表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生サーガ~異世界勇者録~  作者: よっちゃん
第2章・アベル編
69/243

二つの激闘

「ぬうう・・・・」

「ふん」

 アベルとゴルゴンは対峙すると、互いに睨み合いになった。ゴルゴンはルカを諦めたのだ。そしてその代わりに、アベルとシェイミを確実に始末する方へと作戦を変えた。

「悪いがな。俺にはお前を倒す秘策が・・・・ごふ」


 語尾がおかしかったのはアベルのせいではない。ゴルゴンの右ストレートがアベルの顔面に炸裂したからだ。

「アベル。くそ、ならば私が」

「馬鹿な奴らだ。人間如きが我らに敵うか」


 アベル達がゴルゴンと闘っていた頃、ルカは彼らの援護によりゴルゴンを抜け、大空洞の最深部へと足を踏み入れていた。そこには見るも悍ましい光景は広がっていた。

「何てこと・・・・」

 百戦錬磨のルカでさえも眼を覆いたくなるほどの惨状。ルカを取り囲む周囲の壁には、全裸の人間達が壁に埋め込まれており、顔と腹部、腕だけを外に出していた。彼らは食糧なのだろう。ルカは瞬時にそれが分かった。


「ごめんなさい。助けられなくて・・・・」

 ルカは死んだような眼で彼女を見下ろす人々の中を潜り抜けると、一つの小部屋に辿り付いて、そこにある、赤と金色で装飾された玉座の上に座るゼウスの姿を発見した。

「まさか、こんな所に・・・・」

 ルカが慌てて壁に身を隠そうとした瞬間、玉座からゼウスが立ち上がった。

「そこにいるのだろう。隠れていないで出て来れば良い」


 ゼウスはルカの存在に気付いていたようで、ルカの方を向いてニヤリと不敵に笑っていた。

「どうやら、バレてたみたいね」

「ふん、貴様が誰かは知らぬが、貴様はかなりの実力者だな。私には分かるぞ。この世界で恐らく最強。私の次にだがな・・・・」

「あんたの次と言われても嬉しくないわ。悪いけど、一撃で仕留めさせてもらう」


 ルカは構えた。ゼウスも同じように緊迫した面持ちで、その様子を見守っていた。

(こいつ、このコロニー自体を破壊する勢いだな)

 ゼウスには分かった。ルカの体内に流れる血液の流れが。彼女は本当に一撃で自分を仕留めようとしている。全ての魔力をこの一撃に込めている。


(私の魔力を全て解き放てば。そうすれば・・・・)

 ルカは拳に魔力を溜めた。外せばそれまでだ。この一撃で世界の命運が決まる。それは大袈裟な話ではなく、紛れもない事実だった。

「呪文・ギガブレイク」

 ルカの右拳に眩い白い光の玉が、まるでボクシンググローブのように付いていた。

「全ての魔力を拳に込めたのか」


 ルカは勢いをつけて、ゼウスに向かって行った。そして拳をゼウスに放った。

「当たると思ったか」

 ゼウスは背後に跳んで、それを避けた。しかしそれを見たルカの顔に、動揺は見られなかった。まるで分っていたかのように、ゼウスの足元を拳で殴り付けた。

「き、貴様。最初から私に直接当てるつもりは無かったのか・・・・」

「ええ、欲張らないことにしたの。あなたに当てようとして避けられるよりは、威力は下がるけど、確実にヒットする、あなたの足元に当てる方が効率的よね」

 

 ゼウスの周辺一帯が光に包まれた。そして巨大な爆発を遂げると、大空洞の形自体を大きく変貌させてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ