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第二十八話☆大切な存在・後編

後編です!ちょっと暗い内容ですが、頑張って書きました〜>▽<

嘘だと思いたかった


仏壇で微笑む母親を

写真でしか思い出せない姿を


水樹・十歳


「ただいま・・・・・お母さん・・・・・。」

おかえりと言う言葉は無かった。

あの微笑みも

綺麗な顔も


認めたく無かった。


オレは強くなろうと思っていた

何か守れる様に

一つでも良いから

何か、守れる様に・・・・・・・


そう思っていたら人から避けられていた

オレが戦ったから

絡んで来た奴を倒した

それだけ

多分良い事をしたんだ

でも

それが

イケなかった

皆が避ける

オレの顔を見ては噂する


―――――――水樹ってさー何かさー柊中の男子半殺しにしたんだってよ〜?

―――――――怖い〜っ

―――――――近付いたら殺されるぞ!


「オラオラ〜水樹ちゃーん?」

「お母ちゃまが居なくて寂しいでちゅか〜?」

そうやって茶化す男子が居た。

「ホラホラ〜?寂しがらず言ってみな〜?お母さん〜!ってよ〜?」

オレは思った

一回体験してみたら?

苦しみと恨み

悲しみと憎しみ

何の感情か言い表せない

感情を

「五月蠅いんだよ」

「ああっ?」

男子の眉がピクリと動く

「幼稚なんだよ、頭がさ」

見下した様に言った。

「何だとテメェッ!」

殴り掛かる男子

「・・・・・!」

ギリで交わす。

そして、腹に一発。

「かはぁっ・・・・・!」

力無く男子は倒れた。


また、やっちゃったなぁ・・・・・。


「水樹!またお前か!!」

違います、男子です。

「全く・・・・・だから親の居ない所は・・・・。」

先生など、当てにして無かった。

所詮、同じなんだ。

父親と

時々女子達がオレに向って話し掛けてくる。

無視した。

独りの方が落ち着いた。

何も無くて良かった

在ってほしかった存在が消え失せたから。

何も要らなかった。


父親が帰ってくるのは二週間に一度程度。

最悪だと一か月帰ってこない時があった。

なのに、教師は何もしないし

支えてくれる友さえ居なかった。


そして、中学に入った。


変ろうなんて思わなかった。

自分は自分だから

何にも変えられない

自分だから

私立に入った。

誰にも負けたくなかった


自由だった

「水樹っ!」

友達も出来た。

美来ミライ・・・・。」

「元気無いね?」

「別にー?」

曖昧に答えた。

「そういえばさー」

「ん?」

「CD返して〜一週間貸してる〜」

「あ、忘れてた。」

「忘れるな!」

「悪い悪い〜」

「全くもぉ〜」

ごく普通の会話だった。


水樹・十三歳


ガッシャ―――――――ンッ


ガラスのコップが割れる音でオレは眼が覚めた。

またか・・・・・

父親が帰って来ていた。

何に向って言っているか分からないが、何か話している。

「はぁ・・・・・。」

溜息しか出なかった。

(きれていた。

こんな生活にも

こんな父親にも

こんな自分にも

厭きれていた。


時折、父親はオレに向って暴力を振る様になった。

「お前が母さんを殺したんだ!!」

そう言ってオレに向って暴力を振るっていた。

オレは黙ってそれを受けた。

悲しくなかった

涙も出なかった

辛かった・・・・・。

オレは捨てられていると思っていた。

悲しかった

涙は出なかった。

泣かないと決めた。

泣いたら終わりと思った。


大丈夫、大丈夫

そう言い聞かせて

辛くは無い、辛くは無い

そう元気付けて


今は滅多に父親は帰ってこない。

時々仕送り的なお金が郵便受けにあるだけ。


一人は楽だ

何にも囚われず

自分の描線を描き続けられる


魔法の様な毎日


そんな中


オレは過ごしていた・・・・・・



三十話まであと少しですね!

頑張りマッス>▽<ノ

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