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アジルウエスト公国(+近隣諸国)シリーズ

当て馬を選択した私はトゥルー・エンドを望まない

作者: あや乃

「実は私もずっと前からあなたのことを……」

「本当ですか……嬉しい」


 想いが通じ合い互いに手を取り合う伯爵令嬢と侯爵令息。その姿はまるで物語のヒーローとヒロインそのもの。


 彼女の想いが実を結んで本当に良かった……その様子を涙ぐみながら遠く離れた場所から見守る私、伯爵令嬢ローズマリー・レイモンド。


 今日もまた一組、ヒーローとヒロインが結ばれた。


 彼女の弾けるような笑顔を見ながら、暫く自分のことのように感慨にふけった後、私はそっとその場を後にした。


*****


 その後。私は先ほどの伯爵令嬢と待ち合わせをしていた。顔を合わせるなり彼女が深々とお辞儀をする。


「ローズマリー様、本当にありがとうございました!」

「私はただ近くで見ていただけですから。アシュリー様が頑張られた結果ですわ」

「そんなことありません! ローズマリー様がお側にいてくださらなかったら私、自分の気持ちをお伝えすることも出来ませんでした」

「そう言っていただけると私も嬉しいです」


 お役に立てたのなら、なんて密かに喜んでいると、


「これも全てローズマリー様の当てう……いえ、属性のおかげですわ!」


 途端に、しまった! という顔で慌てて言い直す彼女にそんなこと気にしなくていいのに、と思う。そう、私は周りからこう呼ばれている。


 『当て馬令嬢』


 三大大国の一つと評されるアジルウエスト公国。この国では階級と同列に重要視されているものがある。それは幼少期に付与される『属性』。


 【ヒロイン、ヒーロー、メインキャスト、サブキャラクター、モブ 等】


 付与された属性によっては後の人生に影響が出ることもあるため、上級貴族ほどその属性に重きを置いていた。


 属性付与は生まれた直後から5歳の誕生日までを期限として年1回のタイミングで行われる。基本的に上の階級から順に好きな属性が選べるので、ヒーロー、ヒロインは上級貴族が、サブキャラクター、モブ等は下級貴族や庶民が属することが多い。そのため権力の均衡は保たれている。


 年度毎に数が限られ且つ将来が確約されているヒーローとヒロイン枠は上級貴族間で争奪戦、敗者復活でメインキャストを取り合って、それでも漏れてしまった場合は下級貴族、庶民に混ざって残りの属性を選択することになる。


 生まれた直後に属性を決めてしまう貴族が多い中、出来るだけ条件の良い属性を! と、競争を避けてわざと付与のタイミングを遅らせる親もいる。伯爵令嬢である私は後者だった。

 だが、本来であれば高確率でヒロイン属性を選べる立場でありながら、私は3歳の時響きがカッコいいから、というただそれだけの理由で『当て馬』を選択した。


『私、これがいい!』

『え!!? …………あの、本当にこちらでよろしいのですか?』

『ロジー! パパに選ばせてくれたらパパは生涯ロジーの奴隷だ!! 君が望むなら民衆も権力も国庫だって全て思うがままに動かしてあげるから……頼む!!! ヒロインにしなさい!!!!』

『嫌! 私は当て馬がいいの!! 絶対当て馬にする!!!』

『当て馬……私の可愛いロジーがよりにもよって当て馬……』


 あの時、ヒュッと息を飲んだ神官様と常軌を逸した発言と形相で私に詰め寄るお父様、白目をむいて卒倒したお母様の姿は今でも鮮明に思い出せる。


 【 当 て 馬 】→本命ではないものを比較対象のダミーとして扱う行為やその対象


 シークレット属性として存在するそれは、通常の付与とは一線を画しランダムで振り分けられるギャンブルのような属性。大きな特徴としては以下の2点。


・周囲の恋を成就させるためのカンフル剤としての役割

・ヒーロー、ヒロインと結ばれることは万に一つもない


 当て馬の宿命、それはヒーロー、ヒロインとは決して結ばれないということ。そして当て馬は周囲を結びつけるための存在だということ。


 当て馬にはそこにいるだけで周囲に刺激を与え、想い合う男女を結びつける効果がある。


 例えばヒロインのA令嬢がヒーローのB令息と出会った場合、そのままでも恋愛関係に発展する率は高いが、そこに当て馬が関わることで他のヒロインよりも優位に立てる上に相手には自分を3割増しで魅力的に見せられる付帯効果も付いてくる。そしてその効果は当て馬が高スペックであればあるほど高くなるのだ。


 ただこの属性は普段シークレット扱いなので、自ら選択しない限り付与された本人すら自覚していない場合が多い。


 好きな人が出来ても直ぐ他の人に取られてしまう、それどころか私がライバルと本命の橋渡しをしている!? と感じていたら……別属性の筈の自分が蓋を開けると実は当て馬でした、というパターンも少なくない。


 そう考えると自覚あり+伯爵令嬢の私はまさに【トップ・オブ・当て馬】。


 私が属性の効果に気づいたのは10歳の頃。友人の恋が立て続けに3人実り、それが周りにも広がったのが発端で近くに当て馬がいるのではないかと噂になった。その時、素直に自分の属性を公表したところ、伯爵令嬢の当て馬誕生!? と瞬く間に世間に広まった。


 以降、意中の相手との恋愛成就を目指す令嬢たちから密かに『当て馬令嬢』と呼ばれるようになった私は、想い人との仲を取り持って欲しい! 傍にいるだけでいいから自分の魅力の底上げに力を貸して欲しい! と、同じ階級もしくは上のご令嬢達から拝み倒され、縁結びに尽力する日々を送っていた。


*****


 本日の依頼人、アシュリー伯爵令嬢から両手一杯の手土産を持たされた私はレイモンド伯爵家へと帰宅した。玄関の扉を開けるなり物凄い勢いで何かが私に飛びついてくる。

  

「お帰りなさいっ、お姉様!!!」

「ただいま、ミシェル」


 この世の誰もが魅了されそうなほど愛らしい笑顔を浮かべるのは私の妹、ミシェル・レイモンド。


「お帰りを今か今かとお待ちしていたのよ。さあ、今日の成果を聞かせてちょうだい!」

「私はいつもの様にヒロインとそのお相手の周りをウロウロしていただけよ。ミシェルはいつもその話ばかり聞きたがるのね」

「当たり前じゃない!! 私は乙女ゲームのヘビーユーザー…もといチュートリアル担当としてこの世界のしくみと構成、攻略方法を熟知する使命があるのよ」

「ヘビー……チュート、リアル?」

「あ、こっちの話。それで、今日はどなたの橋渡しをして来られたの??」


 玄関先でぐいぐいモードのミシェル。


「落ち着いてミシェル。ほら、アシュリー嬢から人気カフェの限定商品、アップルカスタードパイをいただいたの。お茶でも飲みながらゆっくりお話しましょう」

「え、これって中々買えない大人気商品の……ええ、そうしましょう! マリー!! 私の部屋にお茶を用意して貰える? あとパイも! 大きく切り分けて欲しいの」


 メイドに指示を出しながら一秒も待てない! とばかりに私を引っ張っていく妹。


 そう、なぜ私がそこまで当て馬について詳しいかというと、自分には前世の記憶があるというミシェルから『当て馬』とはどういうものか、その役割に至るまで懇々と教えられたからだ。


 正直前世云々の下りは意味不明だけれど、彼女の前世知識講座はとても興味深かった。

 

 王族や上級貴族の令息は揃ってヒーロー属性。そう考えるとヒーローとは縁遠い当て馬をわざわざ選ぶ令嬢はいないだろう。あのお父様の常軌を逸した反応も今となってはなるほど、と頷ける。


 せめて妹だけでも! と両親はミシェルが生まれた直後、自分で選択権を持つ前にヒロイン属性を賜った。


 私の属性が功を奏し『当て馬特権』で最初から好きな属性を選ばせて貰えたので、こればかりはローズマリーのお陰だと両親から感謝された。


 ミシェルの部屋に連行された私は、本日のご縁byアシュリー様編の顛末を話した。


「ああ、素晴らしいわお姉様! 積んできた徳も申し分ないし、これで最強の当て馬との未来は約束されたようなものね!!」


 何と当て馬には『ダブルチャンス』があるらしい。


「善良な当て馬はヒーローとの恋に破れたあと、同じ属性の素敵な相手と結ばれるのよ」


「しかも殆どの場合、お相手がヒーローと同等もしくはそれ以上に好物件なパターンが多いの」


 ミシェル曰く、当て馬(男性)はヒーローのように枷やしがらみ、ヒロインを巻き込んで恋の障害を設定しなくて良い分個人の魅力に全振り出来るため、往々にしてヒーローよりも高スペックで人気者であることも多いんだとか。

 

「でも王族の皆様や上級貴族のご令息は間違いなくヒーロー属性よね。そこまで条件を満たした完璧な方がどうして当て馬に甘んじていらっしゃるのかしら?」

「きっと裏事情で属性を選べなかったのよ! 国王陛下の隠し子とか、周囲から身を守るために極秘裏に育てられた公国の秘蔵っ子とか??」

「まあ、それは夢があるわね」

「そうでしょ! あとはお姉様のように自ら当て馬を選択したへんじ……珍しいパターンとか」


 今、変人って言おうとしたわねミシェル。この辺りも話半分に聞いているけれど嬉々として話す妹は可愛くて眼福なので、例え話が全て嘘だったとしてもミシェルの可愛さだけでお釣りがくる。


 それに幼い頃から無意識に人と人との縁を結んできた私にとって当て馬はすっかり日常の一部となっている。馴染んだというか、むしろ人の役に立てることが嬉しいと思えるほどにその役割を受け入れていた。


「でもね、徳はもうMAXまで貯まってるからそろそろ店じまいしてもいいと思うの。誰彼構わず施しまくっていたらご利益が減っちゃうし」

「徳云々はよく分からないけれど確かにそうね」


 頼まれるがままに受け入れていたらアシュリー様で25人目。無意識に結んだ縁も含めると総数50人を超えたのでもう自主的な当て馬は止めようかなと思い始めていた。


*****


「ローズマリー様、私の当て馬になってください!!!」


 そんなある日、出会い頭にとんでもないパワーワードをぶつけられた。


「リリアンナさん、いきなり失礼じゃありませんか!」


 隣にいたミシェルが激高する中、ぼんやりと記憶を巡らせる。彼女は確か……あ、奇跡の男爵令嬢!


「いくら何でも伯爵令嬢であるお姉様に男爵令嬢のあなたが取って良い態度ではありませんわ!」

「いきなりごめんなさい。でも私にはその資格があるのはご存じですよね?」


 本来であれば伯爵(上級)令嬢の私に男爵(下級)令嬢の彼女がこういった申し出をすることは許されていない。

 ただ彼女は男爵令嬢としては非常に稀なヒロイン属性なので、上級貴族との交流も許容されている。


 悪びれる様子もなくふんぞり返るリリアンナさん。


「私は当然の権利を主張しているだけです」

「それにしてもそれ相応の礼儀というものがあるでしょう……先ほどからのあなたの態度、目に余りますわ!」

 

 あ、いけない。このままではミシェルが爆発してしまう。慌てながらも何食わぬ顔で二人の間に割って入る。


「リリアンナ様。お慕いしておられる方がいらっしゃるのですね」

「ちょっとお姉様!」

「そうなんです! 私の想いが成就するように協力して貰えませんか?」

「それは構わないのですが、私は既に50名近くのご令嬢の行く末を見守らせていただきました。流石にお相手の方も不審に思われるのではないでしょうか」


 例えるならば、ヒーローとヒロインは毎回変わるのに当て馬だけいつも一緒……みたいな。


「それなら心配いりませんわ! その方は長く隣国にいらして明日帰国されるんです。ローズマリー様のことなんてご存じありませんから」


 嬉々として失礼な発言を連発するリリアンナさん。あ、そうなんだと思っている横でミシェルが絶句した。


「まさか……あなたシェルブレード公爵令息を狙っているの!?」


 え? 今、何て……?


 信じられない、という表情のミシェルをスルーして饒舌が止まらないリリアンナさん。


「折角ヒロインなんだからより高みを目指すのは当然ですよね。まぁ、当て馬のローズマリー様には分からないでしょうけど」


 ああ、私の横でミシェルが怒りのあまり震えている……


「私、このご縁を絶対に繋げたいんです! 当て馬として私の引き立て役になってくれますよね??」


 今にもリリアンナさんに殴りかかりそうなミシェルを抑えながら笑顔で答える。


「分かりました。私でよろしければ」

 

 爆発寸前のミシェルをなだめたあと、何て偶然なのでしょう……と心の中で呟く。


 リリアンナさんの望むお相手は私が幼い頃から想いを寄せていた公爵令息クリスト・シェルブレード様だったのです。


*****


「あああ腹が立つ……! なんなのあの小娘!!!」

「落ち着いてミシェル」


 どうしよう、レイモンド伯爵家に戻ってからも妹の怒りが収まらない。ちなみにリリアンナさんは私と同い年だから、その理屈でいくとあなたの方が小娘になるのよミシェル。


「お姉様は何でそんなに落ち着いているの!? そもそもあの子がヒロインなのはお姉様のおかげじゃない!!」

「そういえばそうだったわね」


 私が当て馬を授かったあの日。結局最後まで折れない私とお父様はプチ喧嘩をし、上書きされる前にヒロイン属性の授与権を奪い取った私は会場から飛び出した。


 そこで順番を待っていた下級貴族列の一番前に並んでいた家族にその権利を押しつけたのだけれど、どうやらその相手がリリアンナさんだったらしい。逃亡中の私の背後から発狂にも近い歓喜の雄叫びが聞こえたのを覚えている。


 男爵令嬢では絶望的、と言われているヒロイン属性を譲られるという降ってわいた幸運。その事実はあっという間に知れ渡り、リリアンナさんは一躍時の人になった。


 その恩恵で一家は男爵家らしからぬ優遇を受け『奇跡の男爵令嬢』と呼ばれた彼女が年頃になってからは縁談の申し込みも後を絶たなかったと聞く。


 あら、でもそうすると今日の話と辻褄が合わない。


「リリアンナさんは今まで多くの令息達と逢瀬を重ねてらっしゃったわよね。確か幾つかご縁も進んでいた筈だけれど」

「そうよ! 正直男爵家には勿体ない話も山のように舞い込んでいたのに、最近になって片っ端から断ったんですって」


 指折り数えながらリリアンナさんの男性遍歴を羅列するミシェル。中には結構な名家の名前もあった。


「それに……今思い出しても吐き気がするけど、第三王子との婚姻話が出たこともあったのよ」


 そんな可愛い顔で吐き気とか言わないでミシェル。そして原形をとどめないほど顔を歪めないで。


「まあ私が裏から手を回して顔合わせのチャンスをことごとく潰してやったから事なきを得たけど」


 そんな彼女は第二王子の婚約者だ。そういえば以前、


『今、王家は史上最大のピンチを迎えているの! 最低最悪な義妹誕生を阻止しなければこの公国に未来はないわ!!』


 と、鼻息荒く奔走していた時期があったような。


「きっとシェルブレード様の帰国を聞きつけて最高物件キター! とばかりに欲を出したのよ。身の程知らずにもほどがある!!」


 確かにシェルブレード様は文武両道で見目麗しく爵位も高位トップ3に入る公爵位。たとえヒロインといえどもそこらのご令嬢ではアプローチも躊躇してしまうほどにハイスペックな存在だ。


「あの上から目線の態度だけでも許せないのに……あろうことか卿への疑似告白まで要求してきたのよ!!!」

「確かにお相手に接触して欲しいとお願いされたのは初めてね」


 恐らくリリアンナさんは当て馬に先に告白させて自分はあとから告白することで、3割増しになった自身の魅力を最大限に発揮することを狙っているのだろう。シェルブレード様を確実に手に入れるために。


 その提案をされた時ミシェルは憤慨していたが、私は心の中で天にも昇る気持ちだった。


「でもね、私にとっては喜ばしいことでもあるのよ」

「こんな屈辱的な状況で何を喜んでいるの? お姉様はMなの??」

「Mではないけれど。私、幼い頃にお会いしてから密かにシェルブレード様をお慕いしていたの」

「え、それっていつから??」

「初めてお会いしたのが属性付与式だから3歳の頃からね」


 お父様と喧嘩して会場を飛び出した際、私は入り口手前で一人の男の子とぶつかり、その時彼に一目惚れした。


 それが公爵令息クリスト・シェルブレード様だと分かったのは彼が式場でヒーロー属性を付与された時。こっそり会場に戻ってその現場を目撃した私は恋の始まりと終わりをダブルで受け取った。


 でもこっそり想うだけなら許される筈、せめてこの気持ちがなくなるまでは……と今まで大切に恋心を育んでいた。


「ちょっと恥ずかしいけれど、実はシェルブレード様が隣国に発たれる時も密かにお見送りさせていただいたのよ」

「え? お姉様あの場にいらっしゃったの!? 私、ルークについて出港式に参加していたけど貴族の観覧席にはいなかったじゃない」

「当て馬の私が堂々とお見送りするのは分不相応だから、一般観覧側の人混みからちょっと離れた建物の路地裏に潜んでこっそり見つめていたの」

「うん、そこまで密かだとさすがに分からないわ」

「そうよね、ごめんなさい」

「お姉様がシェルブレード卿をお慕いしているのは分かったけど、それと喜ばしいことがどう繋がるの?」

「だって、本来なら当て馬の私とヒーローのあの方は相容れない立ち位置にいるでしょう? それなのに堂々とこの想いを伝えることが出来るのよ」


 叶わぬ恋を昇華する機会が与えられたのだ。


「それって、凄く素敵なことじゃない?」

「お姉様…………う゛っ…!」


 ミシェルがハンカチを手に涙ぐんでいる。


「そんなちっぽけな事をこの世の春みたいに感じるなんて、幸せのハードルが低す……いえ、心が清廉な証だわ」


 何だろう、所々ミシェルが私を蔑んでくる。


「決めた! 私、お姉様を絶対幸せにするわ!!」


 鼻息荒く前のめりのミシェル。


「ありがとう、ミシェル」

「そうよ、だってお姉様には最強の当て馬がいるじゃない!」


 うん、耳を疑うネーミングセンスだけど私には恋に破れたあとのアフターフォローが待っているのよね(妹曰く)


「隣国から出戻ったばかりの優男なんてリリアンナにくれてやって、その先に待っている最高の幸せ(当て馬)をゲットしましょう!!」


 あ、やめてミシェル。シェルブレード様に矛先を向けないで!


 失恋しました→はい、次! と直ぐに気持ちを切り替えられる訳ではないので、ミシェルの言う最強の当て馬には全く興味がなかったけれど、例え別のお相手との縁結びでも久しぶりに初恋相手に会えること、言葉を交わせることが嬉しくて私は暫く夢見心地だった。


*****


 そしてミッション当日。

 

 ついて来ると言って聞かないミシェルを何とかなだめすかして、私はリリアンナさんから指定された場所、国営の庭園にやって来た。


 とりあえずその辺を歩いていればいいと言われたので、庭園内をうろうろしてみる。


 園内には色取り取りの花が咲いていて、自然豊かな景色が広がっている。綺麗……でも今日はゆっくり楽しんでいる暇はなさそうなので、今度改めてミシェルと来よう。

 

 リリアンナさんは近くの茂みで待機中。私がシェルブレード様に告白したタイミングで偶然を装って現れた彼女も想いを打ち明け、リリアンナさんが選ばれるという筋書きだ。


 ああ、何だかドキドキして落ち着かない……


 緊張しているのは課せられたミッションの重圧だけでなく、長年想い続けたシェルブレード様にお会い出来るという先払いの報酬に気持ちが高揚しているせいかもしれない。


 何しろ言葉を交わしたことも数えるくらいしかないのだから。


 すると、ご友人と連れだってシェルブレード様がやって来た。そして、庭園の入り口で友人と別れて一人になる。 

 

 なんと言うことでしょう……これが当て馬効果というものかしら。当て馬は本気を出せばヒーローと二人きりの時間を作り出すことが出来るのだ! って妹の受け売りだけど。


 それにしても……久しぶりに見るシェルブレード様は相変わらず素敵だ。


 元々まとっていたオーラが一層強さを増し、後光が差すほどに輝いている……1年前と比べてより頼もしく見えるのは隣国で積まれた研鑽の賜物かしら。


 ぼーっと見惚れていると茂みの中から「早く行け!」とリリアンナさんの指示が飛んで来る。いけない、すっかりミッションのことを忘れていた。


 気を抜くと顔が緩みそうになるので心の中で自分の頬を往復ビンタしながら一歩一歩シェルブレード様に近づき声をかける。


「シェルブレード様」

「…………レイモンド嬢?」

「この度は無事のご帰国お祝い申し上げます。隣国にて研鑽を積まれ益々ご立派になられたシェルブレード公爵令息様のお姿を拝見できましたこと、この上ない喜びに存じます」


 カーテシーを行うとシェルブレード様からも会釈が返ってくる。


「ありがとうございます。最後にお会いしたのは私が隣国に発つ日でしたね」

「え? はい、確かにその場におりましたが……観覧席から離れた場所にいたのによく覚えていらっしゃいますね」

「勿論です。私は視野が広い方なので」


 そう言いながら笑顔を見せるシェルブレード様。


 さすが公爵家のサラブレッド。たかが当て馬、しかもミシェルでさえ見つけられなかった私の居場所を把握していただけたなんて。ああ……好き。


 そのあと暫くお話をしていると近くの茂みがガサガサッ! と音を立てて鳴り始めた。あ、リリアンナさんが苛立っている。早くミッションを遂行しないと。


「あの、シェルブレード様」

「はい」


 当て馬にも優しい公爵令息様。せめて悔いのないようにこの想いを伝えよう。


「私、幼少の頃からずっとシェルブレード様をお慕いしておりました」

「え…………?」

「私のような属性の者には許されないことですが……叶わぬともせめて長年積み重ねたこの気持ちをお伝えすることをご容赦下さいませ」


 真っ直ぐにシェルブレード様の目を見つめながら言葉を紡ぐ。


「好きです、シェルブレード様。次期公爵として邁進を続ける貴方様に心からの敬意を捧げるとともにその幸せをずっと……願っております」


 深々と礼をする。ああ、これでもう思い残すことはないわ。 


「レイモンド嬢、それは……」

「お待ちくださあああいっ!!!」


 そこに飛び出してくるリリアンナさん。タイミングバッチリ。


「あなたは……確かメンフィス男爵家の」

「リリアンナ・メンフィスと申します。不躾に申し訳ございません。偶然ローズマリー様とシェルブレード様の会話が聞こえてしまって」


 肩で息をしながら、近くの茂みに隠れて聞いてましたと言わんばかりの姿で上目遣いのリリアンナさん。せめてあちこちに付いている葉っぱを落としてから来た方が良かったのでは……?


「私もずっと前からシェルブレード様の事をお慕いしていたんです」


 つい直近でしょ! とミシェルがいたら食ってかかりそう。


「どうかローズマリー様と私の想いを受け止めていただけませんか」


 これは暗に2人の中から選んで下さいということだけど、もしシェルブレード様に他に想い人がいらっしゃった場合は……当て馬もろともリリアンナさんもフラれてしまうのだろうか。


 勝ち確と余裕の表情を浮かべるリリアンナさんと余計な心配を始める私。そんな2人を見比べながら目を細めるシェルブレード様。


「魅力的なお2人のご令嬢からこんなにも情熱的な想いを向けられるなんて、私は幸せ者ですね」


「私の気持ちはずっと前からあなたのものです」


 そう言いながら蕩けるような笑みを見せた。私の手を取って。そう、当て馬の私の手を取って。


「……え?」

「……え!!!?」


 私とリリアンナさん、両方から思わず声が漏れる。


 え、えーと、これは何かのトラップかしら……


「……あ、あのシェルブレード様」

「はい」

「失礼ですが、お相手を間違えていらっしゃるのでは……?」

「あなたはローズマリー・レイモンド嬢ですよね」

「は、はい」

「では間違っていません。それに先ほどあなたの方から私に想いを打ち明けてくださったのではないのですか?」

「そ……それはそうなのですが」


 でもこれは消化試合のようなもので、告白した→はい満足! で終わる筈だったのに。こんな展開は想定の範囲外です。


 両手を握られたたまま、熱を帯びた瞳で見つめられる。ああ、ハートの供給過多で倒れそう。


「嬉しいです。私もずっと同じ気持ちでしたから」

「はひっ!? お、同じ気持ち……ですか?」

「このあとレイモンド家に正式に申し入れようと思っていたのですが、まさかあなたから好きだと言っていただけるなんて……今日の出来事は一生忘れません」

「い、いえ、そんな」

「ローズマリー嬢……いえ、ロジー。絶対にあなたを幸せにします」


 何故かシェルブレード様が当て馬の私にぐいぐい来る。


「とりあえず直ぐに婚約しましょう。結婚式はいつにしますか? なるべく早い方がいいですよね。諸々の準備を考慮すると最短で……」

「あ、あの……!」


「「「お待ちください!!」」」


 すっかり蚊帳の外にされていたリリアンナさんが大声を荒げる。


「シェルブレード様はお相手を間違えていらっしゃいます! あなたに相応しいのはこの私ですわ」

「…………君が私に?」

「ええ、だってローズマリー様は当て馬なんですよ! 私はヒロイン、ヒーロー属性のあなたの相手は私の筈です」

「ヒーロー属性……ですか」


 何か今、場の空気が変わった様な気が……


 少しだけ待っていて貰えますか? と私に囁いたシェルブレード様がリリアンナさんに近づいて何かを見せる。


「え? う゛えええええ!!!!?」


 その途端、リリアンナさんが地獄の底にいるかのようなうめき声をあげた。今何が起こったの……?


「え……え???」

「ごめんね、私には君と縁を結ぶ資格がないんだ」

「嘘!? だって!!!?」


 訳が分からないとばかりにパニック状態のリリアンナさん。そんな彼女を後目にシェルブレード様がしれっと言い放つ。

   

「ところで、早く軌道修正しなくていいのかな? ゆっくりしていると君に相応しいお相手がいなくなってしまうよ」

「…………あ」


 その言葉の意味を理解してリリアンナさんが青ざめる。彼女はシェルブレード様と結ばれると信じて疑わず、今日までに他の良縁フラグを全てへし折っていた。今更他のお相手のところに戻っても向こうから断られてしまうだろう。無駄なストイックさが仇となってしまった。

 

「そんなのあり得ない! 私はヒロインよ、奇跡のヒロインなんだから……!!!」


 そう呪文のように叫びながら一目散に走り去るリリアンナさんを横目に呆れたように息を吐くシェルブレード様。


「身に余る幸運を自分の行いで棒に振るなんて愚か者以外にかける言葉もないね」


 イケメンは毒を吐いてもなおイケメン……と思いながら私は彼が手にしている何かに釘付けだった。思わず手元を凝視してしまう。


「あの、私もそちらを拝見させていただいても……?」

「勿論です。どうぞ」


 差し出されたものは属性証明書だった。そこには確かに「当て馬」の文字が。


 でも、あの時シェルブレード公爵家の令息にはヒーロー属性が付与されていた。それは実際に現場で聞いていたから間違いない。


 では何故?? と考えていると証明書の上半分が折られていることに気づく。その視線に気づいたのかシェルブレード様が残りを開いて見せてくれた。そこに書かれていたのは……


 ヒーロー

(一回だけ)


 続けて全部読むと、


【 ヒーロー(一回だけ)当て馬 】


 一 回 だ け 当 て 馬 ! ! ?


「あの……シェルブレード様」

「はい」

「確か付与式ではヒーロー属性を賜っていらっしゃいましたよね?」

「よくご存じですね。あの時ローズマリー様は会場内にいなかったと記憶していますが」

「あのあと会場に戻って物陰から拝見していたんです」

「あなたはこっそりと物事を伺うのがお好きなんですね」


 もう一度私の手を取るシェルブレード様。いけない! この甘い雰囲気に流される前に疑問点を払拭しなければ。


「この一回だけ当て馬というのは」

「言葉通りの意味ですよ。私は一回だけ当て馬になれるオプションを付けて貰ったんです」


 え、そんなオプションありなのですか……?


「でもどうしてそんなことを」

「あなたのせいですよ」

「え……?」

「あの日、あなたと出会ったからです」


*****


 数年前。会場から逃走を図った3歳の私と5歳のシェルブレード様が出会った付与式の日。

 

 ドンッ!!!


『あ、ごめんなさい!』

『…………………』


 その瞬間、一目惚れしたのだと打ち明けられた。まさか同じタイミングで惹かれ合っていたなんて…… 


『父さん』

『……っ、駄目だ!!!!!』

『まだ何も言っていません』

『当て馬なんて不安定な属性、将来公爵家を担う者に許すわけにはいかん!』

『僕は将来、必ず公爵家当主として相応しい人間になります。でもその時にどうしても彼女を伴侶として迎える選択肢を残しておきたいんです。レイモンド伯爵家なら家柄としては申し分ないですよね』

『それはそうだが……だからといってお前を当て馬にする訳には』

『あなた。そんなに頭ごなしに否定するのではなく、少しはクリスの意思も尊重していただけませんか』

『母さん』

『そうはいってもだな…』

『私もクリスを当て馬にするのは反対ですわ。そこであなたとクリス、お互いが納得出来る良い方法が一つだけあると言ったら……私の話を聞いていただけるかしら?』


 意味ありげに微笑んだ母親から提案された方法は当て馬をオプションとして付けること。使用回数に制限があるものの設定した時だけ当て馬属性になれるというものだった。


「私にはあなたに近づくための手段でしたが、両親には別の意図もあったようです」

「別の意図というのは?」

「当て馬は上級貴族とは相容れない。これは裏を返せば不本意な婚姻から逃れるための切り札にもなり得るんですよ」

「あ、当て馬はヒロインとは結ばれないから……ですか?」

「その通りです。実は一度、隣国で無理矢理婚姻を結ばされそうになったことがありまして」

「え、それは……お相手の方がシェルブレード様にその無理矢理を強いることが出来る人物ということですよね?」

「ええ、相手は大公のご令嬢でした。少し狂っ……性格に難のある方で。その際この属性を使って回避するよう何度も両親に説得されたのですが」


 今狂ってるって言おうとしました……? そんなご令嬢のいる隣国は気苦労が絶えないだろうな。


「あなたとの繋がりはどうしても残しておきたくて……自力で乗り越えました」

「自力でというのは?」

「私のありとあらゆる人脈を利用したとでもいいますか。そこはまあ、ね」


 うん、どんな方法で乗り越えたのかは聞かない方がいいらしい。シェルブレード様、ちょっとミシェルと似ている。

 

 そして降りかかる火の粉を自らの手で解決したシェルブレード様は晴れて自由の身となり帰国。その足で事務局に出向き属性の一時切り替えを済ませたところで私と鉢合わせた、と。


「こんなに早くお会い出来るなんて私は本当に幸運です」


 と、いうやり取りの間も手はずっと握られたまま――全然離してくれないので、さすがに恥ずかしくなってきた。


「あ、あのシェルブレード様……そろそろ手を」

「あなたを誰かに取られてしまうのではないかと気が気ではありませんでした」

「え? 私は当て馬ですのでどなたともご縁は……」

「ロジーはご存じないと思いますが、あなたの功績が隣国で噂になっていたんです」


 功績?? 隣国にまで伝わるような偉業を成し遂げた覚えは全くないのですが……


「素晴らしい良縁に恵まれたという令嬢、令息が隣国でその話を広め、ロジーの功績を称えたんですよ。彼女こそ縁結びの女神だと」


 え、縁結びの女神!!? 当て馬令嬢より響きは素敵だけど何だか恐れ多い。


「そのせいで隣国の令息達があなたに興味を持ってしまって……」


 と言いながら物凄く嫌そうな顔をするシェルブレード様。あ、この感じにも既視感が。


「ですが、隣国のイースティンには属性の概念がないのでは」

「ええ、イースティンに属性はありません。ですがアジルウエストと比べて自由な国風なので珍しいものを好むというか……特殊な属性である当て馬に対してもとても好意的に受け入れられています」

「そう……なのですね」


 先ほどの狂った大公令嬢の話といい、確かに自由な国風のようです。


「私が隣国にいる間も名だたる令息達が幾度となくあなたに接触を試みようとする始末で……まあ、全て事前に潰してやりましたけど」


 そう吐き捨てたシェルブレード様の表情は……見なかったことにしましょう。


「こうしている間にも愛しいロジーにアプローチする輩が現れるかもしれない……国内だって油断できません、優秀な当て馬令息が出て来る可能性だってある」


「もう一秒だって無駄な時間は過ごせないので、例の面倒な問題は友人とまともな貴族を取り込んで秒で始末しました。そして隣国で与えられた課程を全てクリアして最短であなたの元へと戻ってきたのです」


 本来シェルブレード様の帰国は1年後の予定だった。その残り1年の課程を飛び級で終わらせ、加えて国間の紛争にまで発展する可能性もある大公令嬢問題まで解決して巻きで帰国したというのだ。


 何だか話の中に物騒なワードが含まれていた気もするけど……


「でも、こんなご褒美をいただけるならもっと早くお会いするべきでした」

「え、ご褒美というのは……っ!?」


 シェルブレード様が私の腰に手をやりグイッと引き寄せた。途端に距離が縮まりその端正な顔が目の前に。顔が近すぎます!! 少し離れて欲しいと抵抗を試みるもがっちりホールドされて1ミリも動かない。


「あ、あああのシェルブレード様、ちょっと距離が……」

「どうしました? 先ほどはあんなに熱烈な告白をして下さったのに」

「それは……っ」


 消化試合だと思っていたのでせめて悔いを残さないようにと精一杯の勇気を振り絞っただけなんです!


 いきなりの急展開。縁の下の当て馬から突然表舞台へと引っ張り出され、加えてぐいぐい来るヒーロー(現:当て馬)様……今まで恋愛経験どころか式典や夜会以外で殿方と接する機会も皆無だった私には未知の世界。シェルブレード様の眩しさにあてられて目を合わせることも出来ない。


「ああ、照れているんですね……可愛いなぁ」


 ひいいいっ、そんな蕩けそうな声を出さないで! 無理っ、これ以上はもう無理です。


「先ほどの言葉、本気にしていいですよね? まあ今更嘘だと言われても、もう離してあげる気はありませんけど」


 意地悪っぽい笑みを浮かべるシェルブレード様。何かキャラ変している気がしなくもないのですが……

 

「ロジー」

「ひゃ、ひゃい!」

「これからは遠慮なく距離を詰めさせていただきます。今まで我慢していた分存分に愛でるつもりなので、早く慣れて下さいね」


 遠慮なく……そういえば、再会した時はレイモンド嬢だったのにいつのまにかロジーと呼ばれている。いくらなんでも距離の詰め方が早過ぎる。


「遠慮なく……ですか?」

「はい、遠慮なくです。覚悟はいいですか?」

「は、はい! 望むところです!!」

 

 勢いよく顔をあげた瞬間シェルブレード様と目が合って、少し見つめ合ったあとどちらともなくクスッと笑う。


 まだ全然慣れそうにはないけれど、育ててきた想いの年月では私も負けていない。これからはずっと一緒なのだから、ゆっくり歩幅を合わせてゆこう。


 シェルブレード様が壊れ物を包み込むように優しく私を抱きしめた。


「愛しています、ロジー」

「はい………私もです。クリス様」


 目を閉じてシェルブレード様の温もりに包まれる。その熱量を感じながら私はずっと好きだった初恋の人と属性を超えて結ばれる喜びを力一杯享受した。


 こうして自ら進んで周囲の引き立て役(当て馬)となった伯爵令嬢は、当て馬の皮を被ったヒーローに一気に距離を詰められ、最高に幸せなエンディングを迎えたのです。

数ある作品の中から、「当て馬を選択した私はトゥルーエンドを望まない」をお読みいただきありがとうございます!(感涙)


善良な当て馬が男女問わず好きなので、当て馬令嬢を主人公にした物語が書きたい! と思い立ち生まれた作品です。ポジティブな当て馬令嬢ローズマリー嬢に幸あれ!!


もしよろしければ、ページ下部の☆☆☆☆☆クリック評価を★★★★★に、ブックマーク追加で応援いただけるととっても励みになります!!!


2025年も頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします(ぺこり)


(追記)

誤字脱字報告ありがとうございます! 大変助かっております!! 爵位を間違っていたのは流石に絶望しました……初歩的過ぎる(号泣)

何度も確かめた筈なのにやっぱり見つかってしまう……ヒューマンエラー恐るべしです。


(追記)

※2025年1月21日夜の[日間] 異世界転生/転移〔恋愛〕ランキングで総合4位、短編3位をいただきました。嬉しいです(涙)読んでくださった皆さま本当にありがとうございます!!!!


※2025年1月23日朝の[週間] 異世界転生/転移〔恋愛〕ランキングで総合6位、短編5位をいただきました。初めてなろうTOPページに作品名と名前が載りました……(感動)皆さま本当に、ほんとうにありがとうございます!!!!!!!

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当て馬役にスポットを当てたお話、面白かったです。主人公が頑張った分幸せになれますように。 確かに良い当て馬ってスペック高くて、「私なら絶対こちらを選ぶのに!」とヒーローやヒロインより人気があったり、…
他人を踏みつけにして自分が幸せになろうとした男爵令嬢ちゃんの自業自得、でもこれから心を入れ替えればやり直せそうな末路が丁度いい塩梅でした。
属性にとらわれず、自分の気持ちを大切にする姿がいいですね。 自分の運に頼ってばかりで自滅していく誰かさんに比べて、道を切り開いていくちょっとばかり執着心が強そうだけどっていう素敵なパートナーができてお…
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