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転生サーガ~異世界勇者録~  作者: よっちゃん
第3章・ジン編
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ジャンヌとの出会い

「うあ・・・・ここは?」

 ルミナスは仁の部屋のベッドで意識を取り戻した。全身打撲のせいか体が重い。仁は冷蔵庫から氷を持って来ると、相変わらずの悪い眼つきで、ルミナスを見下ろしていた。

「ほれ、頭を冷やせ」

「あ、ありがとう・・・・」

「お前は何者だ?」

「僕はルミナス。ある男に復讐するために旅をしていた」

 

 ルミナスは上流貴族の一人息子だった。父は貿易関係の仕事に就いており、詳しいことは子供の彼には分からなかったが、彼は父を尊敬していた。母は美人だったが体が弱く、いつもベッドの上にいた。

 ルミナスの夢は父の仕事を継ぐことであり、そのための英才教育を受けていた。何不自由無い暮らし。誰もがルミナスを羨んでいた。しかし、そんな日々も突然終わりを告げる。


 ルミナスはいつものように、病弱な母の代わりに買い物に出掛けた帰り、彼の家が炎に包まれているのを発見した。彼は手荷物を投げ出すと、家路を急いだ。

「お母様、お父様」

 そこには父の姿も母の姿も無かった。ただ、業火の中に、人型の影がルミナスをじっと見ていたのだ。

「君が助かったのは偶然じゃない。これが君の宿命だったのだ」

 影は炎の中でルミナスに語り掛けて来た。声は男性のもので若かったが、同時に威厳を感じる声でもあった。


「き、君は誰だ?」

「私のことなどどうでも良い。ところで、君には才能があるようだな。その才能が開花したら私に会いに来ると良い」

 影はそれだけ告げると、炎の奥へと消えて行った。ルミナスは両親を殺し、家を焼き払ったのが、その影であることを直感で知った。その後、彼は影の男の予言通り、ある日突然、不思議な力に目覚めたのであった。


「お前の過去と、俺を襲ったのと関係があるのか?」

「まだ話に続きがあるんだ。僕はその後、影の男と出会ったんだ。そこで男と闘った。しかし、そこから先の記憶が無いんだ・・・・」

 ルミナスは頭を押さえて、その場に蹲った。思い出そうとしているらしい。

「ダメだ。思い出せる気が全くしない。記憶が欠落している」

「けっ、俺には関係無いがな。いずれにせよ。その体じゃ当分は動けない。そうしちまったのは俺だが、別に謝らないぜ。襲って来たのはお前の方だからな。それに、厄介な客が来やがった」


 仁は窓から外を覗いた。玄関前に結奈が立っていた。そしてインターホンに手を掛けている。

「鞄を預けた挙句、学校サボったから怒ってんだな。面倒臭いぜ」

 仁は立ち上がると、ルミナスをベッドに寝かせたまま、階段を降りて、気怠そうに欠伸をすると玄関の戸を開けた。

「悪いな。今は取り込み中だ」

「何が取り込み中よ。バカ」

 結奈は仁の顔に彼の鞄を投げつけた。仁はそれをキャッチすると、結奈の顔を真剣な表情でマジマジと見つめた。


「な、何よ?」

「顔色悪いぜ。どうした?」

「あ、ちょっとね。熱あるのかな。少しだけ体が怠い」

「家まで送ってやるよ。倒れられても迷惑だ」

 仁は結奈の前で背中を向けると、両手を出して、彼女をチラッと見た。

「ほら、おぶってやる」

「え、良いよ。別に・・・・」

「良いから早くしろ」

「うう・・・・」


 仁は結奈を背負った。結奈の家は隣なので、そこまでする必要は無いのだが、彼はいつも結奈が体調を崩した時は、彼女を背中におぶっていた。

「ほらよ。さっさと休め」

「はいはい」

 仁は結奈が家に入るのを見届けると、そのまま宮代家の庭から出て行った。そして自宅へと歩いている途中に、奇妙な気配を感じ立ち止まった。


「あらあら、私の存在に気付いていましたの?」

「ああ?」

 仁の背後には、朝見掛けた金髪の美女が立っていた。相変わらず白いドレスに身を包んでおり、これから結婚式でも挙げるのか、思わず聞きたくなるほどに派手な格好をしていた。

「申し遅れました。私の名はジャンヌ。神などと呼ばれることもありますね」

「あんたさあ。マジでヤバイって。年齢的には20代前半ってところだろうが。そろそろそういうのは卒業した方が良い。それともラリってんのか?」


 ジャンヌは溜息を吐くと、急に真剣な眼差しになった。

「時間がありません。要件を伝えます。あなた、家の中に人を匿っていますね。ルミナスという少年を」

「何だ。あいつ、あんたの知り合いだったのか。劇団でもやってるのか?」

「彼はあなたに何かしましたか?」

「いきなり喧嘩を売られたぜ」

「やはり、彼は操られていたのですね」


 ジャンヌは一瞬俯くと、すぐに顔を上げて、仁の元に静かに近付いた。

「来てください。あなたに見せなければならない物があります」

「俺にだと・・・・」

「早くしないと、あなたの大事な人が全員消えることになる」

 ジャンヌは仁を連れて、近くの空き地に向かった。

 

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