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【飛行】

最大速度    筋力値×(1+0.1×飛行スキルレベル)(m/分)

飛行可能時間  体力値×100÷分速[m](分) (常時移動する場合)

消費魔力    10÷(1+0.01×飛行スキルレベル)(/分)



「【魔眼】に【魔を喰らう者】、か……それはまた大層なスキルを得たものだな」

「そうだねぇ……この情報はちょっと扱えないかなぁー」


 【魔喰い】討伐で俺が得たスキルを聞き、しみじみとそう呟くアスラとラビック。


「ああ、この情報料は必要ない。だから出来れば口外も無用で頼む。ニャリスも、ギルドには言わないでおいてくれると助かるんだが……」

「……分かったわ。一つ貸にしておいてあげる。そのスキル関連で何かあったら、私たちにフォローさせる気なんでしょ?」


 ため息をつきつつ、俺の真意を言い当てるニャリス。


「……その通りだ。俺もバレないようには気を付けるつもりだが……何か起こった際は、フォローをお願いします」

「あはは、了解だよ! 私も貸いちってことで、その話、受けてあげよう!」

「そうだな。私も何かあれば力になるとしよう。ただし、見返りは期待しておくぞ」

「……もちろんだ。色々すまんな」


 無事3人が受け入れてくれた事に、俺はホッと胸を撫で降ろす。

 これで何か起こっても、最悪の事態は避けれるだろう。

 と俺が安心していると、先ほどからソワソワしていたラビックが身を乗り出して尋ねてきた。


「それでそれで? その【魔眼】と【魔を喰らう者】って、どんな効果があるのかな?」

「俺もきちんと把握している訳では無いんだが……とりあえず、【魔眼】の詳細については、こんな感じで記載されていたよ」



魔眼△

 貯蓄魔力 0

 選択可能魔眼 無し



 表示内容を聞き、腕を組んで首を傾げるラビック。


「うーん、貯蓄魔力に選択可能魔眼かー。【魔喰い】の性質から考えると、外部から魔力を吸収して、それを魔眼に変換するっていうのが一番自然かなー」

「やっぱりそう思うか? 一応一人で色々試してはみたんだが、うんともすんとも言わなくてな。と言う訳で……検証のお付き合い、お願いします」

「あはは、オッケーオッケー! このラビックさんにまっかせなさーい。あーちゃんとニャリスはどうする?」


 ラビックの問いに、他の2人は申し訳なさそうに首を振る。


「あー……付き合ってやりたいのは山々なんだが、この後パーティーメンバーとギルドの依頼を熟す約束をしていてな。すまない」

「私もごめんなさい。これから少し用事があるのよ」

「そっかー。残念。……じゃあ僕たちだけでやってみるとしようか!」

「ああ。よろしく頼む」


 結局いつもの二人になってしまった。

 まあラビックがいれば色々情報も手に入るだろう。

 俺は3人に改めて礼を言うと、ラビックと共に街の外へと向かうことにした。

 


◇◇◇◇




【ガーディンのレベルが上がりました】×2

【ガーディンの飛行のレベルが上がりました】×2

【ガーディンの筋力上昇のレベルが上がりました】×2

【マイムの浮遊のレベルが上がりました】




 街を出て1時間後。

 俺たちはやっとの事で【迷いの森】へと到着した。

 俺自身は普通の歩行速度程度は出せる様になったのだが、使い魔達のスピードがかなり遅い。


 マイムの核は握り拳程度の大きさな為、ラビックに持って運んでもらっても良かったのだが……。

 他の2体の移動スピードもかなり遅かったため、結局ゆっくり来る羽目になってしまった。


 スレッダーは元々遅いのは分かっていたが、【飛行】を所持するガーディンまでもが鈍間のろまだったとは驚きだ。

 どうやら【飛行】のスピードは筋力値がかなり関わってくるらしいから、さっさとレベルを上げて筋力にどんどん振っていこうと思う。


 【迷いの森】に到着し、俺たちは早速人気ひとけのない場所を探して実験を始めることにした。


「じゃあ先ずは、【魔喰い】みたいにモンスターから魔力を吸収できるか試してみよう! キャピちゃん、よろしくね!」

「スレッダーも頼んだぞ」

「「――Gyupi!!」」


 俺たちの声に、芋虫な二体が元気よく返してくる。

 そして近くにいたホーンラビットに向けて、一斉に糸を噴射し始めた。


 ――Gyuu……


 粘着性の糸にからめ捕られ、身動きが取れなくなったホーンラビット。

 俺はそいつに近づくと、パッシブスキルである【魔を喰らう者】の効果を確かめるため、とりあえず何も発動させずに触れてみた。


「……どう? なんか変化あった?」

「うーむ……【吸精ドレイン】に似て魔力が少しだけ流れて来ているのは分かる。が……魔力が回復している気配は無いな。……ん?」


 自分のステータス画面を確認していると、俺はふと魔力とは別の所が変化していることに気が付いた。



魔眼△

 貯蓄魔力 1

 選択可能魔眼 無し



「魔眼の欄の貯蓄魔力が増えている……」

「あーなるほどー。【魔を喰らう者】は【魔眼】とセットな訳かー」

「そういう事みたいだな。……にしても、この吸収ペースはかなり遅いな。どうにかならないもんか……」


 俺はじれったくなる程の吸収スピードの遅さに我慢できず、色々と接触面積を増やすなど試行錯誤を重ねてみた。

 が、若干効率が上がっただけでほとんど変化は無い様子。


「うーん……もしかしたら、生き物からの吸収スピードはあんまり早く無いのかもねー。昨日トリーが【魔喰い】にくっついてもすぐに魔力を吸収されなかったのは、そのおかげかもよ?」

「なるほど……」


 確かに、昨日【魔喰い】を討伐した時は、特に魔力をもっていかれた覚えはない。

 多少吸い取られてしまっていたとしても、すぐに【吸精ドレイン】を使用したため気付けなかっただけかもしれないが……。


「じゃあ……昨日みたいに、【消化吸収】も試してみたら?」

「ふむ……よし、やってみるか。【消化吸収】!」


 ――Gyuiii!!


 俺の【消化吸収】によって溶かされ、悲鳴を上げるホーンラビット。


「これは……酷いな」

「うーん、確かに酷い。スライムって、実は結構残酷な種族だったんだねー」

「――Pigiii……」


 ラビックに残酷扱いされ、落ち込むマイム。

 俺の【消化吸収】スキルは100%に達しており、【魔素制御】でホーンラビットを包んでやれば1分程で全てを消化しきることは可能だ。

 だがしかし、その間俺はずっと間近で消化されるホーンラビットを見なければならないのだ。

 これは中々来るものがある。


「うーん、これは封印した方が良いかも? 見た目的に」

「……だな。これじゃ、どっちがモンスターか分からん」

「あはは、確かに。……それで? 貯蓄魔力はどうだった?」



 魔眼△

 貯蓄魔力 40

 選択可能魔眼 無し


 

「お、上がってる上がってる。にしても40か。少ないな……」

「うーん……モンスターの魔力も、全ては吸収できないのかな? 色々試してみないとはっきりとは言えないけれど……」


 確かに彼女の言う通り、【消化吸収】でとりこんでも100%は魔力を回収できないのかもしれない。

 まあそれは追々他のモンスターでも試してみればいいか。


「じゃあ次は、ドロップアイテムで試してみようか。はい、先ずはこれを吸収してみよう!」


 そう言って彼女は、アイテムボックスからリトルキャタピラーのドロップアイテムを取り出す。

 俺はそれに手をのせ、【消化吸収】で取り込んでみる。

 しかし魔力が増える気配は無い様子。

 その後も色々なドロップアイテムで試し、最後は魔石も取り込んでみたが、結果はどれも同じだった。


「うーん、生きている相手じゃないとダメなのかなー」

「それしか方法が無いのなら、仕方がないが……」

「出来れば遠慮したいって感じだね。まあそりゃそうかー。じゃあ……僕の魔法、受けてみる?」


 そう言って、ニヤニヤと俺の顔を覗きこむラビック。

 確かに【魔喰い】の性質を考えれば、魔法から魔力を回収できる可能性も十分にあるだろう。

 彼女ならちゃんと手加減もしてくれるだろうし、試してみる価値はあると思う。


 因みに、魔法のダメージ量は互いの知力値が大きく関わってくるようだ。

 そしてその魔法属性のレジスト系魔法をかけていれば、受ける側の知力値を反映して更にダメージがカットされるらしい。


「そう、だな。じゃあ一度試してみるとするか」

「おお、男らしいねぇ。よし、じゃあちょっと離れたところから【光線レイ】で攻撃するから、しっかり【光属性抵抗ライトレジスト】を掛けておいてね!」

「了解だ」


 俺から遠ざかる彼女を見つつ、俺は自身に【光属性抵抗ライトレジスト】を掛けておく。

 

「じゃあいっくよー! ――【光線レイ】!」

「っ!」


 彼女の魔法に、思わず身構える俺。

 しかし――


「おお! ダメージが無いぞ!!」

「えぇっ!? ダメージが無いって……ゼロってこと!?」

「ああ、ゼロだゼロ! しかもちゃんと【魔眼】の貯蓄魔力も回収できているみたいだ!」


 ステータスを見ると、貯蓄魔力が3上昇していた。

 確か【光線レイ】の消費魔力は15程だったから、5分の1の回収率か。

 ……いや、【光線レイ】は近づけば近づく程威力が上がる魔法だから、もっと至近距離で受ければ……。


「なあラビ! もっと間近で魔法を打ってくれよ!」

「どうしたのさ急に……ああなるほど、魔力の回収効率を確認したいんだねー。了解だよ! ――【光線レイ】!」


 そう言って、至近距離から【光線レイ】を放つラビック。

 俺はワクワクしつつ、光を受ける。

 しかし――


「あぐっ!?」


 今度は身体に鋭い痛みと不快感が走った。

 どうやら先ほどとは違い、少しダメージを受けてしまったらしい。


「いててて……完全に吸収出来るって訳じゃないのか。……お、でも貯蓄魔力が6も増えてるぞ」

「あははは、よかったよかった。流石に魔法の完全吸収とかじゃ無くて安心したよー。もしそんな能力をもっていると皆に知られたら……」

「……そうだな」


 確かに彼女の言う通り、魔法でダメージを受けないなどチートもいい所である。

 しかも【魔眼】の貯蓄魔力に変換出来るというオマケつきだ。

 

「……でも【魔喰い】は、瞳以外は魔法を完全に吸収してたっぽいよねー。その性質を考えれば、もしかしたらキミが後々そうなる可能性も……。こりゃいよいよ人には言えなくなったねぇ……。キミもバレないよう肝に銘じておくんだよ?」

「ああわかってる。人に見られないよう、細心の注意を払っておくさ」


 完全吸収出来ないとはいえ、ある程度ダメージを遮断し、【魔眼】の貯蓄魔力に転換できるのだ。

 この力がバレれば、周りからの追及はかなりのものになるに違いない。

 俺の平穏な日常の為にも、この力は隠し通さなければ。


「ま、キミの事だから、なんだかんだで最後はあっさりバレる気もするけどねー」

「そんなこと……無い、と思う。……多分」


 ラビックに言われると、確かに俺もそんな気がしてきてしまった。

 が、そうならないよう注意しておくことに越したことは無いだろう。


「あはは。まあバレちゃったらその時はその時でまた考えればいいよ! それよりも、今度はどの程度のダメージを遮断できるのか実験してみよう! 序でに、魔眼が選択出来るまで貯蓄魔力も貯めてみようよ!」

「そう、だな。じゃあまた実験に付き合ってもらってもいいか?」

「もちろんだよ! じゃあいっくよー。 ――【光線レイ】!」






【少し細かい設定(興味の無い方は飛ばして頂いて大丈夫です)】

名前 トリー

魔力  5135/5135(1630+3505)

関連スキル 

    魔力上昇・改1 魔力回復上昇・改1 

    魔力操作・改1 魔力感知・改1 

    魔素制御1 空中遊泳3 

    

現時点でのおおよその魔力消費量及び回復量

(霧散の消費魔力を毎秒から1回量に修正しております。)

動作内容 魔力消費量      魔力回復量

静止   0          3.15(1+2.15)%/分

日常動作 10/分        1.575%/分

戦闘   20/分        0

空中維持 10/分        1.575%/分

(標高5m)

標高5mで空中遊泳を用いた水平移動(分速64.5m)

     74.5(10+64.5)/分   0     

霧散   10×設定高度m       0

高高度待機時 10+10×(高度−5)/分  1.575%/分

高高度移動時 待機時消費量+分速m  0

 例)高度11m、分速21mの時。10+10×(11-5)+21=91

※空中遊泳の最高速度は毎分60+(空中遊泳レベル×1.5)です。

※霧散の最高到達高度は25+(魔素制御レベル×1.5)mです。



活動報告にて、主人公が何故浮いているのかという考察をあげています。

大した内容では無いですが、興味がございましたらご一読ください。

これからも応援の程をよろしくお願い致します。

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