第四十二話☆侵入!霧
「時間が迫ってる、急ぐぞ。」
『あと・・・・四日かしら。』
「そうだ!!」
麗はさらにスピードアップした。
「水樹大丈夫ー?」
晶冶が爽やかな顔で言う。
「大丈夫だ。」
逃げ足速いしな、しかも足蹴り得意だし。
運動会とかぶっちぎりで一位だったし。
でも帰宅部。
そんな事を考えながら水樹は走った。
「――――――予定よりも早く着いたな・・・・・。」
「俺が飛行用結界出したからだよー」
「お前が勝手に使ってたからだ。」
「まあ良いけど。」
「水樹は優しいねーこの冷徹双子とは違ってー」
麗と月夜の眼が赤黒く光る。
「天麗刃・・・・・!」
「清龍刃・・・・・!」
お、久し振りですね、その剣の名前。
「きゃぁ――――――っやめるさぁっ!!」
晶冶が頭を押さえながら言う。
「目が紅いのは俺で十分だしぃー」
ちらり
晶冶が視線を向ける。
月夜と麗の眼は蒼黒く光っていた。
「えぇ―――――!?目の色ってリバーシブルなの!?」
「「正解!」」
晶冶の首元に切先を向ける。
「にゃ―――――っ!ねえ!君達味方だよね!?」
「「場合による。」」
「即答!?」
晶冶が逃げる。
後ろに跳躍する。
「馬鹿・・・・・。」
水樹は呆れ切ったように言った。
「怖いよーっ水樹助けてーっ?」
晶冶が水樹の後ろへ隠れる。
・・・・・
少し沈黙。
「・・・・・DEATH・・・・!」
水樹の眼が紅く光る。
「――――死ッ!?死って言ってるよね!?」
晶冶の顔は蒼白していた。
「「「正解ィ―――――――――!!!」」」
晶冶は、天国へと旅立った。
「いやいやいや!!!」
残念、結界で攻撃を防いでいました。
水樹のパンチと月夜&麗の双子キックを、同時に。
少しひび割れていた。
「・・・・・・ちぃっ」
人を安易に殺せそうなオーラを放ちながら水樹は舌打ちした。
「ひぃぃっ!」
晶冶が後ろへまた跳躍。
『あんたらねー予定より早く着いたんだから早く行かないと時間が無駄になるでしょ?』
ルルが言う。
月夜と麗と水樹は少し黙り込み。
「・・・・・分かった。」
と言った。
晶冶が脱力して、座り込む。
「・・・・・行くぞ。」
麗が何時もの蒼紫の眼で言う。
冷静なその眼で。
「・・・・分かったさーっ!」
晶冶は起き上がると、麗に飛び付いた。
「のうわぁ!?」
麗動揺。
「レッツゴー♪」
絢芽の為に
奪還・・・・・・
「お兄ちゃん・・・・・・」
月花が呟く。
不安げな眼差し。
「私達の――――封印が解ける・・・・」
月代のツインテールが揺れる。
「苦しい?月代。」
月花が心配そうに言う。
「ちょっとだけだよ」
月代が笑う。
「カラーの力が・・・・大きくなってってるよ・・・・。」
「私も・・・・同じ・・・・。」
透き通るような茶色い眼で月代と月花は少し、目を閉じた。
「月代ー月花ー行くぞー?」
水樹の声
ゆっくり目を開ける。
「「はーいっ♪」」
明るく返事した。
そして、駆け寄る。
黒い鉄製の柵の様な門。
「開くぞ・・・・・」
水樹が言う。
「良いよ〜早くしてー」
晶冶がニコニコしながら言う。
ギィィ・・・・
重い音がし、門が開く。
廃墟のような城が聳え立つ。
「何処まであるんだろーねーこれー」
霧で最上が見えない。
「さあな」
「入るぞ・・・・」
水樹達が全員門を通り抜ける。
後ろは振り向かなかった。
門が独りでに動き、閉まる。
風の無い城への入り口。
霧だけがただただ続いていた。
す・・・すっごく久し振りです><
いやー暑いですねー秋来るんですかね〜
暑いのは比較的平気なんですが、寒いのは駄目なんですよー
でもやっぱり常温が一番ですよねっ!(結論)