殺してやる
お望み通り/殺してやる って意味です。題名の意図
「そ…そんな!私達、学校の授業中だったんです!!拉致…されて!世界を救えって…なんですか?警察呼びますよ!?」
勇敢に立ち向かうおさげの女子、我がクラスの委員長、伊井峰京香。
た、頼りになる…
「と、突然…そんなに怒られると悲しくなりますよぉ〜、それに…異世界を救うんですよ!?地球で働くよりずっと面白くてやりがいのある…のに…およよ〜」
なんだよ、およよって。腹立ってきた…まあいい、俺からも言いたいことがある。
「で…その話が本当だとして何故僕達なんです?それにわけの分からない格好して…」
「オラ!ッ気絶しとけクソババア!!」
拳を振り上げて殴ろうとした…無力化しようとしたのだろうか…大丈夫なのか……!!
一瞬だった、殴りかかったクラスメイトの人は全身がブロックみたいに切り刻まれて……まあ少なくとも即死。
まずい、現実味を帯びてきた…少なくとも人体をいとも簡単に賽の目切りにできる武器なんて知らない…
ましてや武器を取り出す素振りさえ…
あらかじめ設置しておいた線はない。それよりも奥から歩いてきたから。
「リクっ!!下がれ! おい!皆もだ!」
やべっ…ぼーっと突っ立ってた…
「突然クラスメイトを殺して…殺人罪ですよね?まあ、異世界だったから殺人罪があるかは分かりませんけどね。」
「麗しき美女に殴りかかったのが悪いのでしょう…候補者一人死んだぐらいどおってことありません…なんですか?貴方、あのお方と話した事…ありましたっけ?」
「りっ…リク!!つっかかるな…殺されるぞ…ッッ」
アツヤがなにか言ってるな…
いや…それよりこの女と後方のクラスメイト達がどうなるか分からない…どうする…?
「まあまあ…そんなに怒らないで…これから、能力を授ける儀式だって言うのに…前回と、前々回と一緒です…おとなしく従ってくれませんかね…」
「う…うあああああああ!!!!」
泣いてくしゃくしゃになった顔で殴りかかったアツヤ君はポンっと音を立てず消えた。
かなりまずい…錯乱してるクラスメイトで割と全滅の一歩手前だ…俺だけ生き残るのもなんか…
「∂「∨∅≯∅∅∆∃∝∀∝∨∑」
静まりかえった。
「はぁ…やはり幼子は面倒ですね…もう能力の儀式にいっちゃいましょう。ささ!こちらへ…」
指をパチっと鳴らすと、そこに一匹、言わずともわかるだろう…典型的な ゴブリン だ。ただ虚ろな目をしている…なにをするっていうんだ?
そんな考え事をしてると…
「リク君、や、やばいよぉ…逃げようようよ!もう…二人殺されたんだ…はやっっ早く…」
泣き面のメガネは田中翔君…だったっけ…
確かに…逃げるのも一手だ。
そして、逃げの体勢をとった時、あの女は言った…
「このゴブリンを殺害したものは転生し、ランダムな大地に生まれます。そして一つ能力を貰うという訳です。手始めに…そこの男!」指差したその先は翔君だった。