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「例えば?」「見つかると良いね」

「例えば?」


俺[雨森弥太郎]は女子高生の詰問中にある。

発端は以前派遣されていた丼屋に行った事。

親しくなった定員や常連との再会、そして丼をまた味わいたかったという些細な気持ちだった。

それがどうだ、店につくやいなやアルバイトの子に迫られている。


「そうだなぁ・・・俺は自信を持っている人が好きかな。何か一つでも誇りに思っているとか」


そう、何故かこの俺の詰問内容は『好きな女性のタイプ』なのである。

別段この子と親しくした覚えはなく、

しいて言えば一度俺が彼女の為にまかないを作った事があるくらいだ。


「ふーん。モーリーは外見より中身が大事って事か」

「いやいや、外見も大事だ。せめて俺の女装姿よりは綺麗でないと・・・」

「あはは、何それ」


何故か俺は彼女に笑われながら背中を叩かれている。

俺の女装姿・・・だめか?


「というか、好きな人でもできた?俺はそういうのあまり経験ないけど相談くらいのるよ。

 一応男として意見できるかもしれないし、俺の仕事は【何でも屋】だから」


彼女は俺の言葉を聞くなり叩くのをやめて、はにかんだ。

てか、彼女は少し俺を叩きすぎたのか手が赤くなっている。

そして俺は背中に今も鈍い痛みを覚えている・・・オィオィ。


「できたというか、見つかりそうな感じなんだ」


こういう話をする時、誰でも幸せそうに話をする。

好きになられる立場と、好きになる立場、彼女は好きになる立場を選び、希望を見る。


「見つかると良いね」



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