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エピソード・1 魔女狩り

 第14旅団 第50普通科連隊は魔女の山で、第一特殊テロ対策部隊とは別に魔女の討伐に出向いていた。しかし彼らは、第一特殊テロ対策部隊の機密を守るために派遣(表向きには、彼らが魔女を倒したことにするため)されたのだ。

 当然このことを知らない隊員たちは意気揚々と、魔女探しを行なっていた。



「作戦通りやと、ここに一中隊くるで?

もうちょい下の山道やと、ラヴ(軽装甲機動車)乗っとる三中隊おるから・・・

リーダーはん、はよ登らんとばれますよ?」


 拝島三尉は地図を見つつ、下を眺めながら言った。

軽装甲機動車一両に、数人の隊員が集まって攻撃に備えている、おそらく軽装甲機動車は盾だろう。

ここに来ているのは、三中隊の班(分隊)だと思う。

土方二尉はそう思い、上の方を見ると


「わかった。

ただ、目標マジックジェノサイダー遭遇の危険が考えられる。

部隊の全滅を避けるため、四班は迂回しろ。俺たちはまっすぐ進む」


 こうして、土方率いる一班は険しい山道を登ることとなった。

山を登ること数分。携帯用端末を見ていた三島が


「隊長 ハーバリアンシーフ(敵)20出現」


と報告。

 

「ハーバリアンシーフか・・・

位置は?」


 土方が三島に聞いた。


「位置17《ひとなな》(五時の方向)

一中隊と接触します」



 ガサッ!ガサガサ!


「止まれ!誰か!」


 隊員は小銃を音のした方に向けた。

その瞬間・・・


 ズッ・・・


「う・・・」


 簡易な鎧を身にまとい槍で武装した集団が現れ、隊員一人を刺し殺した。


「撃てぇーー!」


 隊長の命令に第50普通科連隊 第一中隊の一個班も、反撃に出る。


パン!パンパンパーン!

パタタタタ・・・


 体制を整え、徐々に追い詰めていく。

そして残りひとりにまでになった。その兵士は


「待っ・・・待ってぇぇぇ!

もう何もしないから!許してよぉ!」


涙目になって許しを請うのは、15歳くらいのエルフ少女だった。意外にも日本語を話す。

槍には血がついていない、殺してはいないようだ。隊長は


「銃をおろせ

武装解除させろ。」


 隊員は槍と鎧を外し、水筒を渡した。

少女は震えながらも水筒を受け取り、こっちを見つめてくる。

 隊員は少女の耳を凝視した。


「ねや、あんたエルフかいな?ざまに耳なげぇ(なぁ、あんたエルフかい?本当に耳が長い)」


 隊員にいきなりそう言われ、なおさら恐怖感が込上がってきた。


「無駄話してる場合か!!

「一旦本部まで下がるぞ!急げ!」

「了解!」


 隊員が下がろうとした時


「う・・・あ・・・」


 隊員一人がいきなり、光でできた剣に刺された。


「!」


 現れたのは・・・


「こちら03!

マジックジェノサイダー02を確認!

魔女とコンタクト!」


 魔女だ


「くすくすくす・・・

さぁーて、誰から殺ろうかしら」


「応戦開始!うてぇ!」



 第1特殊テロ対策部隊にもこの情報がもたらされた。


パタタタ・・・パタタタタタタタ・・・・・・


 銃声がする


「こちら一班

魔女抹殺のため、17へ向かう

一班、戦闘用意」


 土方二尉は一班を連れ、魔女のいるところに行った。




「あら、日本はまだ抵抗してらっしゃるようで・・・」


 ヨーロッパ貴族風のドレスを着た女性が、水晶玉を覗いていた。

宮殿の中、貴族と思われる人たちが食事をしながら、誰もが水晶玉を見ている。

この水晶玉に映っているのは、魔女と戦闘している自衛隊の様子だった。


「私は、魔女に2デナリウスかけるよ」

「私も魔女に3デナリウス」


 貴族らは次々に、魔女に自分の金かけた。

しかし一人の女性は


「あら・・・いいのかしら?

わたしは、ジエータイに6デナリウスかけるわ」


と言った。

これを聞いた貴族らは


「ハハハ!何を言ってるのだね?ベネティクトゥル。

ジエータイは魔法が使えない、魔力の高い魔女にかなうはず等ないのだ

かけ上手の君も落ちたものだな」


 鼻で笑われたが、彼女は


「いいわ

今のうちに笑っときなさい。

最後に笑うのは、この私よ。」


にやりと不気味に笑うと、ぶどう酒を飲んだ。

 ぶどう酒と同じ色の彼女の水晶玉には、第一特殊テロ対策部隊の一班 土方守 三等陸尉の姿が映っていた。


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