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召喚陣攻防戦2


海上の召喚陣


ダンジョンや召喚陣のある遺跡から離れた海上にもう一つ召喚陣はあった。


「陣が光ったぞ!」


海上が魔法陣のような模様で光り始める。

それを飛竜師2組が上空から目視で確認した。


「伝令だ!行くぞ!」


偵察の飛竜部隊が沿岸に待機する帆船、ガレー船、飛竜部隊に情報を伝達しに行く。


その間、海上の召喚陣から小型の艦艇やボートが出入りし始めた。



アメリカ海軍部隊


陣容はアメリカ海軍のサイクロン級哨戒艦2隻とMk5特殊任務艇数隻からなるアメリカ海軍の特殊作戦部隊だった。

ハリネズミの様にM2ブローニング重機関銃やM240機関銃、Mk38 25mm機関砲、FIM-72スティンガー携行式地対空ミサイルで完全武装していて、大型戦闘艦を除きボートや並みの異世界の飛行モンスターで太刀打ちするのは困難な火力を持っていた。

ただこれは威力偵察に近いもので肝心なのは主力の後続部隊だ。


「水深、水域の広さ共に問題なし」


「サイドスキャナーに反応ない。海中に突起物、音源なし」


「敵影を遠方に確認。まだ行動に移っていない模様」


「作戦通り至急伝令を出せ」


サイクロン級の指揮官が指示を出しMk5特殊任務艇の一部が召喚陣に戻って日本へと再転移していった。

召喚陣の光が収まるとしばらくの間、静寂と緊張が続いた。

だがここでそれを打ち破ったのは沿岸で待機していた数騎程度の帝国軍の飛竜部隊だった。



帝国軍の飛竜部隊


「いたぞ!異世界の軍船だ!」


飛竜部隊は数マイル先から陣の周辺を旋回する様に徐行するアメリカ海軍部隊を捕捉して攻撃に移ろうとしていた。

火を吐くような飛竜を持たない彼らの船舶への攻撃方法は一つしかない。

投石や大型で重量級の槍を落として船体を破壊することだがその中で最も効果的なのは火炎瓶のような火炎弾を急降下して切り離し叩きつけることで船を炎上させることだった。


「よいか、手綱が肝心だ。突入角度と速度を誤れば飛竜は体を引き起こし切れずに船か海に激突する。だが生半可ではまともには当たらんぞ。訓練を思い出せ。皆の者、行くぞ!」


飛竜部隊が上昇し徐々にアメリカ海軍部隊に近づいていく。

だが飛竜部隊に攻撃の機会はやってこなかった。


「射撃用意!」


サイクロン級の甲板ではスティンガーミサイルの発射機を構える兵士の姿が複数人いた。

水上レーダーしか持たないサイクロン級だが対空監視班が早い段階で帝国軍の飛竜部隊を目視し迎撃態勢を整えていた。


「コメンスファイア!」


数発のスティンガーミサイルが携行式発射機から撃ちだされ加速していく。


数秒後、発射したミサイルの数だけ飛竜が爆発する様に被弾し海上へ落ちていく。


「何事だ?!」


「なんだ?どうなっているんだ?」


爆発など見たことも経験したこともない飛竜師たちには何が起きたのかわからなかった。

この時、モーター燃焼を終了して滑空しかしていなスティンガーミサイルは音速を越え音を一切出していない、ミサイル後方から聞いてもわずかな風切り音しか出ないのでミサイルを海に紛れて目視できなかった彼らはどのような攻撃だったのかすらわからずにいた。


「怯むな!突き進め!使命を全うしろおお!」


自分たちを奮い立たせるくらいしかできない彼らはそう言いながら、なおも水上部隊へと近づいていく。


だがまだまだ距離がある中、各艦艇に数機の予備のスティンガー発射機を持つアメリカ軍の兵士たちはそれを手に第二射を発射する体制に移行した。


「撃てえええ!」


第二射のスティンガーミサイルが撃ちだされ真っ直ぐ目標へと加速して飛んでいく。


「ん?!」


飛竜師がミサイルらしき姿を確認して何かを判断しようとした時、視界が奪われそこで意識はこと切れた。


「目標をすべて撃墜」


「了解」


アメリカ海軍の兵士たちが状況確認のやり取りをする。

そんな中、後続の艦隊が召喚陣から異世界へ突入を開始した。


「後続が突入を開始した模様です」


陣が光り出すと陣から大型の水上戦闘艦が出現した。



日本海軍 阿武隈型フリゲート


「突入完了」


「索敵を開始」


「対空、対水上捜索開始」


「方位296に船舶を探知。微速で本艦へ向かってきます」


「監視班から報告。左舷前方に木造帆船を16隻、木造ボートを10隻確認。敵性船舶で間違いなし」


「作戦規定に従い攻撃を開始する。対水上戦闘用意!」


阿武隈型フリゲートのオート・メラーラ76mm砲が目標に主砲を向け、FCS-2射撃管制装置のテレビカメラが目標を捉える。


この阿武隈あぶくま型もまた自衛隊のそれとは外見がいくらか異なった。

まず船体が若干長く排水量が多少増大している。

後方の20mmCIWSが廃されそこがヘリ甲板になっていた。

さらにSSMが設置される構造物はヘリ格納庫に、アスロックは廃されそこへSSMが設置されていた。

また76mm砲と艦橋の間にSeaRAMが設置され、対空能力が向上している。

そしてそこそこの戦術情報処理装置も搭載されているのでボルトネック無く戦闘が遂行できるシステムになっている。


「撃ち方始め!」


「撃てえ!」


76mm砲による砲撃が始まった。



帝国軍の水軍


「急げええ!敵の態勢が整う前に勝負を決めるのだ!」


「沿岸から狼煙が上がりました。直に飛竜部隊も到着するものと思われます」


「船長、陣がまた光始めました。次々と敵船が召喚されてきます!」


「距離はあとどれくらいだ?」


「そろそろ1リーグを切るころ合いです」


「よし、速力を上げよ!一気に近づくぞ!」


「はっ!聞け、水夫ども。もっと力を出せ!全速力だ!」


ガレー船の櫂が激しく動き船の速力が10ノット近くまで加速してきた。

だがここで、先頭を走っていた船が爆発する。


「何事だ?!」


「敵の攻撃です!」


「何ぃぃぃ?!」



阿武隈型フリゲート


「命中を確認」


「目標、船体の損傷を確認。船首が大きく損壊しました」


FCS-2射撃指揮装置2型に搭載されたテレビカメラで目標の状態を確認する。


「攻撃目標を変更」


76mm砲がほんのわずかに方針の向きを微修正するとまた発砲する。


「初弾、目標に命中せず空中炸裂。目標への効果あり、船体一部損傷を目視」


「目標を再度攻撃」


「撃てえ」


「命中を確認」



帝国軍の水軍


「敵は1リーグ近く彼方から爆裂魔法のような魔導攻撃を行っている模様!遠方からかすかに爆音が聞こえます!」


「将軍、敵の魔法は恐ろしく正確で長射程、高連射力を持っています。我々ではとても対抗できませんぞ!」


「こんな非常識な魔法があってたまるか?!」


「どうされますか?」


「...退却だ。どれではやりようがない、いったん逃げて体勢を立て直す。反転しろ!」


「はっ。取り舵だ!」



阿武隈型フリゲート


「敵船、反転を開始した模様」


「作戦続行だ」


「了解。攻撃を継続」


76mm砲は砲身から冷却水を垂れ流しながら再度砲撃を行う。


最初に転移してきたアメリカ海軍のサイクロン級もMk38 25mm機関砲をバースト射撃させ敵船を解体していく。


次々とガレー船が砲撃の餌食となり浸水して沈んだり強度が落ちて船体が裂けて海の藻屑となっていった。



帝国軍の飛竜部隊


「敵を発見。我が軍の水軍と交戦中と思われます」


「味方の飛竜はいないのか?」


「どこにも見えません。発煙筒を投げますか?」


「構わん。味方の加勢に入るのが先だ」


肉眼で味方の水上部隊が全滅したことを目視できない飛竜部隊は戦局を正確に把握できないまま異世界に侵攻した日米軍艦隊の対空網へ突っ込む形となる。


だがこの時、日米軍艦隊は駆逐艦クラスの艦艇が召喚を終えて異世界入りを始めていた。

うーん、二番煎じな内容にだなあと思う今日この頃ですが徐々に色々出を出したいと思います。

軍事ばかりだとアレなので早くスライムみたいな異世界生物観察とか冒険調査とか亜人娘増やしたいです。


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