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転生サーガ~異世界勇者録~  作者: よっちゃん
第1章・リオン編
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ディタール軍遠征

 ディタールから遥か西方に存在する一つの大きな国があった。その名をマリーンと言う。マリーンはディタールとエクスダスに続く大国で、三つの国を合わせて、そのまま三大国と呼んでいた。このマリーンで、現在大きな問題が発生していた。

「ジャン様大変です。反乱軍の襲撃です」

「もう来たのか。守りを固めろ。我がマリーンの民に指一本触れさせるな」

 マリーンの抱えている問題、それはここが多民族国家であることにも関係していた。マリーンからさらに西へ進んだところに、タータル族の里が存在している。タータル族は少数民族で、ドラゴンと意思疎通ができるという不思議な能力を持っていた。そのタータル族が反乱を起こし、近年、マリーンに対して侵攻してくるようになったのだ。


「ダメです。もう城の中にまで来ています」

 敵は上空にいた。巨大な翼をはためかせた馬ほどの大きさのドラゴンに乗り、ジャン達の姿を高みから見下ろしていた。実際のドラゴン自体は太古に絶滅している。今、タータル族の乗っているドラゴンは、ドラゴノイドと呼ばれるドラゴンの末裔であり、品種改良によってブレス攻撃は失ったが、代わりにドラゴン以上の飛行能力を得た。

「仕方ない。大砲を撃て」

 ガラガラと重苦しい音を立てて、車輪の付いた大砲がドラゴノイド目掛けて弾を撃った。ドラゴノイド達は八の字を描きながらそれを避けると、分が悪いと思ったのか、そのまま撤退してしまった。

「たかが異民族が、俺の城を、俺の民を傷付けやがって」

 ジャンは城壁を八つ当たりに殴った。彼はマリーンの国王で、まだ27歳という若さで国の全権を担っている。


「そうだ。ディタールやエクスダスに救援を頼もう。タータル族はユートピアンの敵だ。きっと手を貸してくれる」

 ジャンは手紙を二通書くと、そのうちの一通を伝令に渡した。そしてもう片方を、自分の背後に護衛として立っている。黒衣の服を身に付けている男に渡した。男は顔にも黒い布を巻いており、目元以外は全て隠していた。

「頼むぞ。お前を高い金で雇ったんだからな」

 ジャンは黒衣の男の肩を叩くとディタールに向かわせた。


 ディタールでは、レイナが慌ただしく城内を走っていた。いつもおっとりと構えている彼女らしからぬ慌てぶりに、周りの兵士達も不思議そうな顔をしていた。

「リオン様ぁ」

「何だい?」

「何故、私にあんな仕打ちをしたのですかぁ。いじめですかぁ?」

「いじめって。そんなわけないだろう」

 リオンは先日の宴で懲りたのか、城内に禁酒令という決まりを敷いていた。つまり城内で酒を一切禁止するという法を作ったのである。酒樽の前には禁酒令と書かれた立札が設置され、兵士達によって厳重に見張られているので、そう簡単に近付くことは不可能だった。


「私にはお酒しかないんですぅ~」

「おい、あなたは人妻だろう。あまり酒を飲みすぎると、子供にも悪い影響を及ぼすことだってあるし、もう泥酔されて吐かれるのも脱がれるのも嫌なんだ。僕は・・・・」

 リオンは宴の夜を思い出して溜息を吐いた。あれ以来毎日悪夢にうなされているのだ。そんな彼の元に一人の男が現れた。黒衣に身を包んだ不気味な風体の男が、彼の前で片膝を突いて、一通の手紙を渡してきた。

「君は、使いの者か・・・・」

 リオンは唐突に突き付けられた手紙に眼を通すと、すぐにジェイを呼んで、その手紙を彼にも読ませた。


「どうするか・・・・」

「王、すぐに行くべきでしょう。マリーンは海洋国家の異名を持つ海に面する国で、何より我が国とエクスダスと並ぶ、三大国の一つ。もしマリーンに何かあれば、三大国の均衡が崩れ戦乱が起こります。我々の先祖は国を三つに分けることで、力が一つに集中することを防いでいたのです。だからこそ、今まで平和に過ごせていた。やはり今すぐ支度を始めるべきでしょう」

 善は急げとはこういうことを言うのだろう。リオン達は早速遠征の支度を済ませると、マリーンに向かって出発した。配下の内、センとジェイを国に残し、他の者達でマリーンに向かうこととなった。

「先程の使いの者は帰ったのか。まあ良い。皆出発だ」

 リオンは遠足に引率する教師のように、一番前で駒を進めていた。

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