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「殺すんだ」「なんて男だ」

「殺すんだ」


社内のソファーで横になって寝ていた俺は、静かに殺気を放つ怒声で目を覚ました。


「社長、今殺すのは時期尚早だと思われます。利用価値があるうちは生かしておくべきかと」


社長[八王寺芽衣]に意見する者は[五反田壇]という秘書役の男だ。

黒スーツに仮面舞踏会で使う様な仮面を常に着けていて、[ダ・ダン]という異名を持つらしい。

雰囲気のせいで社長から一方的にそう呼ばれている様で、特に生い立ちや服装等との関係は無いと思われる。

異名というよりあだ名と言う方があってる気もするが、『独裁社にダ・ダンあり』と他社に名が通っているのが謎だ。


「ダダン、私は殺せと言っている」

「しかし」

「ダッダーン」


成人男性の様な低いだけの声ではなく、畏怖と艶かしさをも感じる声音でプレッシャーがかけられていく。


「では・・・時期を見て『殺す』、という事でどうでしょうか」


無限に感じられる重い静寂の一瞬、片方の唇を吊り上げて社長は楽しそうな声を密かに漏らした。


「ダ・ダンのそう言う所は嫌いではないな、この件はお前に任せる事にする」


奴隷の様な新入社員の俺とは全く違う男、[ダ・ダン]―――。


「なんて男だ」



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