エピソード・ゼロ プロローグ
2009年3月から2013年6月にかけて急速に世界が変わっていた。
科学文明のみとされる現世に、人類の亜種が突如発見されたのだ。それ以降、彼らの魔術を中心とする文明が現世に持ち込まれていき、世界各国を侵食し始めた。
さらに魔法は人類でも簡単に扱えるので、すぐに世界中に広まった結果、2013年6月頃には日本含む少数の国家を除き、ほとんどの国家が彼らに飲み込まれてしまう。
国内では100以上の魔術組織があらわれた他、魔術を利用し日本を攻撃するマジックジェノサイダーが出現した。
自体を重く見た日本政府は、防衛省に新たな対テロ部隊の編成を要求してきた。
これを受け、政府が表向きには否定することまた、隠蔽することでほとんどの人に知られることなく部隊編成に成功。
こうして極秘に誕生したのが武装ゲリラから、マジックジェノサイダーまで対応できる部隊
第一特殊テロ対策部隊
略称 STMU
人員 350名(内戦闘要員 124名)
特に第一中隊は、魔術の使用ができる隊員で構成されている。また、使用する武器の中に日本刀 剣
杖 等の格闘、魔術系のものも含まれているのも特徴的だろう。
今回はこの第一中隊の中で最精鋭を誇る一班を中心に、本編を進めていきたいと思う。
魔女が住まう山。
黄昏時が近づくと出没し、この山を歩くものを殺すのが生きがいという、狂った魔女がいた。
既に被害者が出ているので、第一特殊テロ対策部隊 第一中隊の一班 第二中隊の四班がこの山で、魔女を抹殺すべく派遣された。
実は、第50普通科連隊もこの山に派遣されているらしく、彼らの支援も任務の内の一つだった。
第一特殊テロ対策部隊 第一中隊 一班は戦場に向かうべく第二中隊の四班と共に、96式装輪装甲車で移動していた。
「なぁ、三島
魔女の写真見ると、想像してたのと違うねんなぁ。
なんか・・・こう、魔●沙みたいな奴やおもてたけど・・・」
一班の三島慎也 三等陸尉に話しかけたのは同じく一班所属、拝島菜穂子三等陸尉だ。
彼女は主に、攻撃魔法を使うが何より魅力なのが、狙撃力。
一応全員狙撃能力は高いが、この所がもっともズバ抜けている。だから、いつもは彼女が狙撃を担当。
そんな彼女は、普段はムードメーカーだが時としてKYだと思われてしまうところがあった。関西弁を使う。
一方で何も言わず、冷たいオーラ放つ2人いた。
片方は今作の主人公であり、一班のリーダー土方守二等陸尉
かなりのクールかつシャイ。指揮官としてのスキルや射撃能力は、とても高いが、その反面格闘が苦手である。
もう一人は谷村氷二等陸尉
一班の副リーダーでWAC隊員、極度のツンデレ
格闘は、中隊一だ。しかし、短距離走が致命的なほど遅く、一班でいつもビリ。
さらに話しかけられた、三島慎也 三尉
中隊最強の草食系男子
回復系の魔法を使用。筋肉がつきやすく、最初はガリガリだったものの、教育隊を出る頃にはすっかりマッチョと化していたという。
・・・話を戻そう。
魔女の容姿は美しいが、服がボロボロで見窄らしい格好をしている。
さっき拝島三尉が、イメージとは違うなと言っていたのはこのことである。
しかし三島三尉は平然と
「そうかぁ?」
聞き返す。
そうこうしているうちに、
「拝島、三島そろそろ着くぞ。
降車したら、一言も話すなよ」
言い終えるとともに、96式装輪装甲車が止まったので、土方二尉は続けて
「降車!
全員戦闘態勢!
降車後しばらく周囲を警戒しろ」
土方二尉の命令の下、隊員たちは89式小銃を持ち96式装輪装甲車から降りた。
いよいよ戦場についたのだ。
今から本格的な〝魔女狩り"が行われることとなる・・・