第二十七話☆大切な存在・前編
今回も前後編です!
読んで下さいι=W=
「お母さんっ」
水樹・六歳。
幼い
幼すぎた頃
「なぁに?水樹」
ただただ母親の温もりで育っていた頃。
「えへへ〜っ」
オレはお母さんに抱き付いた。
大好き
そう伝える
言葉にしなくても伝わる
お母さんは、なくてはならない存在だった。
――――――――だけど
「ちょっと!貴方、止めて!!」
父親は酒乱だった。
しかも滅多にオレと顔を合せなかった。
オレの事を、嫌っていた。
そうしか、思えなかった。
「五月蠅い!お前は黙って俺に従えばいいんだ!!」
父親が 許せなかった。
笑顔の母親の笑顔は この時だけ
消え去っていた
嫌だった
母親の笑顔が消えて
涙が伝う頬が
叫ぶ口の形が
悲しみに染まった瞳が
全て、父親の所為だ
怨んだ
何度も思った
―――――父親が、消えてしまえばいいのに・・・・・・!
自分には何も出来なかった
そんな自分が許せなかった
でも、如何し様もなかった
――――――でも
プルルルルルルッ
電話が鳴る
オレは学校から帰って来たばかりだった
カチャッ
「はい、衣雲です。」
『衣雲さんのお宅ですか?市立総合病院ですが――――――』
男の人の声
「えっ!?」
―――――――――お母さんが、倒れました。
体の力が抜けた
呼吸など、忘れていた
脱力して、感情が消え去った。
体に流れる血液が、冷たくなっていた。
オレは走った。
何も思わずに走った。
「お母さんはっ!?」
集中治療室の前の椅子に、父親が座っていた。
鬼のような形相で。
「・・・・・水樹・・・・・!」
そして
「お母さんをどうしたら助けられる・・・・・・!?」
そう言ってきた。
今更何を言ってんだ
「駄目なんだっ!アイツが居ないと・・・・!!」
お前は何を言ってんだ
お前の所為なんだ!
全て――――――――――――――――・・・・・・!!
「お父さん・・・・・・」
オレは言った
「っ!水樹!何だ?!」
父親はオレに縋り付いて言った。
オレは全ての元凶に言った。
「お父さんがお母さんの身代りになって死ねばいいんだ!!」
オレは父親の手を振り払った
裏切者の手を
力尽きた様に震えていた手を
オレは、振り払った
走った。
病院を出て
行く当ても無く
走り続けた
辿り着いた先
湖だった
手が草で切れて痛かった
血が出ていた
気にならなかった
何で
何で
何で――――――――――――!
要らない
こんなの
要らない
何も要らないから!
返して
お母さんを
返してよ――――――!!
「いやぁあぁあぁぁぁああぁぁぁぁああぁああぁっ!!!」
叫んだ
力が有り余る限り
全て、アイツの所為だ
怒りと恨みが混ざり合う
裏切者・・・・・・!
そう思って泣いた
何時だっけ
そう思う位前に
話した
「お母さんはどうしてお父さんと結婚したの?」
幼稚な質問だった。
「ん〜そうね。」
お父さんは仕事で居なかった
何時もの事だ
「ねえ〜教えてよぉ〜」
お母さんの膝を揺する
「ん〜お父さんはね、格好良いお仕事をしてるのよ?」
「カッコいい?どんなお仕事?」
「消防士さんなのよー」
「消防車さんなんだ〜」
「ちょっと違うけどいいか〜」
「良いの〜」
膝に頭を乗せる
「だからね〜お父さん火事を消すんだよ〜」
「すごーい!」
「だから格好良いから結婚したのよ?」
「へ〜」
「分かったかな?」
「分かった〜」
幸せだったあの頃を思い出して
泣き叫んだ
‘お母さん’
と――――――――・・・・・
嫌になった
こんな自分
たった一人の人でさえ守れない自分が
恨めしかった――――――――――・・・・・・・
続きます・・・・・!
何かひぐ●しみたいになってしまった・・・・・!
気にしない気にしない♪




