伝承あてにならない気がするのは気のせいだろうか?これは、もっと情報収集して要確認な情報だな。さっきまでの大まかな話からするとここ数百年ほど拮抗状態がずっと続いていたのに還ったって伝承は、おかしいジャマイカ。怪しさ大爆発である。しかもめでたしめでたし的な話のまとめ方だけど、そういう話にしないといけないてきな裏の事情があるような気もしないでもない。現在も魔族と人間が戦いを続けていての状況と無事に魔族の魔方陣から帰ったって矛盾ないか?怪しさが顔に出ていたのか、今まで横にいた大司教のコバックが話をしてきた。


 「その事はわが教会の聖書にも書かれております。聖書の中のいくつかの英雄伝の中に書かれているので間違いはありません。」

 宗教的なお話は苦手だが、これはひとつの情報としての判断でいいのだろう。日本人はひとつの神を信じるものではないので、なんせ八百万やおろずの神って言うくらいだからね。ひとつの神の英雄伝情報を信じる訳にはいかんのだよ。まあ、そんなお約束名英雄伝が残っているというのも眉唾ものですが、多少は精神的な安心を得る為の情報と思うことにする。だって疑ったら帰れない確定じゃないですか。


 「そうですか。分かりました。所でそのなんといいますか、戦いや魔法というものに余り馴染みがないのですが・・・。」


 「ほう、そうなのですか?」

 ハイランドが興味深そうな目の輝きをしながら返事をする。ハジメのいる世界に興味があるのだろう。まあ、話す事はないだろう。色々ばれてしまうだろうし・・・。


 「はい。」

 はっきりと自分は一般市民で、営業や店舗マネージメントしか出来ないなんて絶対に言えないな。戦いって何ですか世代ですよ?勇者として召還されてただの人ですって自分から言えない。まあ、きっと何かしらのお約束パワーがあるはずだろうし・・・。ある程度の教育や訓練がないと魔王どころか、一兵卒にやられちゃうよ!さっき回りにいた兵士にも勝てない自信はあるよ!ハジメは思わず叫びたくなった。


 「過去の勇者達は、強大な魔力や驚異的な身体能力を持っていたと伝えられています。もちろんある程度の訓練や実践を積まれて魔族との戦いをされていったということですので、ハジメ様にも同じ様にしていただくことになるでしょう。」

 ハイランドが過去の伝承から補足をしてくれた。一安心だ。やっぱ初期教育重要ですよ。


 「魔法の素質などは当大神殿で判別できます。魔法などの修練もそうですな。身体能力は騎士団の方で鍛えられるという形ですな。」

 と、コバックが補足説明をしてくれる。おお!魔法!ついにきた!お約束なスキル!夢の能力!ビバ、ファンタジー!俺TUeeeeになればいいな。


 「よろしいですかな?」

 かなり脳内アドレナリン放出満載中でどこかにいってるハジメに心配そうにハイランドが声をかけてくる。


 「あ、はい。大丈夫です。大まかなことは分かりました。」

 まあ、色々チェックしてからどうしていくかを決めないといけないな。


 「それでは、まずは身の回りの装備などを用意させますのでもうしばらくお待ちください。後ほど食事もお持ちいたします。」

 そう、ハイランドがいい、コバックと共に部屋から退出していった。


 まあ、それ以外の質問があれば、また後ほどきけばいいだろう。とりあえずはこの時間を使って落ち着かないとな。





 - * - * - * - * - * - * - * - * - * - * - * - * - * - * -

ホーランド城内にて


 「それで、勇者の様子はどうだ?」


 「はっ、比較的落ち着いているようです。現状の確認について、送還について、自分の力などについてなどの質問をされておりました。」


 「そうか。わが国の領土拡大と繁栄の為にも頑張ってもらわねばいかぬからな。しっかりとサポートするのだ。過去の王達が勇者によって手に入れた栄華と富を世も欲しておるのだ。」


 「かしこまりました。誠に、勇者さまさまですから・・・。」


 「して各国は気づいているのか?」


 「今の所、2カ国は大丈夫でござりまする。魔道国家が動いてはいるようですが・・・。魔族は今の所、各国静観の構えのようです。」

 どこからともなく低い声が響いてきた。


 「そうか。魔道国家に対してはもう少し情報収集をせよ。」


 「はっ。」

 人の気配が遠くに去っていく。


 「相変わらず姿を見せぬのですな。」


 「あれは、そういうものだと思え。それよりも勇者の力の見極めを早くせよ。」

 苦笑を含めながら次の指示を出す。


 「はっ。食事の中に判定薬を入れておりますので、すぐにも効果が出てくるでしょう。」


 「ふむ、余がコントロールできる力だといいのだが・・・。」


 「制約を兼ねた契約をそれとなく交わす方向で考えておりまする。」


 「それは大神殿の神の力に任せよう。」


 「うまく駒になるよう誘導いたしまする。」


 「頼むぞ、ハイランド。」


 「はっ!ロイエン帝国の為に!」



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