表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/134

第三話 お尻が痛かったからアレを作りたい


「いやぁ本当に突然の事で申し訳ない」


 優之介、斬波、レミリアの三人はララノアの依頼を受け、エルの大森林に向かって旅路を歩いている……いや、正確には荷馬車に乗って揺られている最中だ。

 元々は歩いて行く予定だったが、出発する直前にクラウディアに呼び止められ何事かと思いきや、今回の依頼に自分も同行すると彼女が申し出てきたのだ。


「それは別に構わないんですけど近衛騎士って王様の警護が仕事ですよね? 大丈夫なんですか?」

「あぁ、心配に及ばない。これは陛下の命令でな、『ソフィーリアが招いた冒険者がエルの大森林に向かうのならそなたもその冒険者と共にエルの大森林に向かい、今回の原因を探り解決せよ。解決が困難ならば現状を把握し、報告せよ』とね。(ソフィー)が招いた客人を死なせたくない、事態の解決をまるまる冒険者の手柄にしたくない、色んなお考えがあるのだろう」

「面子を潰したくないだけじゃねぇか……」

「シバ……そう言うな、実際に今回の一件は王国も重く見ている。エルフとの交易で賄っている薬やその材料、後は大森林でしか取れない食材等が入らなくなってしまえば王国の危機だ。特に薬等は在庫が薄い時に王国内で病気が流行れば、間違いなく国力が衰退してしまう」

「人間の薬剤師は居ねぇのかよ……」

「いるにはいるが、エルフが作った薬と比べると効き目が弱くてな。だから我が国ではエルフから薬を買うだけでなく、国に招いて薬に関する知識を教えてもらったり、逆にこちらからは穀物や塩、胡椒を譲ったり建築に関する技術を教えたりしているんだ」


 クラウディアの話から、アースカイ王国とエルフ達の関係は良好であることは察しがついた。しかし、クラウディア曰くエルフは容姿端麗であることから奴隷目的で攫われる事が多々あり、そのせいで心に傷を負ったエルフ達は他の種族に対して排他的になっているらしい。それでもエルフと友好を結べているのは、アースカイ王国による長年の努力の結果だそうだ。


((無理矢理転移されたけどエルフに会えるのはマジでGJ(グッジョブ)だぜアースカイ王国!!))


 この話を聞いた優之介と斬波は心の中で全力ガッツポーズを決めた。

 一行はクラウディアの話を聞きながらだったり、途中で出現してきたモンスターを討伐しながらだったり、休憩がてらクラウディアから剣術を教えてもらいながらだったり着々とエルの大森林に近づいて行くのであった。



――――――――――――――――――――



 優之介、斬波、レミリア、クラウディアがアースカイ王城を出発してから三泊四日の旅路を終えて、一行はエルの大森林の入口に到着した。

 

「あぁ……お尻が痛い…………」

「馬車、結構揺れたからな……」

「二人共大丈夫ですか?」

「男二人して情けないぞ! と言いたいが遠征時の馬車移動は確かに揺れがキツいのは事実だからな……」


 エルの大森林へ向かう途中、舗装されてない道を通る荷馬車は小石等を踏むと大きく縦に揺れる。そのせいで荷馬車に乗っていた一行は何度もお尻を打ち付け、目的地についた時には腰とお尻を痛めてしまっていた。レミリアとクラウディアは慣れているのだろうか、全く動じていないが野郎二人はお尻を痛そうにしている。


「クラウディアさん、この馬車衝撃キツいんですが……」

「そうは言ってもどの馬車も同じ様なもんだぞ?」

「えぇ……」


 優之介はクラウディアに荷馬車に対して苦情を入れるが、クラウディアにどの馬車でも同じと言われ気持ちが少し凹んでしまった。

 元気がなくなった優之介は馬車を見ながらとある愚痴を零す。


「この馬車サスペンションついてないじゃん……」

「「サスペンション?」」

「……マジで!?」


 優之介は無意識で荷馬車にサスペンションがついてない事を指摘した。

 サスペンションとは何かを知らないレミリアとクラウディアは何がなんだかさっぱりだが、現代日本で第二次産業に携わっていた斬波は「道理で!!」とでも言いたそうな反応をしていた。

 優之介の指摘を聞いた斬波も荷馬車に近づき観察すると、斬波からも指摘があがった。


「サスペンションもなければボールベアリングも付いてないし、車輪の軸にステアリングも付いてねぇ、乗り物としては欠陥品もいいところだなこれ」

「なっ、王城の設備はどれも良いものだぞ!?それを欠陥品と侮辱するのか!!」

「流石にこれは欠陥品と呼ばざるを得ない。この依頼が終わったらサスペンションとボールベアリングとステアリングを作って付けて証明して見せてやろう!」

「え、サスペンションだけでいいんじゃ「ヴァカめ!!」」


―ゴチン!


「痛ぇ……」

「ボールベアリングとステアリングもつけない話にならねぇだろうがァ! 俺は認めんぞぉ!!」


 一度作ると決めたら妥協しない斬波、優之介にゲンコツをかましてハッパをかける。ガチャポンプ、五右衛門風呂と来て次はサスペンション、ボールベアリング、ステアリングの三点セットに決まったようです。お尻が痛いのは何処へ飛んで行ったのやら、斬波はエルの大森林の入口で製作に意欲を燃やしていた。


「まずは設計図をだな……」

「お義兄さん、依頼が先ですよ!」

「さっき自分で言ったばっかりじゃん……」

「シバ、ほれ行くぞ!」


 斬波は自分で「この依頼が終わったら作る」と言い出しておきながら、依頼そっちのけで部品の図面を書き始めたので優之介、レミリア、クラウディアの三人がかりで斬波を引きずってエルの大森林の中に入っていくのだった。


アクセスありがとうございますm(_ _)m

しれっとあらすじ書き直しました。

誤字脱字がありましたら報告お願いします。

面白い! 続きが読みたい! と思った方はブックマークと下の☆☆☆☆☆の評価にご協力お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ