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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

私は猫!名前は■■■■ク!

作者: 天海帝海
掲載日:2025/10/31

みなさま猫は好きですか?

私は猫が大好きです

小さい頃は好奇心旺盛で興味が惹かれたものには全力で楽しむあの無邪気さがたまらないですよね

これはそんな猫好きの皆さんに読んでもらいたいファンタジー寄りのコメディ短編小説となっております

深く考えずに楽しんでもらえると幸いです。

「それじゃあ■■■■ク、仕事行ってくるからね、いい子でお留守番してるんだよ」


私の大好きなご主人

決まった日に決まった時間『仕事』というものに行っている

でも楽しくないのかいつもやつれた顔で帰ってくる

しかしご主人は私を見るなり笑顔になって抱きしめてくる

私はそんなご主人が大好きだ!

でも今日は仕事から帰ってきたご主人が私を見ても笑顔にならない

何かあったのだろうか?

いつもなら私を見るなり「■■■■クちゅわーん!遅くなってごめんなちゃいねー!」と私を一頻り撫でまわしてからご飯を出してくれるのだけど、今日は私を見ても声ひとつ発さないし、なんか睨みつけてきた

それよりも何かブツブツ言ってるのが聞こえる

私は耳がいいためその小さい声もはっきり聴き取れるのだ

「これはどう使うんだ?」「これで謎が解明できるかも」「猫って頭いいのかな」などが聞き取れる、他にも何か言っているんだけど途切れ途切れに喋っていて何を言っているのかまでは理解できなかった

多分仕事とやらでたくさん疲れたのだろう、明日からは私が仕事について行ってご主人を癒してあげようと思う!ついでに仕事ってやつを懲らしめてやろう!


そして翌日…


「はぁ…なんなんだ全く…」バタンッ

…何故だ、何故私は仕事に行ってはいけないのだ!

ご主人の後について外に出ようとしたらすごい速さで捕まえられて中に戻された!びっくりした!

あとなんか怒られた!「外にでちゃダメ!」って怒られた!なんでだ!

私はただご主人をこんなに疲れさせた仕事とやらを懲らしめてやろうとしただけなのに!

私はご主人を守ろうとしただけなのに!

フンだ!もう私はご主人が仕事から帰ってきても出迎えてやらんもん!フンだ!!



みなさん初めまして、僕は阿部春彦、■■■■クのご主人…簡単に言えば飼い主です。

この頃■■■■クの様子が少し奇妙で、まるで僕の言葉を理解しているかのように行動します。

ある日、僕の気まぐれで時計の話をしたら本当に理解したかのように時計の方をじっと見つめて、7時半になった途端にご飯をねだってきたんです。

朝の7時半は確かにご飯の時間ですが、時計を教える前は7〜8時の間、時には7時前にはご飯をねだって来ることがありました。

それが今では7時半ちょうどにご飯を求めて僕の足元へ来てスリスリにゃーにゃーして来ます。

本当に理解をしているのか、はたまた気まぐれでやってたことが習慣的になってご飯の時間を理解したのか…

そういえば昨日ペットカメラを購入したんです。

僕が■■■■クの行動を奇妙だと確信した出来事が昨日の今日で早速起きました。

僕の仕事が終わるのが21時で、家に着く頃には21時半ほどなのですが…

なんと21時を超えたあたりから時計の方をじっと見つめてほとんど動かないんです。

もしかしたら本当に僕の言葉を理解してるんじゃないかと思い、それならむしろいつもより早く帰って驚かせてやろうと舞い上がってしまい、ろくに周りを確認せずに走り出した。

刹那…身体が十数メートル吹っ飛ぶほどの強い衝撃を受け、僕は地面に叩きつけられた

(あぁ…やってしまった…ごめんよ、今日は家に帰れないや…)

「あぁ…夜のアスファルトってこんなに冷たかったんだな…」

(衝撃で耳が聞こえなくなってしまったのか…静かだな…なぜか安心してしまう)

意識が…遠…



ご主人遅いなぁ…

いつもならもう帰ってくる頃なのになぁ…

ご主人が前に言ってたんだ

「あの丸いのは時計と言って、僕はあの短い針が左を刺して、長い針が下を刺すくらいに家につくんだよ〜」と

でも今日は遅い

あの短い針と長い針が上で重なっている

お腹すいたなぁ…


私が悪いのかな、今日の朝ご主人に迷惑をかけてしまったから…

すっごい怒ってたしなぁ

家を出る時「全く、朝から余計な体力使わせんなよ」って言ってたなぁ…

あぁ…私は嫌われてしまったんだ…

だからご主人は帰ってこないんだ…

帰りが遅い日は過去に何度かあったが、今日はそれよりもかなり遅い…心配だ…


春彦さん、阿部春彦さーん

誰かが僕を呼んでいる…

「阿部春彦さん!起きてください!まさか天国に来てまだ意識が朦朧としてるなんて、あなた一体どれほどの衝撃を受けたのですか?」

何を言っているんだ…?ここは…どこだ?それに今『天国』と言わなかったか?病院じゃなくて?

「春彦さん?ありゃ、まだ意識がはっきりしてませんねぇ…ここまで重症な人、500年以上天使やってる僕も初めてですよ」

天使?天使ってあの天使か?

冗談はよしてくれ…

はぁ…僕は悪い夢でも見てるのだろうか、確かに僕は不注意で赤信号の交差点に飛び出してトラックに轢かれた、でもまさかあれだけで死ぬのか?

誰かが救急車を呼んでくれているだろうし…?

いや、夢にしては意識がハッキリしすぎている、これが所謂明晰夢と言うやつか?

天使

「阿部さーん、深く考えてるところ申し訳ありませんが、あなたは死にました!夢じゃありません現実です!あなたは、死!に!ま!し!た!!」


(あ、どうやら僕は本当に死んだらしい…なんか天使の吹き出しに天使ってわざわざ書かれてるし…いや漫画かよおい)


春彦

「よく見たら羽とか生えてるし頭に輪っかもある、本当に天使なんですね。それで、ここは本当に天国なんですか?」

天使

「だから何度も言ってるじゃないですか、天国ですよ。あなたは轢き逃げに遭って残念なことに死んでしまいました。」

春彦

「轢き逃げったって、通行人が救急車くらい呼んでくれてるんじゃないですか?」

天使

「残念ですが、あなたが轢かれたのは人気の少ない道の交差点でした。音が聞こえなかったのは耳が聞こえなくなったのではなく、周りに人がいなかったからなんです。」

春彦

「そうだったのか…通りでやけに静かだと思った…アスファルトの冷たさを感じられるほどにはゆっくりと最後の時間を過ごしていたんだな。」

天使

「えぇ、やっと理解してくれましたか。全く、死神に連れられて天への階段を登ったのも覚えてないのですか?」

春彦

「確かそんな感じの夢を見たような気がします。つまりあれも現実だったのか…そういや死神って人間と大差ないんですね、鎌とかも持ってなかったし。」

天使

「そりゃ最近はコンプライアンスとか色々ありますからね、天国も厳しくなってるんですよ。というかそんな話は今はいいんです!そんなことよりも、あなたもしかして猫を飼ってませんでしたか?」

春彦

「猫ですか?はい、確かに飼ってますが…それがどうかし…そうだ!猫!家でひとりぼっちなんだ!」

天使

「落ち着いてください、なぜ今僕が突然猫の話を持ち出したか、今のあなたならわかるはずですよ?」

春彦

「あっ…そうか…あの子も…」

天使

「えぇ、理解が早くて助かります。そしてその猫が今あなたの足元にいます。」

春彦

「!?」

「にゃーぉ!」

春彦

「ぁ…あっ…阿部リンドブルム・スラッと・クレイジーキャット!」

1人と1匹

「!!?」

天使

「えっちょ…ちょっと待ってください!?なんて?!あべりんどぶるむ…なんて?」

春彦

「阿部リンドブルム・スラッと・クレイジーキャットです。」

「まってマッテ待ってmatte!えっ?!私の名前長くね?!なんかもっと短くなかったくね!?5文字くらいじゃなかったくね!?せっかく会えて嬉しくて涙まで流したのに感情が渋滞してるにゃーよ!!」

春彦

「え?お前喋れるのか!?阿部リンドブルム・スラッと・クレイジーキャット!やっぱりお前は天才だな!」

阿部リンドブルム(以下略)

「今その反応しなくていいから!私の問いに答えて!私ってもっと短い名前だったよねぇ!?あぁ反映されてる!私の名前が猫じゃなくなってる!しかも以下略とかもっと嫌だ!」

春彦

「あーうん、気に入ってたんだけど毎回フルで呼ぶのめんどくさかったから、略して『アベリスク』って呼んでた。」

阿部リンドブルム(以下略)

「えぇ…自分でつけといてめんどくさいって…私のご主人ってこんなに変な人だったのか…」

天使

「アベリスク…なんか面白いので猫さんの天国での正式な名前は『アベリスクの巨ネコ兵』で登録しときますね。」

アベリスクの巨ネコ兵

「嫌だよ?!あーだめだもう登録されちゃってる!名前のとこアベリスクの巨ネコ兵になってる!さっきの長いふざけたフルネームよりはマシかもだけどこれはこれでなんか嫌だ…」

天使

「冗談ですよ、アベリスクで完全に固定させていただきますね、あまりふざけると私が閻魔様に怒られるので。」

アベリスク

「全く…まぁこれなら短いし呼ばれ慣れてるのでいいですが…ご主人、私も流石にびっくりしましたよ?」

春彦

「えー?かっこいいのになぁ…あっ、そう言えば天使さん。阿部リンd…アベリスクのことについて一つ相談なんですが」

天使

「なんですか?」

春彦

「アベリスクとこれからも天国で一緒に暮らすことって可能ですか?」

アベリスク

「ご主人…」

天使

「はい。もちろん可能です。というかむしろそうしてくれないと困ります。あなたは生前特に悪事も働いてませんし、両親よりも後に亡くなっているので親不孝にも値しません。なので地獄に堕ちることはありませんでした。」

春彦

「ほぇー、ちなみに地獄に堕ちる時ってどんな感じなんですか?」

天使

「天へと昇る階段を歩いてる途中に突然底が抜けたように真っ逆様に下へ落ちていきます。僕も過去に何度か見てますが、落ちていく亡者たちの断末魔でその恐怖が伝わってきましたよ。」

春彦

「うへぇ……あっそう言えばもう一つ疑問点があるんですが…なんか、なんというか、足りなくないですか?」

天使

「何がですか?」

春彦

「その…ナレーション、というか…会話以外の文章が…

天使

「そりゃそうですよ。今こうして現在進行形で2人と1匹で会話してるんですから、文章を考える作者さんだって休ませてあげないとですよ。」

春彦&アベリスク

(メタいなぁ…)

天使

「何はともあれ、あなた達の物語はこれにて終了となります。長い間お疲れ様でした。あなた達の新しい家は…春彦さんの記憶を頼りに道を進んでいただければいずれ辿り着きますよ。あなた達の過ごした思い出の家へ…」


春彦

「天使さん、本当に色々とありがとうございました。それじゃあアベリスク、お家へ帰ろっか!」

アベリスク

「にゃぁん」


天使

お幸せに

こうして1人と1匹の物語は終わりを迎えましたとさ…

めでたしめでたし





「あっあの天使がナレーションさんだったのね」

「ん?アベリスク、なんかいった?」


アベリスク

「にゃーん!」

最後までお読みいただきありがとうございました。

私も過去に猫を飼ってた時期がありました。

もし天国へ行った時にあの時の猫に会えるなら、また一緒にあの時代を過ごしたいなと思っています。

これはそんな私の夢物語をコメディ風に書いたもの。

変な名前を付ければその分すぐに天国で見つけられると思いますが「呼びずらい」という致命的な代償を支払うことになります(笑)

皆さんはあまりふざけた名前をつけない様にしてくださいね(笑)

自分がつけられて嫌な名前は例え飼い猫でもしちゃいけませんよ、ましてや長すぎて略称で呼ばれたら、それこそアベリスクの様に混乱してしまいますよ(笑)

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