第四十四話☆侵入!結
「何でルーシャだっけ?あんなに結界一つで動揺してたんだろーなー・・・。」
水樹が言った。
「あの鎌は全てを防いできた、強度はかなりある。」
月夜が言った。
「――――――で?」
「結界一つで防げないだろ?」
麗が言う。
「・・・・だから?」
「だから、動揺した。」
「・・・・・・はい?」
「・・・・・・バカ。」
ばっこーん
「今のは理解しなかった水樹が悪いぞ。」
「しかも殴った。」
「・・・・・クッソ・・・・・」
水樹舌打ち。
「そんなに俺の事褒めないでよー♪照・れ・る〜」
「「「キモイ」」」
水樹&麗&月夜即答。
『晶冶泣いたよ。』
ルルが体育座りしてしくしく泣いてる晶冶を指差す。
「・・・・・ほっとけ。」
「待って!?」
『おおー素早いわね、反応。』
ルルが感心した様にして言う。
「五月蠅い、黙るという動作を知らないか。」
麗が−196℃の冷たさで言った。
「冷たいな、ハイハイ。行くぞー?」
仲裁役の月夜。
「月夜ぁ―――――っ!」
晶冶が月夜に飛び付く。
「ハイハイ、静かにね。」
月夜があくまでも冷静に言う。
『・・・・・この先大丈夫かしらね・・・・』
ルルが苦笑いをしながら言った。
「晶冶。」
月夜が小声で言う。
「―――――何?」
晶冶はニコリと笑みながら言った。
「・・・・・何でもない。」
月夜は少し真面目な表情で言った。
――――辛いんだ、晶冶は。
記憶が無い分、人との接触を望む。
過去を作ろうとしてるんだ。
何時の間にか、ダークレイディナンという運命を辿らなければいけない晶冶は・・・
絢芽を、失った。
多分、晶冶は今、暗闇の中に居るんだと思う。
初めて好きになった人を、守れなかった事で
晶冶の心、視界は暗闇に染まったんだと思う。
「何でも無いなら呼ぶなよっ!」
ばしんっ
晶冶が背中を叩く。
「ぐぉはっ!」
「こらー月夜ー、説明聞け。」
麗が言う。
「推測だが、絢芽が居るのはこの最上階だ。」
「どうやって行くんだ?」
水樹が挙手して聞く。
「外は危険だ、螺旋階段があるが、其処を上るとかなり体力を消耗することになる。」
「だから、螺旋階段の真ん中を飛ぶって事?」
晶冶が言う。
「泣き止んだか、そう言う事だ。」
「でもどうやって行くんだよ。」
「それは晶冶の結界で。」
「ふーん、じゃあ空中戦になるんだね。」
「そう言う事だ。」
『じゃあさっさと行った方がいいわね。』
「晶冶、結界準備。」
「OK☆」
晶冶の両手が光る
半透明の黄色い結界が綺麗に六つ出来る。
「ハーイ、分量は同じだからどれでもいいよー♪」
晶冶はにこっと言う。
「・・・・・オイ。」
水樹の眼が半分になる。
細―――い目で晶冶を見る。
そして、叫ぶ。
「こんな液体でどうやって乗るんだぁ!?」
八重歯が見えるほど大きく口を開けて叫んだ。
「まあそんなに怒らないでーとりあえず乗ってー?」
晶冶は少し焦っていった。
水樹は渋々液体っぽい球体に足を入れた。
「――――――――きゃぁっ!?」
「お―――――♪ベストアングルー♪」
「殺す!!」
ベストアングル・・・・一番良い角度。
「おーろーせぇぇぇぇーっ!!!」
水樹が叫ぶ。
「はいはいー♪」
パチンッ
指を鳴らす。
「ノーアイムノ――――――――トッ!!!?」
落ちました
水樹落下
しかも訳の分からない英語を言いながら。
「なんで‘いいえ、私じゃありません’なんだ?」
否定文です。
「まあ気にしない〜」
とうっ
晶冶はそう一言言って、跳んだ。
「キャ――――――――ッチ☆」
お姫様抱っこ再び。
「一人で降りれる!!」
飛び蹴り。
晶冶は綺麗に弧を描いて落ちて行ったのだった・・・・・。
「大丈夫なのかこんなんで・・・・・。」
麗が溜息交じりに言う。
「大丈夫大丈夫・・・・」
月夜の言葉は全くと言って慰めにならなかったのだった。
水樹にツンデレ要素を入れてみました!(え。
でもツンデレと言ったらやっぱツインテールだよn(殴 強制終了。