13
フォルストスネークを下した後、俺はそれ以上奥に行くのはやめ、今日は森の浅域を狩場にすることにした。
ここで既にフォレストスネークが出たという事は、これより奥にはリトルスパイダーやリトルキャタピラーが出てくるという事だ。
虫系の糸の恐ろしさは、青芋虫のキャピでよーく知っている。
寧ろ味方に欲しいくらいだが、今は【召喚】用のスキルの枠が無いので仕方が無い。
そんなわけで俺はフォレストスネークに注意しつつ、頼まれている調査も兼ねて、ぐるりと森の端辺りを進んでいく。
スライムを駄賃にしつつ辺りを散策すると、しばらくしてでっかい角兎、ホーンラビットを発見した。
50㎝は優に超す、兎とは思えないその巨体。
眼もギラついており、全然かわいらしさの欠片も無い。
ただ的が大きいことは良いことで、俺は試しにと【火矢】を放ってみる。
最高威力の出る至適距離が20~30mなので、今までの4倍以上は離れなければならず、かなりの違和感を感じる。
ただまぁこの距離なら外しても何とかなるだろうと思いなおし、俺はホーンラビットに集中する。
「――【火矢】!」
――Pigii!?
的が大きいおかげか、何とか足の付け根辺りに打ち込むことに成功した。
ただダメージになっているのかどうか、はっきりとは分からない。
こちらに気付き駆け寄ってくるホーンラビット。
俺は落ち着いて宙に浮き、近づいてきたいてきたところで【光級】をお見舞いする。
――Pugyu!?
光に目をやられ、フラフラとし始めるホーンラビット。
どうやら運よく【混乱】状態に陥ってくれたらしい。
俺はそのままクールタイムを待ってから、今度は【火球】を打ち付ける。
――Pigyuuuu……
【光魔法のレベルが上がりました】
火球を喰らい、ホーンラビットが消滅した。
どうやら最初の【火矢】はちゃんとダメージを与えていたらしい。
【火矢】のクールタイムは15秒。
20mを掛けてくる間にクールタイムを終えることは出来ないが、【拡散】により再浮上するには十分すぎる時間だ。
もし【火矢】が命中すれば、クールタイムを終えてから【光級】のあとに【連続詠唱】で【火球】を当てれば敵は沈む。
もし【火矢】が外れた場合は、【闇煤】からの【火球】で対応する。
ただ【闇煤】は攻撃力が【ボール】系の3分の1なので、正直ダメージが足りる気がしない。
やはり安全に狩るためには、【火矢】を必中にするか知力アップは急務か。
「とりあえず、両方を兼ねてスライムを狩ろう」
鈍足のスライム相手であれば、【火矢】を外しても【火球】で一撃で沈んでくれる。
【光魔法】と【連続詠唱】のレベル上げも兼ねて、余分ではあるがそちらも打ち付けてしまうとよう。
【魔力上昇のレベルが上がりました】
【魔力回復上昇のレベルが上がりました】
【魔力操作のレベルが上がりました】
【魔力感知のレベルが上がりました】
【浮遊のレベルが上がりました】
【浮遊のレベルが上がりました】
【火魔法のレベルが上がりました】
【闇魔法のレベルが上がりました】
【光魔法のレベルが上がりました】
【光魔法のレベルが上がりました】
【光魔法のレベルが上がりました】
【光爆破を習得しました】
【回復を習得しました】
【連続詠唱のレベルが上がりました】
【連続詠唱のレベルが上がりました】
【レベルが上がりました】
名前 トリー
種族 魔素族
職業 ルナファイアプランクトン
職業スキル 【狂灯】
レベル 13》14
魔力 130/1460》1575(750+825)
知力 57》65
スキル 魔力上昇10》11 魔力回復上昇10》11 魔力操作10》11
魔力感知10》11 火魔法11》12 浮遊8》10 魔素操作6
闇魔法8》9 連続詠唱5》7 光魔法1》5
STP0》5》0 SKP3》5
2時間ほど休憩を交えつつスライム狩りに徹していると、基礎レベルが1つ上がり、【光魔法】がレベル5に達した。
覚えた魔法はラビックが使っていた【光爆破】と、回復魔法である【回復】。
【光爆破】はともかくとして、生命力を持たない俺は【回復】を使う機会はかなり少ないだろう。
もしかしたらと思い念のため試してみたが、当然効果は無かった。
そりゃそうか。それが出来てしまったら、魔力を使って魔力を回復するというバグ技が完成してしまう。
まあそんな無駄な魔力も使いつつ、俺はコツコツとスライムを狩っていく。
スライム時々ホーンラビットのペースで狩っていると、スライムの湧きが先ほどより多くなっていることに気が付いた。
実は1時間ほど前からそうじゃないかなーとは思ってはいたのだが、今見てみればその違いがはっきりと分かる。
先ほどまでこちらが探すと2分に1匹くらいのペースで見つかっていたスライムが、今では1分も掛からない内に発見出来るようになった。
ふとその時、こいつらはどこからやって来ているのだろうと俺の中に好奇心が疼く。
ゲームの様に、何の前触れもなく生み出されるのか。
それともどこかから湧いてでてくるのか。
俺は魔力が全回復するまでの一時間半程の間、空中で待機しつつスライムの動きをひたすら観察する。
【魔力操作のレベルが上がりました】
【魔力回復上昇のレベルが上がりました】
一見なんの法則性も無く進んでいるように見えるスライムたちだったが、空中からじっくりと見ていると、何となくだがどの個体も少しづつ、ある方向から離れる様にして動いていることに気が付いた。
「さて、召喚限界時間まであと1時間。どうしたものか……」
結構遠くまで来てしまってはいるが、今から歩いて帰れば時間内にエミリアの下に帰ることは可能だろう。
しかしそれでは何の為にこの1時間以上もの間頑張って観察し続けたのか分からない。
「明日も同じ場所が怪しいとは限らないしなあ……行くか」
結局俺は、スライムの動く方向とは真逆の場所を突き止めるために動き出した。
明日の経験値アップボーナスが無くなるのはつらいが、それだけと言えばそれだけだ。
俺は意を決め定めた方向に突き進む。
進むにつれ、スライムを見かけるペースが少しだけだが増えてきた。
逆に、先ほどまで目にしていたホーンラビットの姿をほとんど見かけない。
これは何かあるなとウキウキしつつ、そのまま発生源と思しき方角へ突き進む。
【浮遊のレベルが上がりました】
【魔力感知のレベルが上がりました】
そしてホーンラビットを全く見かけなくなったころ、とうとう召喚限界時間がきてしまった。
浮遊移動の連続使用可能時間が40分程なので、途中で休憩を挟まなければいけないのがもどかしい。
「また明日か……仕方が無いな」
まあ時間が来てしまってはどうしようも無い。
俺は渋々諦め、今日の所は探索を終えることとした。
◇◇◇◇
【6日目】
今日は初の野外スタートだ。
エミリアの明るい笑顔を拝めないのは少し辛いが仕方が無い。
さて昨日の続きをと意気込み辺りを見渡すが、昨日頻繁に見かけたスライムたちの姿が無い。
全くない訳ではないのだが、2分に1匹程度と昨日のスタート時点と同じペースだ。
「はあ、またやり直しか……」
俺は期待を裏切られたことにがっくりとしつつ、昨日と同じようにスライム狩りに勤しんだ。
【魔力上昇のレベルが上がりました】
【魔力回復上昇のレベルが上がりました】
【魔力操作のレベルが上がりました】
【魔力感知のレベルが上がりました】
【浮遊のレベルが上がりました】
【浮遊のレベルが上がりました】
【火魔法のレベルが上がりました】
【闇魔法のレベルが上がりました】
【暗闇を習得しました】
【知力上昇を習得しました】
【呪詛を習得しました】
【光魔法のレベルが上がりました】
【光魔法のレベルが上がりました】
【連続詠唱のレベルが上がりました】
【連続詠唱のレベルが上がりました】
【レベルが上がりました】
名前 トリー
種族 魔素族
職業 ルナファイアプランクトン
職業スキル 【狂灯】
レベル 14》15
魔力 230/1575》1686(780+936)
知力 65》72
スキル 魔力上昇11》12 魔力回復上昇11》13 魔力操作11》13
魔力感知11》13 火魔法12》13 浮遊10》13 魔素操作6
闇魔法9》10 連続詠唱7》9 光魔法5》7
STP0》5》0 SKP5》7
再び2時間程スライムを狩り続けていると、昨日と同様スライムの遭遇頻度が上がってきた。
今日は何かひねりを加えてみようと、ホーンラビットは全てスルーし、スライムだけを徹底的に狩ってみたのだ。
ホーンラビットはこちらを見つけ次第襲ってくるアクティブモンスターだが、空中にいる敵には鈍感なのか、俺には気付かずスルーしてくれるおかげでスライム狩りだけに集中することが出来た。
途中【闇魔法】がレベル10になり、【暗闇】、【知力上昇】、【呪詛】の3つを習得した。
【暗闇】は一定範囲に暗闇を発生させる連続使用可能な範囲魔法、【知力上昇】は以前ラビックが使っていた連続使用可能な補助魔法、【呪詛】は【呪い】という状態異常にさせる単体魔法だ。
状態異常や補助がメインの魔法ばかりで、残念ながら攻撃として利用できるものは無さそうである。
スライムを狩り続けてから1時間ほどが経過したあたりで、昨日よりもスライム遭遇頻度の増えるペースが速くなったように感じられた。
きっとホーンラビットを無視したおかげだろうと、俺は自分の見当が当たっていたことに気を良くし、調子に乗ってどんどんスライムだけを狩り続けてしまった。
その結果、再び魔力が無くなってしまったため、現在空中で魔力回復も兼ねたスライム観察中だ。
昨日よりも少し数が多いため、観察もしやすい。
「よく考えればこれ、地面にいたら観察している場合じゃないよな……」
これだけの敵がうろついていたら、少し歩けば戦闘が起こり観察どころでは無いだろう。
最弱のスライムとて、立派なアクティブモンスターなのだ。
まあ今の俺には関係ないかと考えを切り替え、俺はスライム観察を続ける。
そして再び1時間以上かけて魔力を全回復させる。
その後観察の結果判明したスライムの湧き場所と思しき場所に向け出発した。
今日は昨日の倍近く時間が残っている。
これでダメなら次は魔力にSTPを振って、浮遊移動の限界時間を延ばしてやろう。
そんなことを胸に秘めつつ、俺はスライムの道を辿っていった。
【魔力回復上昇のレベルが上がりました】
【魔力感知のレベルが上がりました】
【魔力操作のレベルが上がりました】
そして2時間後。
今、俺の眼下には、地面を覆いつくすほどのスライムたちで溢れかえっている。
この森の一体どこにこれだけのスライムが隠れていたんだと頭を捻りたくなるほどだ。
「これ、地面に降りたらすぐ死ねるだろうなあ」
地面に降りた瞬間の事を考え、俺はゾクリと身体を震わせる。
「さて、どうしたものか……」
やってきたは良いものの、この後どうするかを考えていなかったという間抜けなお話。
見つけることをゴールに据えていたので、見つけてしまった今、正直困ってしまっている。
今俺の目には、何やら黒いブラックホールの様な渦巻いた球体が見えている。
恐らくあれがスライムの発生源なのだろうが、今の俺にあの渦をどうにか出来るとは思えない。
今から報告しに帰ろうにも、どうせ召喚限界時間には間に合わないだろうし、そもそも方角が分からない。
まあ森の上まで一気に飛んで辺りを見渡せば何とかなるかもしれないが、それなら死に戻って明日また復活した方が早い気がする。
それに今日と同じように、あの渦はおそらく明日には移動してしまうだろう。
渦の存在は知らせられても、場所は結局探し直さないといけなくなってしまう。
「とは言え俺にどうにか出来そうもないし……うーん……とりあえず、こいつら適当にぶっ放してから死に戻るか」
結局それくらいしか今は出来そうに無いなと考えをまとめる。
現在俺の使える範囲魔法は、【光爆破】に【闇煤】、それから【火波】に職業スキルの【狂灯】だ。
イメージ的にスライム相手に【盲目】が効く気がしないので、【狂灯】で|【狂化】させ被ダメージ量増やしてからの【連続詠唱】で【光爆破】を使用し殲滅する、くらいしか出来ることは無いだろう。
【狂灯】の射程距離は10m程で、効果範囲は直系7m程。
一方【光爆破】の射程距離は5m程で、効果範囲は直系3m程。
魔法を放つ際は高度が下がるので、【狂灯】を放ち着弾した直後に【光爆破】を発動させなければ、地面に到達しスライムに呑まれてしまう。
焦らず、確実に仕留めよう。
まあ【光爆破】で倒しきれなければ結局死ぬことになるので一緒なのだが、まあその時はその時だ。
俺は頭の中で計算を終え、スーハースーハーと深呼吸をする。
ここに到着するまで結局休み休みきており、到着してからもしばらく宙で休憩していたため、今魔力は1200程残っている。
「上手くいけば、召喚限界時間まで10回ほどは行けるか……」
などと皮算用をしつつ、俺は一気に高度を12m程まで上げ眼下に向かって魔法を放つ。
「――【狂灯】!」
暗白色の炎が真下に落ちていき、着弾と共に辺りに薄暗い光が立ち込める。
そしてその瞬間を狙いつつ、俺は立て続けに唱える。
「――【光爆破】!」
――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu……
【光魔法のレベルが上がりました】
【レベルが上がりました】
阿鼻叫喚である。
俺は一瞬呆けつつも、すぐさま【拡散】で空中に距離をとる。
下を見ると、俺の真下には数匹スライムが残っているものの、スライムの空白地点が出来ていた。
そしてその周りでは、スライムたちがウゴウゴと活発に蠢いて見える。
次第に地面の面はスライムによって埋め尽くされるわけだが、何だかスライムたちの様子がおかしい。
「共食い、してんのか……?」
あちらこちらでスライムがスライムを攻撃し、その体を溶かし合っている。
その様子はまるで共食いをしているかのようで、まさに地獄絵図だ。
「……【狂化】の影響……か?」
そう言えば竜人族の種族説明に、敵も味方も攻撃すると書いてあった気がする。
敵がいた場合は敵を優先するのかもしれないが、生憎敵は空中浮遊中だ。
それに加えて味方がこれだけ密集していることもあり、結果スライム同士で攻撃し合うことに陥ってしまった訳か。
「まあそれなら尚の事好都合だ。このまま一気に数を減らしてやろう」
俺は再び位置を変え、先ほど同様【狂灯】からの【光爆破】を放っていく。
――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Pigyuuuuu! ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu……
【魔力上昇のレベルが上がりました】
【魔力上昇のレベルが上がりました】
【魔力上昇のレベルが上がりました】
【魔力回復上昇のレベルが上がりました】
【魔力操作のレベルが上がりました】
【魔力感知のレベルが上がりました】
【火魔法のレベルが上がりました】
【光魔法のレベルが上がりました】
【光魔法のレベルが上がりました】
【光魔法のレベルが上がりました】
【光魔法のレベルが上がりました】
【光線を習得しました】
【生命力上昇を習得しました】
【幻惑を習得しました】
【連続詠唱のレベルが上がりました】
【連続詠唱のレベルが上がりました】
【レベルが上がりました】
【レベルが上がりました】
【レベルが上がりました】
【レベルが上がりました】
名前 トリー
種族 魔素族
職業 ルナファイアプランクトン
職業スキル 【狂灯】
レベル 15》20
魔力 170/1686》2875(1150+1725)
知力 72》85
スキル 魔力上昇12》15 魔力回復上昇13》15 魔力操作13》15
魔力感知13》15 火魔法13》14 浮遊13 魔素操作6》8
闇魔法10 連続詠唱9》11 光魔法7》12
STP0》25》0 SKP7》17
「やばい。楽しすぎる」
スライムが面白いように蒸発していき、レベルが馬鹿みたいに上がる。
結局あれから【狂灯】からの【光爆破】を10回ほど繰り返し、レベルが上がれば少しでも自然回復量を増やそうとSTPを魔力に突っ込んだ。
途中召喚限界時間まであと30分のコールがなったが、気にせずどんどん魔法を放っていった。
共食いを始めていたところは避けて魔法を放っていたのだが、途中共食いに勝ち残った奴らが何やら徐々にでかくなり始めていたので、練習した【火矢】で沈めておいた。
【属性魔法】や【魔力上昇】スキルは、消費魔力だけではなく、どれだけ敵を倒したかにもよってそのレベルが上昇するようだ。
先ほどから【光魔法】と【魔力上昇】スキルのレベルの上がり方がおかしい。
おそらく【知力上昇】を付けていたら、同様におかしな上がり方をしたことだろう。
加えてエミリアの経験値ボーナスがあれば、もっと上がったことだろう。全く惜しいことをした。
「さてと、そろそろ終わりにしますか」
召喚限界時間も迫ってきたし、残りの魔力を考えても、おそらく次がラストの攻撃になるだろう。
下を見ると、周囲のスライムはかなりその数を減らし散り散りになっており、スライムがかたまっている所と言えば、中心の黒い渦周辺くらいだ。
よく見ると、その黒い渦も先ほどよりもかなり小さくなっている。
特にあの渦に対して何かをした訳ではないのだが……何故だろう。
「……まあ、いいか。帰ったらまたニャリスが誰かに聞いてみよう」
俺は難しい考えを放棄し、フヨフヨと渦の上へと移動する。
そして本日最後の呪文を、気合を入れて唱える。
「――【狂灯】! かーらーのぉーー……――【光爆破】ぉぉぉお!」
――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu…… ――Piguu……
【魔力上昇のレベルが上がりました】
【光魔法のレベルが上がりました】
【連続詠唱のレベルが上がりました】
【レベルが上がりました】
【ワールドクエスト【迷いの森の黒い渦】を開始します】
【迷いの森における魔界の渦・スライムの消滅に成功しました】
【迷いの森におけるスライムの出現率が正常に戻りました】
【魔界の渦・スライム消滅に対する貢献度により、それぞれの召喚者にエクストラスキル及び称号スキルが送られます。また、最多貢献者には【使い魔 スライム】が贈られます】
【エクストラスキルとは、通常スキル枠を消費しない常時発動可能スキルです】
【称号スキルとは、通常スキル枠を消費しない常時発動型スキルです】
【使い魔とは、使用者と魔力を共有する常時召喚型召喚獣です。通常の召喚獣と異なり最大魔力は消費しません。使い魔が死亡した場合、翌日まで再召喚は出来ません】
【ワールドクエスト【迷いの森の黒い渦】の進行度は現在10%です】
【あなたの魔界の渦・スライム消滅に対する貢献度は99%です】
【エクストラスキル 【消化吸収99%】を取得しました】
【称号スキル 【スライムアニヒレイター199%】(スライム種に対して与ダメージ1.99倍)を取得しました】
【使い魔 スライムを取得しました】
「うわぁ……」
やってしまったかもしれない。
今話での主人公成長結果
名前 トリー
種族 魔素族
職業 ルナファイアプランクトン
職業スキル 狂灯
レベル 13》21
魔力 170/1460》3068(1180+1888)
知力 57》87
スキル 魔力上昇10》16 魔力回復上昇10》15 魔力操作10》15
魔力感知10》15 火魔法11》14 浮遊8》13 魔素操作6》8
闇魔法8》10 連続詠唱5》12 光魔法1》13
エクストラスキル 消化吸収99%
称号スキル スライムアニヒレイタ―199%
使い魔 スライム1【消化吸収1】【物理耐性1】【魔法被ダメージ増1】
STP0》40》5 SKP3》19
次回ネタバレ
【消化吸収】
身体接触した対象を消化し、生命力を得る。
いつも応援ありがとうございます。
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