表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生サーガ~異世界勇者録~  作者: よっちゃん
第3章・ジン編
74/243

紅色の爆弾(クリムゾン・ナパーム)

 金髪の美女の言葉に、仁と結奈はヒソヒソと、美女に背を向けて何かを相談していた。

「ね、ねえ。あの女の人大丈夫かな?」

「相当ラリってるな。関わり合いにならねぇ方が良いだろう」

 仁と結奈は美女を無視すると、そそくさと学校に向かって歩き出した。美女はその姿を見て、ニコッと微笑んだ。

「また、後でお会いすることになるでしょうね・・・・」


 学校、仁にとっては久しぶりの真面な登校だった。結奈と仁は同じクラスなので、教室まで一緒に行くのだが、校舎の前にいる人だかりを見て、二人同時に足を止めた。


「何だ・・・・」

「有名人でもいるのかな?」

 仁は人だかりの中に割り込んで行くと、校舎の壁が不自然に崩れているのを発見した。解体工事の途中のように、外部から破壊されていた。仁は視線を感じると、思わずその方向を向いた。

「ふふふ・・・・」

 学校の外の緑色のフェイスの前に、帽子を被った小柄な人が立っていた。帽子のせいで髪型が判断できないというのもあるが、肌は色白く、顔も少年にも見えるし、ボーイッシュな少女にも見えた。帽子の人物は、ニヤニヤと仁の方を向いて笑っている。


「ちっ、今日はイカレ野郎ばっかりだぜ」

 仁は鞄を結奈の方に投げた。

「わ、ちょ・・・・」

 鞄を慌ててキャッチした結奈は、校門の外へと走って行く仁を見て叫んだ。

「待て、このおおおお」

 時すでに遅く、仁は学校から出ると、さっき帽子の人物がいたフェイスの前に来た。帽子の人物は、仁に手招きをすると、住宅街の中に入って行った。


「待ちやがれ。お前は何なんだ?」

 仁は帽子の人物に向かって、履いていた革靴を飛ばした。靴は頭を掠めると、被っていた帽子を地面に落とした。

「お前は男か?」

「僕は男だよ」

 帽子を拾いながら、小柄な少年は笑った。髪は赤色で、少年らしいクセの無い短い髪型、そして頭のてっぺんには、クルリと先端が丸まっているアホ毛が付いていた。少年は変声期前のボーイソプラノの声色で、男装した少女にも見えて来た。


「本当に男か?」

「んもう。しつこいな。だからそうだって言ってるでしょ。それよりもお兄さん。僕に付き合ってよ」

 少年は屈託のない笑顔でそう言うと、再び仁に背を向けて歩き始めた。

「クソガキが・・・・」

「町外れの倉庫に行きたいんだ。そこで話をしよう」

「俺はお前なんぞと話したかないがな」


 しばらく歩くと、少年の言葉通りの倉庫に辿り着いた。倉庫の周りには荷台やら、空っぽのダンボール箱が無造作に置かれており、人の気配は感じられなかった。

「中に入って」

 少年は倉庫の中に入ると、仁にも入るように促した。

「悪いが。俺は入らないぜ。お前は何者だ。学校の校舎について何か知っているのか?」

「おほん。質問は一つずつにしてよ。まずは僕の名前だね。僕の名はルミナス。あるお方のために、君を始末しに来たんだ」

「始末だぁ~?」


 仁が茶化すように言うと、ルミナスの顔が不愉快そうに歪んだ。

「あまり僕を馬鹿にしないで欲しい。僕の能力の前には君は無力なんだからね」

「能力だと。厨二病かお前は・・・・」

「現代魔法。超能力とも呼ばれるある種の才能。それは千差万別で、魔道士達が使う古典魔法とは異なる軸に存在する力。見せてあげるよ。僕の能力を。紅色の爆弾(クリムゾン・ナパーム)


 ルミナスはポケットからナイフを取り出すと、それを自分の手首にそっと当てた。

「おい、何してんだ?」

「えへへ。見ててよ」

 ナイフの先端が、ルミナスの手首を傷付けた。そしてドクドクと手首から鮮血が流れ、床の上にも零れた。まるでガソリンのように地面を伝わると、仁の足元で血の流れが止まった。


「ちっ、汚えな。靴に血が付いちまったぜ」

「終わったね。僕の勝ちだよ」

 ルミナスはニコッと笑うと、開いていた右手をギュッと握り締めた。

 突然、仁の足元が白く光った。そして轟音とともに地面は火を噴き、巨大な爆発を起こしたのだった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ