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5話 調理中の悪魔と魔法を使う侵入者

「よし、中々の出来栄え」


毎日ツミキの代わりに料理を作る内に、最近料理を作るのが楽しくなって来た。


俺が初めに参考にした料理本に拘らず、ツミキに他の料理本を買って貰いその中で最も作り易いものから順に制覇して行く。


その行為を繰り返し、その結果ツミキの口から今まで一度も美味しいから落としたことは無い。


『ガチ……ガチャ』


扉を開ける音?時計時計……今は陽が落ちた7時前の6時55分か。今日は早……


……見たことねぇ人間の男2名。ツミキの鍵を持っている様子は無し。どうやって扉を開けたかは分からないが……すぅー。


泥棒?!よりにもよって何でここを?!ここには人形しか無いぞ!


ヤベェ……今の俺には魔力が全然貯まってないし、しかもこの姿だと出力が心許ない。単純な攻撃の魔法だと、犬一匹追い払うのだけで精一杯だ。


「この人間の世で、価値ありし物の位置を示せ」


あ、あの泥棒……今の魔法詠唱か?魔法……魔法使い……魔法使いか!そうか、魔法で鍵を開けて入って来たのか!


こうなるとますます勝てる可能性が低くなって来た。


しかもあの泥棒。今使った魔法は対象の物を探す魔法じゃねぇか!しかも対象は恐らく金銭の類い。その証拠にツミキが金を入れている棚に一点の光が灯ってやがる。


もう1人の人間は分からねぇが、魔法が使えるのに随分コスいことをしやがるな……


「やっぱりここには魔力の残滓が満ちていますね。アニキ、予想じゃかなりの力を持つ魔法使いの住居。これは期待できますぜ」


……こ、こいつ等……俺が使った魔法の残滓に引き寄せられたのか。となると原因は俺に……いやいや、俺は悪くない。泥棒をするあいつ等が悪い。


と、兎に角、あの泥棒共を何とかしなければ……


もしツミキの私物が持ち去られたら、ツミキのヤツは悲しむだろうし……寝室にある人形に何かあれば、ツミキがどんな反応をするのかは想像に難くない。


しかも急いで中止したから調理工程がまだまだ全然終わってねぇんだよ!あぁ!!冷めるー!怖ぇー!ツミキは料理が不味くても絶対ベタやさで構って来そうでキモ怖ぇー!


……な?!泥棒の1人が……き、消えた?!一体どこに――


「ぐがっ!」


こ、こいつ……俺の存在に気付いてやがったのか。クソッ!壁に押し付けられて、動けねぇ……


「分かる。分かるんだよなぁ。魔力……視線の気配。そりゃあそうだよなぁ?そりゃあ魔法使いの住居には使い魔くらいはいるもんなぁ?」


使い魔……使い魔だと?!俺は使い魔なんかじゃないぞ!……下手に言うと殺られそうで言えねえが。


「命が惜しくば言え。ここにある魔法関連の物全ての隠し場所を吐け。こんだけ魔力が満ちてんだ。最低でも1つや2つあるだろ?」


無ぇよそんなもん!強いて言うならあの西洋人形だが、今はもう普通の人形だ!


「デーモ!」


ツミキ!やっと来た。だ、だが……こいつ等は魔法使い!一般人を放り込んだ所で返り討ちに合うのが目に見える。


「あなた達は何者?!デーモになにをしてるの!」

「ツミキ!来るな!こいつ等は魔法を使う!逃げろ!」


「チッ……家主が来ちまったか。だが、使い魔の反応的に、あれは魔法使いでは無いな」


バレた。いいから俺のことは無視して逃げろ!ツミキ!ここよりも人が多いとこに行けば、厄介事を恐れてこいつ等は手が出せないはずだ!


「魔法……そうなんだ。ただの泥棒じゃないなら……遠慮は要らないよね」


な、何を言ってんだ……ツミキのヤツ……


「風よ猛れ!」


お、俺が……風に攫われてツミキの手に戻った……間違い無い、今のは魔法……!


「ツミキ……今のって……」


「日常生活では封印してたけど、昔はお爺に良く仕込まれてたからね。昔と比べたら腕は落ちたけど、まだまだ現役!」


そうか……キサラギの魔法は、ツミキに受け継がれているのか。


「やはり魔法使い……しかも今のはかなりの練度!2人でかかるぞ!」

「了解ですぜアニキ!」


武器を持ち魔法を唱えツミキに襲い掛かろうと泥棒共が迫って来た。


「人の形よ。意思を持って、動いて」


ツ、ツ……ツミキが持っている白いレジ袋に入っていた人形が勝手に動き、泥棒共を部屋の奥まで殴り飛ばした。


そして泥棒共が反応する暇も無く、間髪入れずに人形があの手この手でボコしている……


しかも寝室の人形達が扉を開いて合流して、更にボコボコにボコっている……


強ぇ……あの数を同時に操作し扱うなんて……下手したら全盛期の俺より強ぇ。こんなに強かったのか、ツミキは……




ほどなくして、魔法を使う泥棒2人は人形軍団に無事鎮圧され、全身痣だらけでボロボロで気絶した要救助者ができあがった。泥棒だから可哀想とは思わないが……見ているだけでかなり痛々しかった。


人形を元の位置に戻したツミキが、すまほ?とか言う通話装置を起動し、何処かに通話を掛けて数十秒の会話を終えた。


「ツミキ……どこに電話してんだ?」


「魔法協会。お爺くらいの世代に封印されたデーモは知らなかったけ?魔法に関することを色々と統括してる組織のことだよ。この泥棒達は魔法使いでしょ?なら魔法協会に渡さないと新たな被害が出るかもだし」


確かに……こんな奴らを普通の警察に任せる訳にもいかないな……

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