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名前 トリー
種族 魔素族
職業 エリートルナファイアプランクトン New!
職業スキル 【狂灯】 New!
レベル 12
魔力 1330/1330(700+630)
知力 50
スキル 魔力上昇9 魔力回復上昇9 魔力操作10 魔力感知10
火魔法10 浮遊8 魔素操作6 闇魔法8
連続詠唱5 光魔法1 New!
STP0 SKP0》1
現時点での魔力消費量及び回復量
動作内容 魔力消費量 魔力回復量
静止 0 1.9(1+0.9)%/分
日常動作 10/分 0.95%/分
戦闘 20/分 0
魔力操作 10/分 0.95%/分
浮遊維持 10/分 0.95%/分
浮遊移動 38(10+28)/分 0
霧散 10×設定高度(m) 0
高高度待機時 10+10×(高度-5)/分 0.95%/分
高高度移動時 待機時消費量+分速m 0
例)高度11m、分速21m時。10+10×(11-5)+21=91
※浮遊及び浮遊移動は地上5mでの数値です。
※浮遊移動は分速28mでの数値です。最高速度は20+(浮遊レベル)です。
※霧散の最高到達度は5+魔素操作レベルです。
【5日目】
今日も今日とてしっかりと仕事を終わらせ、帰宅後Sed-Dにダイブする。
そういえば今日、違う部署の後輩から不眠について相談された。
俺は一も二にも無くSec-Dをお勧めしておいたが、余りに必死に勧めるので逆に不審がられてしまった。
まぁもし本当に症状が酷いならいつでも声を掛けてくれと言っておいたので、向こうが声を掛けてくるまでは待つことにしよう。
◇◇◇◇
昨日アスラ達に頼まれた通り、今日からモンスター増殖の調査を始める。
俺が頼まれたのは、【始まりの街ファイス】の東に位置する【迷いの森】だ。
昨日レベルが12となり、そろそろ【始まりの草原】の推奨レベルから外れてきた。
推奨レベルを外れると、モンスターを倒してもレベルが上がりにくくなるらしい。
昨日は数が数だっただけにここまで上がったが、逆にあれだけ倒したにも関わらずここまでしか上がらなかったとも言えるかもしれない。
とは言え俺がすることはいつもと大して変わらない。
フワフワと移動しモンスターを狩りつつ、おかしなことがあればアスラ達に報告するだけだ。
ギルドに到着し、ニャリスに変わったことが無いかと尋ねる。
相変わらず忙しそうにしているが、「あなたの行動に比べればどれも正常運転よ」と意味深な軽口を頂いた。
【迷いの森】のモンスターについて尋ねたかったのだが、彼女の忙しそうな姿を見ていると時間をとらせるのは気が引ける。
そこで資料室を利用してみようと場所を尋ねたのだが、「実体化してないのに、どうやって資料を探すのよ」と正論を言われ諦めた。
代読屋なる者もいるらしいが、飽くまで代読するだけで本を探したり何から何まで手伝うサービスはやっていないとのこと。
代読屋はその名の通り文字読めない人の代わりに読み聞かせるのが仕事だそうだ。
どうやら召喚者の中でも、亜人はこの街の文字が読めないらしい。
俺はクエストボードを見た時も普通に読めていたので疑問に思わなかったが、中々細かい設定をしているようだ。
そう言えば魔素族ってどうやって五感を働かせ、言語を発しているのだろう。などと疑問を抱いてしまったが、ギルドでもその辺りは謎とされているらしく、俺が考えても答えは出なさそうなのでそれについては置いておくことにした。
結局ニャリスから簡単な情報だけをもらい、俺は【迷いの森】へと移動する。
普通の人なら徒歩でも30分もあれば着く距離らしいが、俺は【浮遊】を交えて移動したこともあり、一時間程も掛かってしまった。
【浮遊のレベルが上がりました】
「移動手段をどうにかしないと、ちょっとこれは厳しいな」
【浮遊】で魔力を使い、徒歩で魔力回復と移動距離を稼ぐという迂遠な行動をとりつつ、俺は何とか【迷いの森】に辿り着く。
因みにデフォルト状態で軽く走ることも出来るのだが、魔力が回復しないし一定の速度を超えると体が霧散し進めなくなるのでやっていない。
走ると霧散するって……空気抵抗に負けるという事だろうか。
さて、ここ【魔の森】に出てくるモンスターは現在分かっているだけでも9種類。
入り口付近から出現率の多い順として、スライム、ホーンラビット、フォレストスネーク、リトルスパイダー、リトルキャタピラー、フォレストウルフ、ウィスパーバード、リトルマンキー、ゴブリンとなっている。
探索推奨レベルは10~20で、ここの敵は連携をとってくることもあるらしい。
特にゴブリンは武器を使用するらしく、要注意だとか。
とは言え俺は空中を移動するため、他の人よりは難易度が低いのではないかと考えていた。
しかし実際着いてみると森の木々の高さは10mほどあり、優位性が取れるかは微妙なところだ。
「虫系や猿なんかはきっと木の上にもいるだろうしなぁ。鳥は論外として」
リトルブラックウルフたち相手に良い気になっていた俺だが、実はそこまで大したことが無かったことに気付きうな垂れる。
環境の相性の悪さもあるだろうが、これは少し注意が必要だろう。
「消費魔力にも気を付けないとな」
現在俺の浮遊移動可能時間は、ゆっくり動いても40分程。
魔力残量を気にしなければそれくらいという話なので、実際はもっと少ない。
普通に歩けばいいじゃないかと一瞬考えるが、やはり【浮遊】の先にあるものを見てみたいのでその考えは必死に頭から追い出す。
高度を5m以上に上げて移動することも可能だが、例えば高度を地上10mまで上げた状態で【浮遊】によって移動すると、毎分140程魔力を消費してしまうため少し現実的ではない。
戦闘時に敵に攻撃を喰らうくらいならそうした方が消費魔力的には少なるかも知れないが、普段の移動で使える手では無いだろう。
「魔力の補充方法も考えないと」
青芋虫のキャピとの連携によるあの魔力吸収方法は中々爽快だった。
あれはキャピのレベルが敵に比べて高かったことも影響するのだろうが、今後の為にもそういった手段を見つける必要があるだろう。
「動けなくすると言えば……【麻痺】か」
ゲームで定番の状態異常、【麻痺】。
よくあるパターンとしては、【雷魔法】によって引き起こされる状態異常だが……。
「【風魔法】が必要、か……」
雷魔法はおそらく、【風魔法】の進化スキルである【風雷魔法】によって入手出来るのだろう。
しかしそのためにはスキルの枠が足を引っ張る。
「あとは、俺も【召喚】を覚えるかだな」
【召喚】を覚えてキャピの様な拘束可能なモンスターを従えれば、前回同様魔力吸収が可能になるかもしれない。
それに複数体召喚すれば、戦闘の幅も広がるだろう。
ただし召喚モンスターを召喚している間は最大魔力量が低下するらしいので、正直どちらが良いかは判別付かない。
「まあどちらにせよ、先ずはスキルの枠を空けないと」
スキル統合によって、【魔力上昇】と【魔量回復上昇】を【魔導】に、【魔力操作】と【魔力感知】を【魔力同調】に統合することが出来る。
先ずはスキルレベルを20にし、スキル枠を確保することを考えよう。
◇◇◇◇
「あれがスライムか……プチスライムがでかくなっただけだな」
森に足? を踏み入れたところで、早速モンスターを発見した。
【始まりの草原】のプチスライムはハンドボール大の大きさだったが、こいつは一回り大きいバレーボール大。
直接触れなければ特に脅威も無いそうなので、さっさと魔法で沈めてやろう。
「――【火球】!」
――Pugyuuu……
俺の放つ【火球】によって、一撃で沈んでいくスライム。
「ふははは、雑魚め」
レベル帯が上がり通用するのか少し心配していたが、相変わらず一撃で沈んでくれるスライムを見て思わず気分が高まる。
「敵が全部スライムだったらなあ……」
などと馬鹿なことを考えつつ、俺は次の敵を探し漂う。
そしてしばらく経験値箱が続いた頃、近くの木の幹で蠢くものを発見した。
「フォレストスネークか……」
体表を薄茶色の鱗で覆う一匹の蛇。
体はそれほど大きくは無いが、あの位置なら近くを通れば俺に攻撃を与えることは可能だろう。
ホーンラビットが先じゃないのかと文句を言いたいが、ランダムフィールドに文句を言っても仕方が無い。
「早速空中の優位性が崩れるとは……まぁ先に気付けば問題ないか」
近づけば攻撃される危険もあるが、フォレストスネークに遠距離攻撃は無いらしいので魔法で対応は出来る。
俺は適当な距離まで近づき魔法を放つ。
「――【火球】!」
――Gi!? Gisyaaa!
【火球】を喰らったフォレストスネークだが、一撃で死ぬことは無い様子。
そしてこちらに気付き木の幹から一気にこちらへ飛んできた。
「うおっ!? びっくりしたー……」
やや距離があったためか、僅か手前に着地するフォレストスネーク。
俺はその姿にビビりつつも、慌てて【霧散】で宙に逃げる。
「そんなに飛びますか……」
もう少しフォレストスネークのいた位置が高ければ、おそらく俺のところまで届いていただろう。
ファイアボールの射程距離は5m。
現状他の攻撃呪文として【闇煤】や【火波】、それから【火矢】が使用出来る。
前2つは範囲攻撃で射程も5mと【火球】と変わらず、加えて威力も【火球】よりも下がるので却下。
【火矢】に関しては射程は50mで威力は最大で【火球】の約1.5倍程と大きいため使えるように見えるが、この魔法は連続使用可能魔法なので命中率が俺依存なのだ。
しかも普通の矢と同じ扱いで、直線で飛ぶのではなく重力加味という難しさ。
加えて最大威力を出すためには20~30mの間に収めなければならず、それ以外では極端に威力が落ちてしまうらしい。
いつか上空から真下に向かってダダダダダと打ち下ろしてみたいと考えてはいるが、魔力量的にそれはまだ当分先になるだろう。因みに一発の消費魔力量は【ウェーブ】系と同じ15だ。
「――【火球】!」
――Gisyaaa…
【火魔法のレベルが上がりました】
【魔力上昇のレベルが上がりました】
【魔力回復上昇のレベルが上がりました】
【職業がエリートルナファイアプランクトンからルナファイアプランクトンへ進化しました】
【レベルが上がりました】
名前 トリー
種族 魔素族
職業 ルナファイアプランクトン New!
職業スキル 【狂灯】
レベル 12》13
魔力 630/1330》1460(730+730)
知力 50》57
スキル 魔力上昇9》10 魔力回復上昇9》10 魔力操作10 魔力感知10
火魔法10》11 浮遊8 魔素操作6 闇魔法8
連続詠唱5 光魔法1
STP0》5》0 SKP1》3
「ふう……エリートが取れたのに進化とはこれ如何に」
【魔力上昇】と【魔力回復上昇】のレベルが10になったことで、【エリート】職が解除された。
確かに能力は値としては上がっているわけだから進化ともいえるかもしれないが……まぁいいか。
とりあえず現状は一番使い勝手がいい【火球】をメインに使用し、【連続詠唱】を使って【光魔法】と【闇魔法】のレベルアップを図っていくことになるだろう。
STPに関しては、最低限2発で沈めれるまでは知力を上げていき、出来れば【火球】一発で沈められるまでになれば文句なしだな。




