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第十六話☆現実!

エイプリ〜ルフ〜ルですね〜!

私が一番楽しみな行事です〜!

どんな嘘をつこうかワクワクします☆

月夜ツキヤ――――っ!」

ライ!?」

俺達は幼かった。

「待ちやがれっ!!」

俺達は追われていた。

ショウもない大人に。

「待てって言われて待つもんか!!」

「追いつかれるぞ!?どうする?月夜!!」

「戦う!!」

了解ラジャー!!」

「こんの餓鬼がぁ―――――!!」

「っらぁぁっ!!」

ガァンッ

相も無い大人の頭にバケツの角が当たる。

「逃げるぞ!麗っ!!」

「OK!月夜!」

相も無い日々。

だけど、それが面白かった。

「――――ただいまっ!!」

「あら?また喧嘩?」

母親は、優しかった。

綺麗だった。

「大人が何もしてないのに襲ってきた。」

「ふふっ、また何かしたんでしょう?」

「あ、麗怪我してる!」

「あー平気平気っ!」

「血が出てる〜!」

「平気だってば。」

楽しさ時々無茶

少しは我慢する事が有ったけど。

「あらあらっ、大変!」

そうやって毎日を過ごしていた。

永遠だと思っていた。

きっと―――――・・・・・


俺達が少しずつ大人に成り掛けていた頃。


「最近ダークレイディアンが此処の近くに出現してるんだってさ。」

最初はそんな話だった。

別に、他人事だと思っていた。

「ふーん・・・・。」

「どうやったら逃げられるかな。」

麗が何気なく言った。

「さー・・・俺達が剣とか持って戦えばいいんじゃない?」

「敵を真っ二つにするとか?」

「残酷だな。」

「そうだね。」

昼下がり。

俺達はダークレイディアンなんて見たこと無かったから

何も、知らなかった。


――――――でも


そんな事じゃ済まされない事態が来た。


「うわあぁぁぁぁっ!!」

「キャァァ――――――!!」

叫び声が飛び交う。

「麗!月夜!」

母親は言った。

俺達は家の端でウズクマっていた。

「近くなってきたね、月夜・・・・。」

「助かる事を願おう・・・・・?」


ズンッ・・・・ズンッ・・・・


近くなるにつれ、鼓動が高くなっていった。

近くなるにつれ、人々が死んでいった。

「怖いっ・・・・・!」

麗が震える。

「大丈夫だから、俺達の所には来ないから・・・・。」

可能性は無かった。

だけどその可能性に賭けるしかなかった。


ザァンッ


「―――――来た・・・・っ!」

「静かにっ!」

怖い

怖い・・・・

来ないでっ!

俺達は思った。

「麗、月夜・・・・。」

「・・・・?」

「お母さん?」

「貴方達にサズけたい物が有ります・・・・・。」

「・・・・・・え?」



ガァンッ



ザァッ


「お母さ・・・・・んっ・・・・・!」

「分かり・・・・・ました・・・・・か・・・・・・?」

掠れた声

母親を、紅が染める。

分からない

分かりたくない・・・・・・っ!



      ダークレイディアンの爪で貫かれた母を――――



「―――――――!!」

「お母さんっ!!」

ボトリッ

爪から母親が俺達の前に落とされる。

紅が広がった。

「――――――麗・・・・・・!!」

「・・・・うん・・・・!」

「行こう!」


―――――裏に箱が有るはずです、其処の中に貴方達の必要としているモノが有るはずです・・・・!


母親の言葉を必死に思い出して裏へと走った。

怒りの感情が、俺達を走らせた。

何も怖くなかった。

麗が居たから。

「有った・・・・・!」

「開けよう!」

麗はコクリと頷いた。

古く、金具が錆び付いていた為、案外子供の力で開けられた。

「―――――剣?」

「剣だね・・・。」

箱には、月夜と麗の名前が彫られた刀が入っていた。

「戦えって事か・・・・・?」

「みたいだね・・・・。」

「戦う?」

「当たり前だろ!?」

剣を箱から取り出す。

少しだけ、重かった。

俺達は走った。

剣の扱い方など知らなかった。

でも、やれる気がした。

「ああああああああっ!!」

叫んで、怨むべき相手ダークレイディアンに斬りかかろうとした。


――――――だけど


「月夜!!」

「―――――・・・・・っ!」

貫かれた胸。

紅が染める。

誰か、教えてよ

俺が、どうなっているのかを・・・・・


「――――可哀想に・・・・・。」

俺を見て、誰か・・が言う。

――――誰・・・・・?

「幼くしてこんなに力が有るとはね・・・・・。」

「月夜!」

麗・・・・・!来るな・・・・・!!

駆け寄ってくる麗。

俺はそれを拒絶しようとした。

「来るな・・・・・・!」

「え・・・・・?」

俺は、力の限りで言った。

麗は傷付くかもしれないけど

近寄らせたらいけないと思った。

それだけ

「生きたいか?」

俺に向って誰かの声がする。

「無理・・・・・。」

「可能だ。」

――――――!!

生きれるのか?

可能なのか?

本当に――――・・・・

「生きた・・・・い・・・・!」

「そうか・・・・・。」

生きたい

それだけが望みだった。

「では、お前もダークレイディアンに成る事を誓えるか?」

―――――――え?

「安心しろ、お前の場合は俺の操れる時間がかなり制限される。」

滅多に操られない。

そう言っている様なモノだった。

「誓・・・・う・・・・・!」

「では―――――・・・・・。」

そう言ったきり、俺の意識は途絶えた。


「―――――月夜!」

「・・・・・ん?麗・・・・・?」

「良かった〜!生きてる!」

「お兄ちゃん〜」

「・・・・あ、月代ツキヨ月花ゲッカは?」

俺達には幼い妹がいた。

子供と老人は優先的に逃げられるようになっていた為、月代と月花は避難所に避難していた。

「えへっ♪お兄ちゃん!」

「あ、居た!」

「お兄ちゃん〜♪」

「お〜!おりゃぁっ!」

「きゃぁんっ!」


変わらなかった。

俺がダークレイディアンに成った事以外。

何も、

変わらないと思っていた。


「――――殺祢アヤネ・・・・・。」

「ハイ。」

「あの小さい女双子にやっておいたか?」

「例の――――・・・・‘育成を止める術’ですね。」

「ああ・・・・・さて・・・・。」

冷太ダレカは空を見上げながら言った。

「いつになったら気付くかな・・・・・?」

そう言って、笑った。


それを知ったのは、いつだっただろうか――――――――・・・・・・。


分からない

分かりたくない

現実だった。



今回は月夜と麗の過去を書きました!

月代と月花は後々登場させます!!

頑張りマッス!

評価&感想!じゃんじゃん募集中です!!

ではではこれからも頑張ります!!

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