見た目ロリ、中身はババア
シグマが何故究極の生命体と言われているのか。理由は三つある。一つ、高い繁殖力。奴らはコロニーと呼ばれる巨大な蜂の巣を作り、そこで一日単位で大量のシグマを生み出すことができる。その二、高度な適応力と学習能力。奴らは一度受けた攻撃に免疫を造ることができる。つまり、同じ攻撃を二度喰らうことは無い。その三、有り余る生命力。奴らは真空中でも活動でき、また主な餌は動物性タンパクであるが、何も食べなくても、一か月は生存可能。
アベルはシェイミに連れられて、昼間なのに薄暗い不気味な森の中を歩かされていた。
「マジでお化け屋敷かここは・・・・」
「うるさいな。もうすぐ到着するから黙ってろ。ほら、あそこの家が、あたし達の探す人物の居場所だ」
シェイミが指した先には真っ赤なペンキで塗りたくったような、悪趣味な家が一軒建っていた。それを見た瞬間、アベルの背筋が鳥肌を覚えた。
「チョイチョイチョイチョイ。マジで言ってんのか。何だよあの家は。ええ、人が住む場所かよ」
「失礼だろ」
「だってよお、臭そうだし」
アベルが騒いでいると、その声が聞こえたのか、悪趣味な家の扉が開かれ、中から一人の女性が現れた。それは女性と表すにはあまりに若く、14歳前後の見た目をしていた。髪はオレンジ色でサラサラのストレートヘヤー。眼はキュッと吊り上っていて、可愛らしさとツンとした部分が印象的な少女だった。
「ガキかよ。それに気の強そうな女だ。俺ああ言うの大っ嫌いだ。いくら可愛くても、性格キツい女は無理だよ」
アベルが文句を言っていると、今度はオレンジ髪の少女に続いて、修道服に身を包んだシスターが現れた。彼女は前髪に金髪が垂れており、ムチッとした豊満な体付きをしていた。それが修道服によって強調されていた。見たところおっとりとした、優しそうな女性だった。
「あ、あ・・・・」
アベルは顔を真っ赤にして激しく取り乱していた。その女性が彼のストライクゾーンだったことは言うまでもない。
「最初に出てきた女性がルカ様だ。あたし達の先生となる方だ。そして隣にいるのが、ここで修業しているシスターのフィオナさんだ」
「ガキの方は先生なのか・・・・」
アベルとシェイミの前に、ルカとフィオナが近付いて来た。
「ああ、フィオナさんに、ルカ様」
シェイミは固まっているアベルを無視して、二人に頭を下げた。するとフィオナがアベルの方を向いて、不思議そうに首を傾げた。
「あら、こちらの方は・・・・?」
「この男はアベルと言って。ルカ様に魔法の訓練をして頂きたく、同行させました」
話が勝手に進んでいるが、フィオナはアベルの顔をじっと見ると、両手でスカートの裾を掴んで、上品に頭を下げた。
「私、フィオナ・シルフィードと申します。以後お見知りおきを」
「お、俺。いや僕、アベルと申します。ええ、あなたに敢えて光栄です」
アベルの声は裏返っていた。まさか女性と話しているだけでこんなにも口が渇くとは、彼にとって予想外の出来事だった。フリーターをしていた頃は、バイト先にも近所にもここまで魅力的な女性はいなかったのだ。
「チョイあんた。何鼻の下伸ばしてるのよ。気持ち悪いわね」
ルカは見た目通りの辛辣な言葉をアベルに浴びせた。すると彼の顔に青筋が立った。
「おい、このガキが。俺はロリコンじゃないからよ。そんなこと言われたって、ご褒美にはならないんだよ」
「はあ。ガキですって。私の方があんたよりも100年は長く生きているわ」
「な、何100年だと?」
「言い忘れたが、ルカ様は127歳だ。莫大な魔力の影響で、14歳以降肉体に変化はないがな」
「変化が無いって。ロリババアかよ・・・・」




