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転生サーガ~異世界勇者録~  作者: よっちゃん
第3章・ジン編
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倒すべき宿命

 仁は慌てて外に出たが、その頃には灰色ローブの集団は消えていた。彼は慌てて、連中が歩いた軌跡を辿った。その途中でジャンヌと鉢合わせになった。

「おい、見たか?」

「ええ。やはり現れたようですね。あのローブを着ていた連中は、私達の倒すべき男の送り込んだ先兵達です。奴らは勇者となる器を持つ人間を片っ端から攫っています」

「どこに連れて行ったんだ?」

「異次元の扉を使用して、異なる次元の世界に連れて行きました」

「異なる次元だと?」

「はい」


 ジャンヌは仁が興味を持ったせいか、静かにこの世界のことについて語り始めた。

 かつて、世界は二つあったという。一つはガイア世界。仁達が存在する科学の発達した世界で、彼らは地球と呼んでいる。そしてもう一つがブリタニカ世界。ガイアとは異なる次元に存在しており、魔法という力が発展している世界である。


「基本的に二つの世界間を行き来できるのは、私達「統制者」、あなた方が神と呼んでいる存在のことですね。それ意外に次元を超えて、異なる世界に行くことはできません。しかし、ある男がそれを実現してしまった。その者の名は魔王・ギース。かつてブリタニカ世界を征服しようとした男です」

「おいおい、ギースって何者だ?」

「ギースは人でありながら魔族になり、当時の魔王と組んでブリタニカを闇に包もうとした。しかし、勇者リオンと仲間達の活躍により、魔王は滅び、ギース自体も闇へと追放されたのです。しかし真相は違っていた。ギースは闇の中で、異なる時代に移動する能力を身に付けました。彼はそれを使って現在、過去、未来と、様々な時代に行きましたが、結局、どの時代でも彼は成功しませんでした。結果、彼の勝手な行動により、平行世界がいくつも誕生。世界は二つどころか、数えきれないほどの量にまで膨れ上がってしまったのです。彼は七本の聖剣を使って、特に自分が気に入らないと判断した世界を滅ぼそうとしています」


 二人は空き地に向かうと、先程の灰色ローブの集団が、青い魔法陣の中に、町の人達を次々と魔法陣の上に立たせた。その中には結奈の姿もあった。


「結奈」

飛び出そうとする仁の腕をジャンヌは掴んだ。結奈達は光に包まれ、何処かに飛んで行ってしまった。

「ダメです。今出るのは危険」

「あいつらも魔法陣に入って行ったぞ」


ローブの集団が魔法陣から飛ぶと、魔法陣はそのまま消えて、ただの砂に戻っていた。仁はそれを見て、怒りで歯を噛み締めていた。


「結奈は関係無いだろ。アイツはうるさい奴だが、大学入試のために、毎日勉強していた。クラス委員だってしていた。なのに何故、こんな目に遭わなけりゃならないんだ」

「とにかく聖剣を抜きましょう。私ではなく、あなたが抜かねばならない。今、確信しました。あなたはやはり勇者の器であると。その悪を憎む姿は本物であると」


仁は空き地の中心に突き刺さっている聖剣に触れた。すると、物影から、拳銃を構えた少女が飛び出して来た。

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