Bの襲来
「今日こそおまえを終わらせてやるよ!」
「はあ、またおまえか、文芸部員B。」
「そう呼ぶのはやめろって何度言ったらわかるんだ!俺には佐藤太郎っていうすんげぇカッチョイイ名前があるんだよー!」
「えー、その名前で呼ぶのめんどくさいんだよ、だからおまえは文芸部員Bな。」
「いやいや、そっちのほうが断然超絶全宇宙的にめんどくせぇだろ!」
あーあ、今日は見たいアニメがあるから早く帰らなきゃならないのにコイツのせいで遅れそうだ。
「あー、言いたいことはよくわかった。だから、いい加減にトイレの入口塞いで通せんぼするのやめてくれや。みんなの迷惑になるだろ?」
「ふっ、おまえ以外の生徒など眼中にない。」
それはそれで問題だろ。
仕方ない、こんなことはしたくなかったがあの手を行使させてもらう。
「あっ!かおるんがヤンキーに絡まれてる。」
「何だと!どこだ?早く言え!」
「あそこ」
俺は適当に遠くを指さした。
「あそこか!よーし待っててねかおるん、僕が今助けに行くよー」
そう言って奴は新幹線の如く走って行った。
さてと、帰るか。俺は足早に校舎を去った。
「くそっ!騙された。奴め、俺を騙すとはなかなかやるな。」
アイツは単純だよな。いつもあの手に引っ掛かりやがる。少しは学習しやがれ。ちなみにかおるんとは学校のアイドル的存在の愛称である。
おっと、自己紹介が遅れたな。俺は夏目龍介、嫌いな物は小説。以上。
あ、あれはかおるんだ。まさか本当に会うとは。20メートルくらい先に三人の男といる。
んっ、よく見ると三人のヤンキーを土下座させて何か言ってるようだ。
見なかったことにしよう。
続く