漫画Mr伝説の二次創作です
――――ドミの街。海辺にある大きな港街にある男がやってきた。その男の年齢は十代中頃でありながら過酷な長旅をしてきたのか杖をついて歩いていた。
「は、腹がへった」
今時の物語では絶対に使われないであろう言葉を低いトーンの声で言いながら、彼は港街の露店が出ている通りを歩く。
流石は大きな港だ。焼き魚の香ばしい匂いや肉の料理が団扇を扇いで、道行く人々の食欲を沸き立ていた。
しかし、彼は一向に立ち止まらない。かれは虚ろな目をしながら老人のようにだだゆっくりと歩みを続けているのだ。
お察しの通り彼はいま文無しである。何か買い食いするような持ち合わせはない。
「むにゃ」
低く唸ると、彼はその場から前のめりに豪快な音と共にその場に倒れ込んだ。彼の名前はリユス。人助けをしながら世を駆け回るはずの男のはずが、いまは彼が助けを求めていた。
「なんだこいつ。行き倒れか?財布は持ってんだろうな」
たまたま近くを通りかかった少年が、横たわるリユスを見つけると、ズボンのポケットをまさぐって財布があるかどうか確かめてきた。どうやら、彼はこの街をシマにしているスリを生業にしている少年のようだった。
身なりは汚れたシャツとズボンに、頬には擦り傷を負ったのか軟膏を貼っている。年齢は10歳未満くらいで、いかにも金に不自由しているような身なりをしていた。倒れる人間を見て、介抱かいほうするよりも先に金銭のありかを捜索している辺り、少年はそういうそ・う・い・う・境遇で生まれただろう。
「おい、坊主。お前は金持ってるんだろうな?」
いくら空腹とはいえ、歳がいくつも上のリユスのドスの聞いた声に少年はビクッと、反応した後にリユスのポケットから手を抜いて離れる。しかし、リユスはその細い腕をガシッと力強く掴んで離さない。
少年は寝ているリユスの顔をボロボロのスニーカーで踏みつけるも、まるで鉄のようにびくとも反応を示さない。




