「まぁ聞け」「驚いた」
「まぁ聞け」
俺[雨森弥太郎]は丼専門店で1ヶ月の勤めを果たした後、
[五反田壇]の元で使い走りの役目を負っている。
[ダ・ダン]から様々な役目を聞かされているのだが、何度も念を押して「聞け」と言われる。
まるでテストにここの問題が出ますよ、と言わんばかりである。
「とまぁ、この様な雑務をお前にはこなしてもらう。
それで、話は変わるが、これを社長から預かっている」
事務的に茶封筒をデスクから取り出すと、[ダ・ダン]は素早く俺に差し出す。
「この間の丼屋での活躍におけるボーナスだそうだ」
俺は信じられなかった。
[ダ・ダン]の差し出している茶封筒の厚さは100万程度の分厚さなのだ。
俺は恐る恐る封筒を受け取ると礼を弁えずに好奇心から、ついその場で封を切ってしまった。
[ダ・ダン]に不快な顔で見られ(口と頬)、
慌ててその場を失礼し、自分のデスクに戻って再び封を開ける。
すると、中には1万円を模した板チョコが3枚と、メモ用紙が1枚入っていた。
『そういえば[モーリー]の入社前にバレンタインデイがあったな。
今年の分の義理チョコが余っていたので、まだあげてない[モーリー]にやる。
ホワイトデイも過ぎてはいるが、お前に任せる。以上』
いやいやいやいや、この時期に300円分のチョコで私に貢がせようと言うのですか社長。
季節外れのこの時期にボーナスと言う口実でこんな事とは・・・
「驚いた」