本当の気持ち
遠い所から幸せを願うの王子様版です。
彼女の手を取り逃げたかった。誰よりも好きで誰よりも大切に思っていた。ずっと一緒にいて私が守るんだって幼い頃から思っていた。
ある日陛下に呼ばれ行くと、大国へ行って欲しいと。先日行ってきたばかりなのに?不思議に思うと私宛に婿入りの話が来たからって。行った時に見初められたらしい。
フローラ嬢がいるのはわかっているが敗戦国のため断れない、あの日行かせなければ良かったと。私に伝えてる両陛下が泣きそうだ。フローラの事は2人も家族のように接していた。私達の行く末を考えてくれているのだろう。わかりましたと返事する。本当に申し訳無いと両親に頭を下げられた。
2週間後には迎えがきてしまう。もうフローラに会えない。もうすぐ婚姻だと思っていたのが延期になり解消されてしまった。あの子は優しい子だから誰の事も責めず私を気遣ってくれるだろう。もう手が届かない慰めてあげられない。私には王族としての責務がある。手紙を書く事もプレゼントを送る事ももう2度と出来ない。
あの日からあまり眠れない。どうしても目が覚めてしまう。フローラが心配だ。今日父上が城にフローラを呼んでいると聞いている。会って嘘だよ、もうすぐ結婚式だよって言ってあげたい。幸せにするって約束したのに。
部屋から廊下を見ているとフローラだ。フローラと目が合う。一緒に逃げようって言いたい。大好きなのはフローラだけだよって。彼女はいつも私を見ると微笑んでくれる。今も一瞬微笑みかけたが辞めた様に見える。フローラが決意したように微笑み歩き出す。きっと一緒に逃げようって言うと幻滅されてしまうね。
私も皇女様を愛する努力をしよう。フローラを幸せに出来なかった分、幸せにしよう。どんな方かは分からないが長い人生共に歩める様に話をしよう。今までフローラとしてきた様に。
見送りの時、彼女の両親から1輪の鈴蘭を貰った。幸せを願ってくれている。こんな結末になるとは思っていなかったが一緒にいた時間はとても大切だった。フローラの幸せを祈る。
皇女様は婚約者がいる事を知らなかったみたいで、とても後悔しているとこっそり両親から伝えられた。大事にすると言ってくれていると。
共に馬車に乗り込み何が好きですか?て聞いてくれた。これからいくらでも歩み寄れそうだ。家族とフローラの幸せを願いつつ、自分の幸せを誓う。




